レトロFPS『WRATH: Aeon of Ruin』正式発表。『Duke Nukem』の3D Realmsと『Quake』Modderがタッグを組む

 

パブリッシャー3D Realms/1C Entertainmentは3月7日、『WRATH: Aeon of Ruin』を正式発表した。同作は『Duke Nukem』シリーズや『Shadow Warrior』の開発を手がけてきた3D Realmsと、初代『Quake』のModderとして知られるKillPixelことJeremiah Fox氏(クリエイティブ・リード担当)がタッグを組んで開発されている、90年代FPS色全開の一作。開発には初代『Quake』のゲームエンジンが採用されている。

プレイヤーが操作するのは、退廃しつつある世界に流れ着いたアウトランダー。荒れくれた魂たちを導く謎の指導者から、旧世界の守護者たちを葬り去れという任務を課される。9種類の武器(Alt Fireあり)、10種類のアーティファクトを活用し、暗い地下聖堂、古代遺跡、神殿、荒涼とした森林地帯などを探索し、怪物たちと戦いながら忘れ去られた秘密を明らかにしていくのだ。

キャンペーンモードは3つのハブエリアと15の相互につながり合ったレベルから構成されており、それぞれ怪物の大群や古代の秘密が眠っている。公式FAQによると、ゲームは完全な一本道ではなく、メトロイドヴァニアの要素が含まれているという。進行データをセーブするには「Soul Tethers」というアイテムを消費する必要があり、むやみやたらとセーブすることはできない。また読み物アイテムが多いという点でも、インスパイア元となった作品群とは違うとのこと。もちろん、読み物アイテムを全部無視して遊ぶことも可能だ。

初代『Quake』のゲームエンジンを採用することで再現されたノスタルジックなビジュアルは、懐かしのソフトウェアレンダリング(グラフィックスカードではなくCPU上で計算するレンダリング)に対応。最大4人Co-opおよびマルチプレイモード(『Quake World』ネットコード使用)も含まれるほか、ローンチ時にはModを作成するための各種ツールを提供する予定とのことだ。

サウンド面では、『Quake Champions』『Dusk』『Amid Evil』などを手がけたAndrew Hulshult氏と、『CyberPunk 2077』『Hitman』『EVE Online』のサウンドデザインを担当したBjorn Jacobson氏がプロジェクトに参加するという、頼もしい布陣となっている。『DOOM』『Quake』『Duke Nukem 3D』『Blood』『Unreal』『Hexen』といった90年代のクラシックなFPSの要素を色濃く残した本作が、21世紀の今、世に送り出される。

近年では90年代FPSのリバイバルが盛んであり、ユーザーから高い評価を得るレトロ作品が複数配信および発表されている。『WRATH: Aeon of Ruin』と同じ3D Realmsがパブリッシングを担当している『Ion Maiden』(『Duke Nukem 3D』のBuild Engine採用)は2018年2月にSteam早期アクセス販売が開始され、ユーザーレビューは圧倒的に好評(関連記事)。そのほかにも、本作と同じくAndrew Hulshult氏が楽曲を担当している『DUSK』『Amid Evil』、キャラクター成長システムを取り入れた『Project Warlock』、自動生成マップを進む『STRAFE』、大量の悪魔を蹴散らし続ける『Devil Dagger』などがリリースされている。未配信のものでは、90年代FPSの感覚を現代のレンダリング技術で再構成するハイクオリティレトロ3D『Prodeus』というタイトルも発表されている。『WRATH: Aeon of Ruin』もそうした90年代FPSリバイバルの流れを汲んだ力作として期待ができそうだ。

『WRATH: Aeon of Ruin』はPC版(Steam)が2019年夏に発売予定。その後は完成版がPC/Mac/Linuxおよび海外PS4/Xbox One/Nintendo Switch向けに2020年発売予定となっている。販売価格は未定ながらAAA級タイトルの半分程度を想定しているとのこと。近日中にクローズド・ベータテストの参加希望者を募る予定とのことで、気になる方は公式サイトやSNSを追っておこう。