Nintendo Switchの“ドリフト”したJoy-Conを、米任天堂が無償で修理対応しているとの報道。しかし日本では同様の案内はされず

Nintendo Switch用コントローラーのJoy-Conについて、“Joy-Conドリフト”と呼ばれる現象が海外で話題になっている。これを受け、Nintendo of Americaが自社のカスタマーサポートに対し、無償でおこなうよう指示していると報じられている。

Nintendo Switch用コントローラーのJoy-Conについて、いわゆる“Joy-Conドリフト”と呼ばれる現象が海外で話題になっている。Joy-Conドリフトとは、以下のツイートの映像のように、Joy-Conのアナログスティックに触れていないのに入力操作がおこなわれてしまう不具合のこと。Nintendo Switch本体への再接続や、スティックの補正をおこなっても解決せず、内部で何らかの故障が発生しているものと思われる。

その修理について、任天堂の米国法人Nintendo of Americaが自社のカスタマーサポートに対し、無償でおこなうよう指示していると海外メディアにて報じられ注目を集めている。

https://twitter.com/Nixie_Plays/status/1152268364460544000

Joy-Conドリフトについては、これまでにも国内外のユーザーから報告されてきた。ネット上では、自力で修理する方法を紹介する動画や記事が多く見られるが、基本的には任天堂のサービスセンターに送付して正規に修理してもらうべきだろう。保証期間内であれば無料で修理してくれる。保証期間が過ぎている場合は、日本ではJoy-Con1本につき2160円(税込)と参考価格が規定されている。海外でも同様で、Joy-Conドリフトを無償・有償で修理してもらったという報告が見られる。

海外メディアVICEは7月24日、Joy-Conドリフトに関連する(米国)任天堂の内部資料を関係者から入手したと報じた。その内容は、Joy-Conの不具合を訴え修理を求めるユーザーに対して、今後カスタマーサポートはレシートなどの提示や、保証期間内かどうかの確認を求める必要はないというもの。そしてJoy-Conドリフトの症状を訴えている場合は、無償で修理するとしている。また、過去にJoy-Conを有償修理したユーザーが、その修理代金の返金を求めた場合には、応じるよう指示したという。

VICEでは、Joy-Conドリフトに悩む知人に任天堂のサポートに連絡してもらい、この内部資料の記述が事実かどうか確認したという。その結果、Joy-Conを修理に送るための代引きの送付ラベルが送られてきたそうだ。これをもってVICEは、送料及び修理代金は無償であることが確認されたとしている。

ただ日本の場合、修理代金は代金引換便で返送されてきた際に支払うため、これだけでは本当に無償修理となるのかどうかははっきりしない。一方で、Redditでは過去の修理代金について返金してもらうことができたという報告が見られることから、一定の信憑性はありそうだ。

とはいえ、これはあくまでNintendo of Americaによる対応である。では、日本を含めほかの国ではどういった対応になっているのだろうか。海外メディアNintendo Lifeは、イギリスやフランスでは、これまでどおり保証が切れていれば有償修理であるというサポートの回答を伝えている。

実は筆者もJoy-Conドリフトを経験しており、保証期間が過ぎていたため修理せず新たなJoy-Conに買い換えた。そこで今回、ドリフトしてしまった前のJoy-Conを直すべく、任天堂サポートに症状を説明し修理代金について確認したところ、前述の参考価格2160円での有償修理という回答を受け取った。実物の状態を確認したうえで4〜500円程度は上下する可能性はあるとのこと。いずれにせよ、これまでどおりの対応であり、現時点では保証期間内でなければ日本国内でドリフトしたJoy-Conの修理は無償になることはない。

このJoy-Conドリフトを巡っては、先日アメリカにてクラスアクション制度に基づく集団訴訟が、Nintendo of Americaを相手取って提起された。原告は、Joy-Conドリフトは構造上の欠陥によるものであると主張し、損害賠償やJoy-Conのリコール、無料交換プログラムの実施などを求めている(関連記事)。

Nintendo of Americaが、保証の有無に関わらずJoy-Conを無償修理し、修理代金の返金にも応じるようサポートの対応を変えた(と見られる)のは、この集団訴訟を受けてのものかもしれない。ただ、原告が主張する欠陥を認めたわけではないため、アメリカ以外ではこれまでどおりの対応になっているものと思われる。そうした意味でも、この訴訟の行方には注目が集まるところである。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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