クトゥルフ神話テーマのRPG『Call of Cthulhu』狂気に囚われる私立探偵を映す最新映像公開。1時間にわたるゲームプレイ映像も

ラヴクラフトの著作から影響を受けた一人称視点RPG『Call of Cthulhu』の最新映像が公開された。『Call of Cthulhu』の対応プラットフォームはPS4/XBO/PC(Steam)で、10月30日発売予定。1時間に及ぶゲームプレイ配信や視聴者から寄せられた質問への回答なども行っている。

パブリッシャーのFocus Home Interactive920日、フランスのインディースタジオCyanide Studioが手がける『Call of Cthulhu』の最新映像を公開した。本作は、作家ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの著作「The Call of Cthulhu(クトゥルフの呼び声)」をもとにした公式ゲームで、同著をテーマにしたChaosium社のテーブルトークRPGから影響を受けた一人称視点RPGである。

本作の主人公は、私立探偵のエドワード・ピアス。1924年のある日、ひとりの男が彼の元を訪れ、アメリカ・ボストン沖合に浮かぶ孤島ダークウォーター・アイランドにて、火災によって悲劇的な死を遂げた芸術家サラ・ホーキンスと、その家族について調査するよう依頼する。男はサラの父親だった。警察の捜査では、サラが気を病んでいたが故の事故として処理されたが、事件後に届けられたサラの絵画を見た父親は、この事件には何かが隠されていると信じて、エドワードを頼ったのだ。類稀なる調査能力を持つエドワードもその絵に何かを感じ、依頼を受けることにする。

第一次世界大戦を経験したエドワードは、常態化したストレスにより精神状態が脆く、狂気的な幻覚や悪夢に襲われることがある。そして、サラ・ホーキンスに関する調査を進め真実に近づくにしたがって、狂信者や旧支配者の存在に遭遇。それは幻覚なのか現実なのか、彼は狂気の瀬戸際へと陥っていく。今回公開された映像では、そういった存在に対峙する中で正気と狂気の間を行き来し、現実感覚が麻痺していくエドワードの様子を描いている。

Focus Home Interactiveは先日、開発元Cyanide Studioのナラティブデザイナーを招いて、本作のゲームプレイ配信を1時間にわたっておこなった。本作のゲームプレイ映像は、エドワードがダークウォーター・アイランドに上陸した港周辺や、ホーキンス一家の邸宅を調査する様子がこれまでに披露されてきたが、この配信ではエドワードが依頼を受けるゲーム冒頭から、ホーキンス邸の調査に入るまでを通してプレイしている。また、開発者が本作について視聴者から寄せられた質問にも回答しているため、いくつかそのコメントを拾っていきたい。

まず本作は、「クトゥルフの呼び声」の公式ゲームではあるもののオリジナルのストーリーを描いており、あくまでラヴクラフト作品から影響を受けるゲームとして制作されている。ただ、ラヴクラフティアンをガッカリさせることのないように取り組んでいるとのこと。ラヴクラフト作品からカメオ出演するNPCが存在するとも。ゲームプレイは探索要素が数多く用意されているが、オープンワールドゲームではなく、リニアなゲームプレイでストーリーが描かれていく。そのため、興味深いバックグラウンドを持つ力強いキャラクターとしてエドワードを用意し、キャラクターカスタマイズの採用は見送ったという。

ダークウォーター・アイランドに上陸したエドワードは、サラの父親に見せられた絵画の送付元となっていた36番倉庫を探す。倉庫は港のすぐ側にあるが、住民はよそ者のエドワードを警戒して倉庫に通じる道を通さず、また警官も既に終わった事件のことだといって協力してくれない。今回は倉庫にこっそり忍び込んでいるが、スキルレベル次第では邪魔する住民を退かせるなど、別の選択肢もあるという。

スキルには、フィジカルあるいは会話の強さを表すStrengthや、調査で得られる情報量につながるInvestigation、薬物の知識を表すMedicine、神秘学への知識を表すOccultismなど7つの項目があり、探索で重要な物証を得た際などに獲得できるキャラクターポイントを消費してレベルを引き上げることが可能。ただ、MedicineOccultismのみ、探索で発見できる本を読むことでレベルアップできる。

調査を進める中では、NPCとの会話から多くの情報を得ることになり、会話にはいくつかの選択肢が表示される。その選択肢の中には脅したり強い調子で詰め寄るものもあるが、Strengthのスキルレベルが十分でないと、相手には通じず失敗してしまうこともあるという。また、ホーキンス邸内で使用している、残された痕跡からその場所で過去に起こった出来事を可視化するReconstructionモードでは、Psychologyスキルを使う。こちらも、スキルレベルによって何が見えるのか情報量が変わってくる仕組みだ。

このように、本作ではさまざまあるエドワードのスキルを駆使しながら調査を進め、事件の真実を追っていくことになる。スキルレベル次第で得られる情報に変化があるのは上述した通りだが、一方で十分な情報を入手できなかったとしても、さらに調査を進めれば別の方法で同等の情報を得ることが可能となっており、最終的なゲーム体験を損ねることにはならないよう配慮しているとのことだ。そして、調査中におこなった選択や、“知り過ぎた”ことによって失っていく正気の度合いによって、4つの異なるエンディングのいずれかにたどり着くという。

今回の配信の中では、本作と同じくラヴクラフト作品から影響を受ける『The Sinking City』について訊ねるコメントもあった。これに対して開発者は、インスピレーションの対象は似ているが、異なる物語を描いており、また発売時期も離れているため脅威には感じておらず、プレイするのを楽しみにしていると回答。一方で、発売日が4日しか離れていない『Red Dead Redemption 2』については、「クトゥルフはカウボーイよりも恐ろしいと思うよ」とジョーク交じりにはぐらかしていた。

本作は、英語やフランス語など海外10か国語に対応するが、開発者はあとひとつ追加するかもしれないとコメント(音声は英語のみ)。そこで日本語について視聴者から質問があり、「収録したいけどまだ確定していない。もしかすると追加されるかもしれないね」と回答していた。Focus Home Interactiveは弊誌の取材に対しても、可能性はあるが未確定とコメントしていた。本作は、公式サイトや公開されている動画の字幕が日本語表示に対応しており、“あとひとつ”の対応言語が日本語であることを期待したいところである。『Call of Cthulhu』は、PCSteam)および海外PlayStation 4/Xbox One向けに1030日発売予定だ。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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