「Google Play Indie Games Festival 2019」結果発表。オンライン投票は『ALTER EGO』が受賞、個性的な受賞作品を紹介

Google Playは6月29日、「Google Play Indie Games Festival 2019」ファイナルイベントを開催し、結果を発表した。「Google Play Indie Games Festival 2019」は、Google Playが主催する国内インディーゲーム開発者のためのコンテスト。

Google Playは6月29日、「Google Play Indie Games Festival 2019」ファイナルイベントを開催し、結果を発表した。「Google Play Indie Games Festival 2019」は、Google Playが主催する国内インディーゲーム開発者のためのコンテスト。Google Playで2018年1月1日以降に公開されたゲームを対象に公募が行われ、5月下旬にトップ20タイトルが選出。東京神田で開催されたファイナルイベントでは、審査員と一般参加者による投票によって、各受賞タイトルが選出された。今回は、受賞作品の中からいくつかピックアップして紹介していく。

事前に行われていたオンライン投票によってオンライン投票最優秀賞に選出された、カラメルカラムの『ALTER EGO』は、プレイヤーが旅人となり「私ってなに?」と問い続ける少女エスと、選択肢を介して向き合う自我戒めクリッカーADV。クリッカーゲームとしてのシステムをベースに、太宰治の「人間失格」やルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」など著名な作品を引用した吹き出しが登場することや、自己の在り方を問いかけるような哲学的な内容が、プレイヤーの心に刺さり「オンライン投票最優秀賞」に繋がったのだろう。

トップ3及びエイベックス賞を受賞したDaigo Studioの『くまのレストラン』は、死者が訪れるレストランを舞台に、調理担当の「くま」とホール担当の「ねこ」が死者の好物を最後の晩餐として提供するADVゲーム。死者の生前の記憶にダイブでき、彼らの日常や死の間際を垣間見ることができる。無料で遊べる前編と有料の虚無編の2部構成で、死をテーマにした物語が紡がれているそうだ。

ゴジラ賞を受賞した、Sudio Kingmoの『相撲巻 – SumoRoll 横綱への道』は、力士となって横綱を目指していく、物理演算を取り入れた2ボタンによる相撲ゲーム。画面上に表示された玉をスワイプによって掃除する育成パートと、二つのボタンを駆使して土俵で戦う相撲パートがある。物理演算によるシュールで愛嬌ある3Dモデルの力士と、バトル中脳裏に響く怪しげなボイスが独特の味わいを放っている。なお、相撲部屋での育成パート中は、関取がやってくると育成の効率が上がる。ゴジラ賞受賞によって、ゴジラキャラクターのゲーム化ライセンスと、制作費最大1000万円が贈られており、ゴジラを活かしたどんなゲームが出てくるのか楽しみだ。

集英社 キャラクタービジネス室賞を受賞した『はむころりん』は、デフォルメされた可愛らしい動物たちを転がすアスレチックアクションゲーム。『幻想スカイドリフト』『魔法の女子高生』『Heart of Crown PC』などを開発したilluCalabによる作品で、キャラクターごとに設定されたスキルを活かして、コース上に用意されたゴールを目指す。ショットの強弱や角度によるルート選択や、スキル次第で打数が変化するゲーム性が特徴で、コース中に設置されたフルーツやアメを取得すると、新しいキャラクターがアンロックされる。制作費最大1000万円と、IPの提供が予定されており、IPを活かしたどんなタイトルが出てくるのか、こちらも期待できそうだ。

トップ3受賞作品
『MeltLand – メルトランド -』『Infection – 感染 -』『くまのレストラン』
トップ10受賞作品
『ベルセポネ』『『テラセネ それでも君を照らしたい』『シロクマ ランチ Fish』『カミオリ』『クマムシさん惑星 ミクロの地球最強伝説』『ReversEstory』『キグルミキノコ Q-bit -第一章-』
特別賞
集英社少年ジャンプ+賞『ベルセポネ』、集英社 キャラクタービジネス室賞『はむころりん』、エイベックス賞『くまのレストラン』、ゴジラ賞『相撲巻 – SumoRoll 横綱への道』

惜しくもトップ3や特別賞に選ばれなかったタイトルの中にも、先日弊誌でも取り上げたローグライクACTSTG『ReversEstory』や、太陽となって光を操り少女を守る『テラセネ それでも君を照らしたい』など、しっかり遊ばせるタイトルもある。何れも個性的で作り込まれた作品ばかりなので、コンテストの結果発表を機会にこれらのタイトルに手を出してみるのも良いかもしれない。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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