『キングダム ハーツIII』ピエール瀧容疑者の逮捕については、アップデートで対応へ。映画と同じく声優を交代

 

スクウェア・エニックスは本日3月14日、『キングダム ハーツIII』ゲーム内ワールドのひとつ、「アナと雪の女王」の世界を舞台にした「アレンデール」に登場するキャラクター「オラフ」の日本語版吹替声優を交代すると発表した。これにともない、今後ゲーム本編のアップデート配信を実施するという。

アップデートの内容や配信時期等の詳細は、今後発表するとのこと。本文中にはその名前を出していないものの、俳優やミュージシャン、そして声優としても活動していたピエール瀧(本名 瀧正則)氏が麻薬取締法違反容疑で逮捕されたことと大きく関連しているだろう。ひとまず同作における瀧氏に関連する部分の処遇をはっきりさせた形だ。

瀧容疑者はゲーム分野においても活動を見せており、昨日には容疑者が出演していた『JUDGE EYES:死神の遺言』について、販売元のセガゲームスは当面の間、当該製品の出荷及びDL販売、製品HPの掲出等を自粛すると発表していた(関連記事)。ディズニー映画「アナと雪の女王」の日本語吹替版にも、魔法で生まれた雪だるまであるオラフ役として出演していたが、ウォルト・ディズニー・ジャパンは、逮捕後間もなくオラフ役の日本語吹替の声優交代を発表。それにあわせる形で、「アナと雪の女王」の世界を舞台とした『キングダム ハーツIII』でも、アップデートにより声優が交代された。

瀧容疑者が逮捕された余波は大きく、同容疑者がCM出演していたLIXILは、過去に出演コンテンツを削除し、電気グルーヴも所属事務所のソニー・ミュージックアーティスツが今週末の15・16日にZepp Tokyoで開催予定だった「電気グルーヴ30周年“ウルトラのツアー”」東京公演の中止を発表していた(ORICON STYLE)。各社が自粛をはかっており、スクウェア・エニックスもディズニーの判断を仰いだのだろう。

Image Credit : 『JUDGE EYES:死神の遺言』公式ホームページ

ただし、販売停止などに至らなかったのは、不幸中の幸いかもしれない。『JUDGE EYES:死神の遺言』は、瀧容疑者の容姿や声を用いる、ゲーム中に深く関わるコンテンツであったことに対し、『キングダム ハーツIII』での出演はあくまで声のみ。もちろんボイスの再収録など対応は追われるだろうが、ほかのコンテンツにおける被害と比べると、まだダメージは少ないと予想される。

『JUDGE EYES:死神の遺言』を手がけた龍が如くスタジオの佐藤大輔氏はTwitterで、販売自粛への無念と今後の渇望を綴るなど、瀧容疑者の逮捕と自粛は多くのクリエイターを苦しめている。ゲームの出演俳優の差し替えについては、『龍が如く4 伝説を継ぐもの』のリマスターにて芸能界を引退した成宮寛貴氏にかわり増田俊樹氏が谷村正義役を演じるという処遇の前例もある。『キングダム ハーツIII』のオラフ役の声優交代がスムーズにおこなわれ、『JUDGE EYES:死神の遺言』の対応が終わり、早急に販売再開されることを願うばかりだ。