ドン勝を食いっぱぐれないための『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』初心者ガイド

「ドン勝」の香りすら嗅げぬまま散ってしまう方も多いだろう。まずはプレイヤー数が10人台になるゲーム終盤まで生き延びなければ話にならないため、そこに至る確率を高めるための基礎知識を以下に綴っていく。
「勝った!勝った!夕飯はドン勝だ!」

これは『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)で最後の生き残りとなった証として表示される祝いのメッセージである。英語版では「Winner Winner Chicken Dinner !」と訳されているもので、この言葉遊びを日本語向けにアレンジする過程で「ドン勝」という胃にズッシリきそうな謎の創作料理が生まれた(ちなみに開発のBlueholeは韓国のデベロッパー。トンカツの韓国語表記はDonkkaseuである)。本作は2017年3月の早期アクセス開始以降、プレイヤー人口が増え続け、4月には200万セールスを達成したモンスターフード、もとい「バトルロワイアル」ゲームである(本ジャンルのルーツが映画・小説「バトル・ロワイアル」にあるため、本稿では英語・フランス語混じりの「バトルロワイアル」という表記を利用)。

読者の中には、これまで「バトルロワイアル」というジャンルに関心がなかったにも関わらず、「ドン勝」というパワーワードに惹かれて『PUBG』の世界に足を踏み入れたくなった方もいるのではないだろうか。本稿はそうした「ドン勝」試食者たちに向けた初心者ガイドである。『PUBG』のルール自体は「最大100人の中から最後の生き残りになるまで殺し合う」という単純明快なものながら、その過程で繰り広げられる情報戦は熾烈極まっており、「ドン勝」の香りすら嗅げぬまま散ってしまう方も多いだろう。まずはプレイヤー数が10人台になるゲーム終盤まで生き延びなければ話にならないため、そこに至る確率を高めるための基礎知識を以下に綴っていく。

ただガイド記事を書く上で悩ましいことに、本作の遊び方はひとつではない。序盤から他プレイヤーを積極的に狩り、身の安全を確保しながら進む好戦的なプレイスタイルで勝ち星を積み重ねているプレイヤーも存在するが、それは初心者が真似できるような芸当ではない。よって本稿では「敵との遭遇率を下げつつ、殺るときは殺る」を行動規範としたガイドを心がけている。その方が初心者でも実践しやすく、結果的にゲーム終盤までの流れや注意事項を経験として学びやすいだろう。なお本稿はソロプレイを念頭に置き、早期アクセス バージョン2.2.33のゲーム内容をもとに執筆している。

目次

第1章 ゲーム開始まで(同ページ)
第2章 序盤戦(競技エリア縮小1回目まで)
第3章 中盤戦(競技エリア縮小3回目まで)
第4章 終盤戦(競技エリア縮小4回目以降)


第1章 ゲーム開始まで

1-1. いくさの下準備

待機時間を使って銃の性能をチェック

ゲームを起動してから真っ先に確認すべき項目はグラフィック/コントロール設定である。好みの設定に合わせるのがベストではあるものの、描写距離(距離を表示)を最大に、植生密度と影を最低設定にすることで視認性を高めておくと、多少ではあるが敵の位置を確認しやすくなるはずだ。コントロール設定に関しては、各種ショートカットキーを覚え、また使いやすいようリバインドしておこう。操作の遅れが命取りとなりかねないゲームだけに「説明書は読まない派」でも操作方法に目を通しておくことをオススメしたい。

準備が整ったらソロ、デュオ、スクワッド(最大4人)からプレイするモードを選択。ゲームが見つかると、人数が揃うまで待機用の小島で時間を潰す。この小島はゲームの操作を一通り確認できるように設計されているため、積極的に動き回ろう。各所に落ちている武器を使った射撃・投擲練習はもちろんのこと、コンテナを使ったジャンプ力の把握、岩場や水中での移動方法の確認まで待機中に済ませられる。ジャンプ練習の成果は「Novorepnoye」のコンテナヤードや、市街地における屋根伝い移動で発揮できる。

 

1-2. マップの見方

ShatterNL氏による武器・車両ロケーションマップ。より詳細な武器・車両のスポーン情報を扱っているサイトも存在するため、自分の使いやすいものを探し出そう

いざ参加人数が揃ったら輸送機に搭乗し戦場へと向かう。マップの基本的な見方として、黄色マスが1キロメートル、その内側にある白マスが100メートルを示している。マップ画面で右クリックすれば目印をセットできる。島内の建造物はほぼ全てマップで確認できるが、地形情報に関しては残念ながらマップだけでは読み取れない。こればかりは現地に出向きマップと見比べることで知識として定着させるしかない。

車両がスポーンしやすい場所や、強装備が高確率で落ちているエリアについては、ネット上でも画像が出回っているように、今やほとんどのプレイヤーが把握している。軍事基地、地下シェルター、射撃練習場、学校などミリタリー系の装備品がスポーンしやすい場所は漏れなく競争率の高いレッドゾーンである。毎回安全に探索できる穴場は存在しないと思って良い。ただし輸送機の空路沿いに生まれる密集エリアを避けることで、競争率を下げることは可能である。

【UPDATE 2017/05/27 15:00】
一部ガレージ内に車両が必ずスポーンする現象はバグであったため、2017年5月25日の月次アップデートよりスポーン確定ではなく、「高確率でスポーンする」に変更となった。この変更にともない「車両のスポーン確定スポット」という文言を「車両がスポーンしやすい場所」に変更。

1-3. パラシュート降下

フリールックで周りのプレイヤーがどこに向かっているのか確認する

スカイダイブを開始してから着地するまでに移動できる距離は2 – 3キロメートル。移動距離を最大限に稼ぎたい場合はパラシュートを最速(手動)で開き、Wキーの連続タップで小刻みに前進する。敵との遭遇確率を下げたい場合は、輸送機の空路から遠ざかるように滑空し、装備・車両スポーン確率の高いホットスポットの中から、競争率が低そうなエリアを予測しよう。

残念ながら同じことを考えるプレイヤーは多数存在する。たとえば南部の軍事基地は輸送機の通過ラインから離れていても狙う人が現れる。ただしホットスポットを独占するチャンスがないわけではなく、たとえば空路が南部の小島から離れている場合、軍事基地を狙う人はいても、基地の東に位置する「Novorepnoye」はガラ空きになる可能性がある。パラシュート降下中にカメラのフリールック(デフォルトではAltキー)で他のプレイヤーがどこに向かっているかを確認したり、途中で車両を見つけたらなら方向転換したりと、状況に応じて落下地点を瞬時に変更することで安全な位置に落下することが可能だ。このように島に降り立つ前から戦いは始まっているため、気を抜いてはいけない。

他プレイヤーとの接触を避けるのではなく、序盤から積極的に追い剥ぎしたい方は、輸送機から飛び降りてからカメラを真下に向け、最大速度(234km)で落下する「ダイブボム」により最速で着地し、素早く探索に移ろう。最速スピードで落下すればパラシュートが開いてから着地するまでの時間を半減できる。いずれにしても、輸送機の空路は着地後まで覚えておくこと。そうすると敵との遭遇確率が高いエリアを予測できるようになる。

>第2章 序盤戦(競技エリア縮小1回目まで)

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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