第4章 終盤戦(競技エリア縮小4回目以降)
4-1. 縁を取るか中心を取るか
競技エリアの縮小4回目にもなると、プレイヤー数は10人から20人に絞られてくる。ここから先は「残り10人」というプレッシャーの中でも冷静さを失わずに、銃声が聞こえてくる方向だけでなく周り全体を見渡し、有利なポジション・地形を探し出す観察力が不可欠となってくる。緊張下でも平常時のパフォーマンスが出せるのか、プレイヤー自身との戦いでもあるのだ。
終盤戦の立ち回りとしては、競技エリアの縁をキープして死角の安全を確保しながら進むか、競技エリアの中心になりそうな場所で有利なポジションを確保するかの2通りに分かれる。円の中心で戦う場合、全方位に注意を向ける必要があるが、射線の入りにくい場所に陣取れれば「ドン勝」に近づける。円の中央に建物があれば、車で直行するのも悪くない。自分の現在地は丸バレになるが、建物を死守できれば比較的安全に過ごせる。
円の縁に残る場合、背後の安全を確保しやすいものの、競技エリアの狭まり方によっては移動を繰り返さなければならず、移動中に狙撃されるリスクが高まる。遮蔽物の少ないオープンエリアを通過する際はスモークグレネードを惜しみなく使おう。
いずれにしても、狭い競技エリア内で発砲するということは、自分の居場所を知らせることと同義であるため、敵を見つけたとしても「本当に自分が倒さなければいけない相手なのか」を都度考えるべきである。他プレイヤーに狩らせれば脅威が減るだけでなく、それまで把握していなかったプレイヤーの位置情報を仕入れることができる。
4-2. 5つの心がけ
ゲーム全体を通して言えることではあるが、残り10人になってからは以下5つの能力が特に重要になってくる:
2)交戦するタイミングや次の移動先を決める決断力
3)無駄な発砲や移動を控える忍耐力
4)これらをマッチの最後まで維持する集中力
5)最低限のエイム力
ありふれたアドバイスになってしまうが、結局のところ「ドン勝」の味を知るカギはこの5つに集約されると考えている。いずれも知識ではなく経験により培う必要のある能力ばかりだ。例外として、ヘッドショットを安定して取れるエイム力がある場合は、1)から4)はある程度無視しても勝てるだろう。発砲を誘い、相手の居場所を特定しては撃ち勝つという流れを繰り返せば良い。
だが筆者を含め、大多数のプレイヤーにとってエイム力だけで場を制することは困難だと思われる。「バトルロワイアル」ゲームを何百何千時間とプレイしてきたベテラン勢と張り合うには、やはり上記5つを常に念頭におきながらプレイすることで、失敗から「効率良く」学んでいく必要がある。「あそこに敵がいそう」「このルート、このタイミングで移動してくるはず」といった勝負勘は、プレイ回数を重ねることで磨き上げるしかない。『PUBG』の容赦なき戦いの日々にのめり込んでいった方々には、ぜひ自身の経験に基づいた確かなノウハウを蓄えていってほしい。
また冒頭でも述べたように本作の遊び方は人それぞれである。ゲーム実況者の動画を視聴することで、自分一人の力では思いつきもしなかったであろう戦術や立ち回りなど、新しい気づきを得られる。『PUBG』はどこまでもゲーム配信文化との相性が良い。しばらく自分でプレイしてみて、上手くいかなければ他プレイヤーの動きを研究する。その過程の中で成長し続ければ、いつしか「ドン勝」をたらふく食えるようになるはずだ。