『Dead by Daylight』サバイバーが嫌がる「スピリット」のおすすめパーク構成と「フェイズウォーク」を使った立ち回り解説
マルチプレイ型ホラーゲーム『Dead by Daylight』は、世界的に高い人気を誇っており、2018年9月19日にリリースされた、DLC「Shattered Bloodline」は日本国内のユーザーの間でも話題になったと思われる。それは、「Shattered Bloodline」が日本をテーマにしたチャプターであり、新たに追加されたキラー「スピリット」、サバイバー「アダム・フランシス」が日本に縁があるキャラクターであるということも影響しているだろう。この記事では、動画配信主のもろこし氏に、キラー「スピリット」のおすすめパーク構成と立ち回りについて解説していただいた。もろこしさんには以前、本作の初心者向けの記事でも解説していただいた(関連記事)。その長柄として本稿の後半では、もろこしさんから、これから『Dead by Daylight』を始めるプレイヤーの上達方法についてのアドバイスも掲載している。
能力の紹介の前に「スピリット」紹介をしておこう。キラー「スピリット」は武力によって栄えた、山岡家の末裔、山岡凜の変貌した姿である。かつての栄光は見る影もないほど、経済的に困窮していた山岡家は広大な敷地に建つ屋敷の修繕に苦労していた。そして、壁の修繕にカビの生えた粗末な素材を使用したことから、先祖の怒りを呼び覚ましてしまう。そして、先祖の憎しみと怒りに憑りつかれた山岡凜はキラー「スピリット」に変貌したのだ。
以下、もろこしさんの解説をもとにキラー側の目線で紹介していく。「スピリット」は「山岡の祟り」という特殊能力を持っている。この「山岡の祟り」は「スピリット」の肉体と霊体を分離する能力である。開発チームのアナウンスなどでは「Phase Walk」、または「PW」と表記されるため、多くのユーザーがこの能力を「フェイズウォーク」と呼んでおり、こちらの方が呼び方としてはポピュラーなようだ。もろこしさんの動画においても、「フェイズウォーク」と紹介されており、本稿では呼称を統一するため、「フェイズウォーク」と記述していく。
https://youtu.be/U3vzbnAm0K8
「フェイズウォーク」を使用すると、プレイヤーはサバイバー側からは視認することができない、「スピリット」の霊体を操作することになる。そして、「フェイズウォーク」を使用した地点に肉体を残すのだが、サバイバー側の心音は肉体の方に反応するため、予期せぬところからダメージを負わせることが可能なのだ。ただし、霊体になると「スピリット」からも、サバイバー側の姿が見えなくなってしまうので、一方的に有利な状況に持ち込めるとは限らない。しかし、「フェイズウォーク」使用中は移動速度も上昇するため、上手く立ち回ることでサバイバーを追い込めるだろう。
「スピリット」はトリッキーなキラーではあるが、良い立ち回りをするためにはまず、「スピリット」の弱点を把握することも重要と思われる。実際に、もろこしさんは動画において、「スピリット」の弱点を大きく2つに分けて紹介している。1つ目は先ほども述べた、「フェイズウォーク」使用中、サバイバーを視認できないという点にある。そのため、プレイヤーはサバイバーの居場所を足跡と足音、呼吸音で探知することになる。そこで役に立つのが、パーク「喘鳴」なのだという。このパークはサバイバーの息遣いの音が大きく聞こえるようになるという効果がある。そのため、「喘鳴」を付けておくことで、「フェイズウォーク」使用中でも、サバイバーの大体の居場所が分かるようになる。もちろん、慣れないプレイヤーにとっては練習が必要になるのだが、サバイバーの視認ができないという点は「フェイズウォーク」を使用する上で避けては通れないため、「喘鳴」はそれを補うための対策ということになる。
2つ目の弱点は、「スピリット」の移動速度にあるという。キラーはそれぞれ、足の速さが決まっており、立ち回りに大きく影響する。「スピリット」は、「ハグ」や「ハントレス」といったキラーと同じく、鈍足の部類に入るのだ。これは、チェイス継続による速度ボーナス「血の渇望」の効果が発揮された場合にも、チェイスの上手なサバイバーに対しては不利と言えるだろう。「フェイズウォーク」使用中は移動速度が上昇するため、先述したパーク「喘鳴」の効果も合わせると攻撃を当てやすくなるのだが、這いずり状態にするには2回攻撃を当てなければならない。「フェイズウォーク」は使用後、クールタイムがあるためチェイスが長引けば逆に追い詰められていく可能性がある。
その対策として、もろこしさんが紹介するパークの組み合わせが「呪術: 霊障の地」と「呪術: 破滅」である。「呪術: 霊障の地」はマップ上に「呪いのトーテム」を2個生成し、どちらか片方が破壊された時点からパークのレアリティに応じて40/50/60秒間、サバイバーを無防備状態にする。つまり、通常は二回攻撃を当てないとサバイバーを這いずり状態にできないのだが、「霊障の地」の効果発動中はサバイバーを一撃で這いずり状態にすることが可能になる。これにより、一度のチェイスで確実にサバイバーをフックに吊る状況までたどり着きやすくなると言える。
そして、「呪術: 破滅」はマップにある通常のトーテムを「呪いのトーテム」にすることができる。「呪術: 破滅」によって生成された「呪いのトーテム」は、発電機の修理速度にペナルティを与えるという効果がある。つまり、上記2つのパークを組み合わせると、マップに「呪いのトーテム」が3個生成されることになる。当然、サバイバー側としては「呪術: 霊障の地」の効果発動を避けたいため、迂闊に「呪いのトーテム」を破壊できなくなる。ただし、「呪術: 破滅」によって生成された「呪いのトーテム」を破壊しなければ発電機の修理に苦戦することになる。そうした板挟みの状況を作り出すことで、サバイバーを追い込むことが目的なのだという。下の動画はこれらパークを組み合わせた効果が発揮しているシーンである。
https://www.youtube.com/watch?v=U3vzbnAm0K8
また、「バーベキュー&チリ」もサバイバーをフックに吊った際に役に立つパークとして紹介されている。「バーベキュー&チリ」はフックに吊った地点から一定距離離れているサバイバーの居場所が4秒間、視認できる効果がある(また、ブラッドポイントの獲得量も増えるため、キャラクター育成においても人気のパークだ)。それにより、大体の位置を把握し、再び上述したような流れで追い詰めることができるのだ。
このようなパーク構成において、立ち回ると「スピリット」が圧倒的に有利なように思えるが、サバイバー側にも「スピリット」対策に効果的なパークがいくつか存在すると、もろこしさんは紹介している。そのサバイバーパークが「鋼の意志」と「デッド・ハード」である。「鋼の意志」は負傷時でも立ち止まっていると「うめき声」を小さくしたり、完全に抑えることができる(効果はレアリティによって変化する)。そのため、「スピリット」がパーク「喘鳴」を付けていたとしても位置がばれるリスクを軽減できる。「デッド・ハード」は負傷時に効果を発動できるパークで、前方へダッシュするほか、効果発動中はダメージを受けない無敵状態になるのだ。
上述したように、「スピリット」のような鈍足キラーは長時間チェイスに持ち込まれると不利になるため、非常に効果的と言えるだろう。また、「デッド・ハード」はあらゆるキラーに対して効果的であるため、非常に人気のサバイバーパークである。このようにサバイバー側、キラー側の両方から立ち回りを考えるとさらに、対策が見えてくるように思われる。そこで、動画で紹介されていた内容以外にも、どのようなおすすめパーク構成があるのか、さらにサバイバー側の「スピリット」対策について、もろこしさんに解説して頂いた。
――動画中に紹介されていたパーク以外に「スピリット」におすすめのパークを教えてください。また、どのように立ち回るのがおすすめですか。
「選択は君次第だ」をおすすめします。立ち回りについては、サバイバーを1人フックに吊った後、そのパークが発動する距離までフックから離れ、他のサバイバーを探します。そのサバイバーがフックから救助された場合、すぐにフックのもとに「フェイズウォーク」で接近します。ほとんどのサバイバーは吊られていたフックから離れようと動くため、フックの両側どちらかに現れると、サバイバーを簡単に見つけられるでしょう。うまくパークが発動できると、発見したサバイバーがどちらであっても容易に這いずり状態にできるので、相性は抜群であると思います。
――キラー「レイス」も透明化の能力を持っています。「レイス」と「スピリット」の透明化能力の決定的な違いと、「フェイズウォーク」にしかない強みを教えてください。
「レイス」は、透明化を時間の制限なく使うことができます。さらに透明になっている間は、サバイバーの姿が見えるため非常に索敵に優れた能力です。しかし、透明化の解除に時間がかかってしまい、攻撃に移るまでに時間を要します。次に、「スピリット」は透明になっている間は、サバイバーの姿が見えないため、サバイバーの位置を把握した状態で使うことが多いと思われます。一方、「スピリット」は透明化の解除後、すぐに攻撃ができます。そのため、サバイバーの目の前に現れることができたら、確実に一撃を与えられるでしょう。
――「フェイズウォーク」は使いこなすには理解が必要な能力だと思われます。どのように練習すれば上達できますか。
まず、「フェイズウォーク」がどれくらいの距離を移動できるのか把握しておきましょう。サバイバーに届かない所から「フェイズウォーク」を使っても攻撃を与えられません。次に、負傷状態のサバイバーのうめき声を集中して聞くことです。うめき声の方向を特定し、「フェイズウォーク」でうまく近づけるように練習しましょう(イヤホンを使用することをおすすめします)。それに慣れてきたら、サバイバーの足音も聞こえるようになるので、それを頼りに「フェイズウォーク」で追いかけましょう。
――サバイバー側をプレイしている際に、キラーが「スピリット」であると分かったら、どのようなことを警戒するとよいのでしょうか。
「スピリット」に見つかっていない状態で「フェイズウォーク」で近寄られた場合でも、「スピリット」の声はしっかりと聞こえるので、その場からすぐに離れるようにしましょう。「フェイズウォーク」にはクールタイムがあり、効果が切れた後の「スピリット」は足が遅いため、脅威ではありません。その後、「フェイズウォーク」を再度使用してきた際に、板の付近で待つのは禁物です。キラー側は板の周りにサバイバーがいることを警戒しています。先ほども述べた通り、透明化を解除した後の攻撃スピードはとても早く、ダメージをもらってしまいます。
――動画では「呪術: 霊障の地」と「呪術: 破滅」を組み合わせて「呪いのトーテム」をマップ上に3つ生成していましたね。言ってしまえば、サバイバーは「破滅」によって生成された「呪いのトーテム」しか破壊したくない状況ですよね。あの状況における、サバイバー側の心境と状況を切り抜ける対策を教えてください。
正直なところ、自分がサバイバーでも当たりたくない、キラーパーク構成です。「呪術: 霊障の地」の効果を最小限に抑えたいので、誰もフックに吊られていない状態で、「呪いのトーテム」を壊すのがベストなタイミングだと思います。もし、マッチ開始直後に壊すことができれば、板の枚数も多いため、キラーの攻撃は受けにくいでしょう。味方がフックに吊られている状態に「呪いのトーテム」を破壊すると、救助に行ったサバイバーのリスクが高くなり、救助に行きづらくなってしまいます。そうなると、味方はフックに吊られたままになってしまいかねません。
――「スピリット」を使用した際の気持ちよかった立ち回りエピソードなどがあれば教えてください。
パーク「バーベキュー&チリ」は、サバイバーをフックに吊るすと、他のサバイバーの場所を把握できるため、その場所に「フェイズウォーク」で向かい、すぐにサバイバーをフックに吊るす、という流れを続けながら全滅させた時はうれしかったです。
――現在、PTB 2.3.0によるバランス調整などが話題ですね。仮にPTB 2.3.0のバランス調整が、そのままライブサーバーに適応された場合のおすすめのパーク(キラー、サバイバー両方)を教えてください。
サバイバー側のおすすめパークは「警戒」です。やはりキラーの位置を把握できるのは優秀だと思われます。キラー側のおすすめパークは「選択は君次第だ」です。現状、パークが多くなっているため、レベル1のパークでも効果が高いことが重要です。
https://youtu.be/mVOAzzeDZGw
『Dead by Daylight』には多くのパークがあり、アドオンやオファリングを含めると膨大なカスタマイズの組み合わせが用意されている。それら全てを一度に理解することは難しいと思われる。しかし、もろこしさんが解説したように、まずは「フェイズウォーク」で移動可能な距離を確認するといった、基本的な能力を把握することはすぐに始められるだろう。本作のキラー側の楽しみは、サバイバー側を全滅させるだけではないはずだ。一つ一つ学んだことを試してみると、上手くいった時と、そうでない時の立ち回りの差が分かりやすいことも本作の特徴のように思われる。一度上手くいった立ち回りは、他のマッチングにおいても通用する可能性がある。そのように、一つずつ自分の得意な立ち回りを増やしていくことに本作の楽しみがあるのではないだろうか。本稿で紹介したパーク構成を含め、まずは自分の使ってみたい、と思えるパークを1つ選んでみる、という楽しみ方から始めてみるのも良いだろう。