『Dead by Daylight』初心者が継続してプレイするための「上達方法」と「気持ちの切り替え方」を熟練のプレイヤーが解説する


国内PlayStation 4版『Dead by Daylight』では、8月15日にようやく有償ゲーム内通貨「オーリック・セル」が実装され、新たに追加された衣装などの購入方法が増えた。このアップデートを待ち遠しく感じていたプレイヤーも多かったのではないだろうか。もし、「オーリック・セル」を含む、Year3の新要素について把握していない場合、前回の記事で解説を行っているため、そちらを読んでいただきたい。

今回の記事は、『Dead by Daylight』を新たに始めるプレイヤーへ向けた記事である。新規プレイヤーにとって特に重要な、キラーからの逃れ方やプレイ中の気持ちの切り替え方について、熟練のプレイヤーであるゲーム実況主のもろこしさんに解説いただいている。また、最近になって『Dead by Daylight』を始めたが、古参プレイヤーとの熟練度の差を不安に思っている方にも読んでいただければ幸いである。

長い期間、運営を行うオンラインゲームは、いかに新規プレイヤーを獲得するか、という共通の課題を抱えている。そして、その課題を解決していく中で、いくつかの問題に直面することがある。筆者は問題の一つに新規プレイヤーと古参プレイヤーの熟練度の違いから生じる、ゲーム体験のギャップがあると思っている。『Dead by Daylight』はプレイヤーが生存者側4人とキラー側1人に分かれ、脱出をかけた鬼ごっこをする非対称PvPゲームだ。PvPという構図である以上、プレイヤー同士のスキルの差は必ず存在する。さらに本作はYear3(3年目)に突入しており、コンテンツも成熟していると言える。これらのことから、現在のゲーム環境に付いていけるか、と不安に思う方もいるのではないだろうか。

さらに、国内PS4版では727日に追加された「クラウン」も含め、これまでにキラーは12体も登場しているため、生存者側は少なくとも、それらキラーがどのような能力を使ってくるのか把握しておかなければ厳しい状況に陥るだろう。そして、それらは一度のゲームプレイで完璧に把握できるほど容易なものではない。新しいゲームに挑戦する際、覚えなければいけないことが多ければ多いほどハードルは高くなる。しかし、逆を言えばなにか新しいことに挑戦する楽しみにもなるはずだ。筆者はそれらを左右するのはコンテンツの魅力とゲームへの没入感であると考えている。

『Dead by Daylight』には映画「エルム街の悪夢」のフレディ・クルーガー、「ハロウィン」のマイケル・マイヤーズなどスプラッター映画の代表的な殺人鬼が登場する。つまり、映画のようなシーンをキラー側、サバイバー側の両方の視点で体験できるのだ。これは映画とゲームカルチャーのクロスオーバーとも言える、魅力的な要素ではないだろうか。また、本作にはその他にも個性的なキャラクターが多く存在するため、自分の好みのキャラクターを選んで育成する、という楽しみがあるのだ。筆者はこれらに強い魅力を感じている。例えば、生存者側で脱出に失敗したとしても、マッチ後に獲得したブラッドポイントを消費して、キャラクターの新しいパークやアドオンをアンロックすることが可能だ。コツコツとプレイすることで、自分のお気に入りのキャラクターの成長を目に見える形で感じることができるのだ。映画に登場したキャラクターでさえも、自分のペースで成長させることが可能だ。このような個性的なキャラクターと、育成・カスタマイズ要素は継続してプレイしたくなるような魅力的なコンテンツになり得るだろう。

コンテンツに魅力があれば継続してプレイできる、とは言っても、筆者が『Dead by Daylight』をプレイしていて、最も面白いと感じる点はマッチ中における敵プレイヤーとの駆け引きなど、競技性の高さにある。生存者側をプレイしている際のチェイス(キラーから追いかけられている状態)の緊張感や、キラーから逃げ切ったときの達成感は他に味わったことのない独特な感覚だ。チェイスが上手であれば、それだけで仲間が発電機を修理するための時間を稼ぐことができる。そこに貢献できた喜びは次のマッチにも確実に活きていく。もちろん、成功ばかりではなく、失敗することもある。むしろ、最初は失敗してばかりなのだが、一度でも成功した経験があれば、勝利に貢献する喜びをもう一度体験するため次の一歩が踏み出せるはずだ。

もちろん、本作の目的はあくまでも敵に勝利することで、そこに辿り着くまでにスキルが必要となる。この点について、どのくらい高く感じるかはプレイヤーによってそれぞれ違うだろうが、上達に関するハードルは存在すると言える。そこで、今回は『Dead by Daylight』のゲーム実況を行っている、もろこしさんに新規プレイヤーがどのようにこのハードルを越えていけば良いのか「上達方法」と「気持ちの切り替え方」の両方から解説していただいた

――新規プレイヤーが生存者側をプレイする際にハードルとなるのは、やはりチェイスだと思われます。単純な疑問なのですが、今から始めても既存プレイヤーにチェイスで勝てるようになりますか?

今からこのゲームを始めても、きっとチェイスは上達できるようになると思います。始めたての頃はキラーに見つかってすぐに捕まってしまうことが多いですが、チェイスに慣れてくる自分に気づき、さらに向上心が湧いてくるはずです。

――初心者向けの生存者とキラーを教えてください。

初心者向けの生存者はクローデット・モレルです。私がこのゲームで1番強いと考えている「セルフケア」という自己治療のパークを入手でき、その自己治療速度を上昇させる相性の良いパークや仲間の状況を把握しやすくなるパークを兼ね揃えた優秀な生存者だと考えています。

初心者向けのキラーはトラッパーです。キラーをプレイする中で生存者を追いかける場面が何度も発生すると思うのですが、その時に生存者がよく通る場所を覚えておいて、次のマッチでその場所にトラップを仕掛けてみると簡単に生存者を捕らえることができます。生存者にとってチェイスしやすい場所を覚えることができて上達への近道を辿れるキャラだと考えています。ちなみに板の位置にトラップを仕掛けるのも強いですが、その近くの草むらに仕掛けてみることもおすすめします。

――チェイスが上手くなるにはどのような練習をすれば良いですか?また、コツを教えてください。

チェイスで最も大事だと思うのはキラーがどこにいるのかしっかりと把握することだと思っています。できる限りキラーを視界に入れながら、板や窓枠を利用して距離を離していくことを意識しましょう。このゲームを始めたての頃は、どこからキラーが来ているかわからずその場にしゃがみ込むプレイヤーが多いです。生存者の三人称視点を上手く利用して先にキラーの位置を把握し、有利な(板や窓枠の多い)場所でチェイスができるように準備をしましょう。プレイしていくとオブジェクトの形、板や窓枠の位置を自然と覚えていくと思います。

https://youtu.be/67_5V5ZOn84

――キラー側の上達方法を教えてください。

キラーはそれぞれの能力があり、パーク構成によって立ち回りが大きく変わります。しかし、どのキラーでも共通して言えることはできるだけ早く一人目の生存者を倒すことが重要だということです。基本的に生存者が三人になることで一気にキラー有利な試合展開にすることができます。最初に捕まえた生存者をフックに掛けて倒すまでキャンプをするのも一つの手段ですが、発電機を他の三人に回し続けられるとフックに掛けた生存者が昇天したときには発電機残り1、2個になることもあります。そこの駆け引きに慣れるのが大切です。

――失敗したり、負けた時の気持ちの切り替えが必要ですよね。新規プレイヤーの場合、さらに重要であると思われます。どのように切り替えていけば良いでしょうか?

生存者側は捕まるのは当たり前なことだと割り切って、どうすれば逃げ切れたのか、というのを少し考えてみると上達も早いはずです。キラー側では、全滅させることを目標にしないで、マイケルで「観察と虐待」などのパークを上手く使い生存者を戸惑わせることを目標にすると面白いかもしれません。

※「観察と虐待」……生存者を追跡中、心音範囲を広げる効果があるため、非追跡中の生存者に対してもプレッシャーをかけることが可能。

――新規プレイヤーの心が折れてしまう、よくある事例について教えてください。また、その対策はありますか?

一部の生存者による、キラーに対する脱出ゲート付近での屈伸煽りがよく話に上がります。そんな時はゲートから追い払って次のマッチを楽しむようにすると良いと思います。屈伸させる余裕を持たせない殺意に満ちたキラーを目指しましょう。

また、透明化したレイスが地下室に続く階段の真ん中に立つことで、生存者は通り抜けることができなくなるですが、私は以前に地下室へ仲間を救助しに行った際、階段を封鎖され出られなくなるという嫌がらせを受けました。その時はゲームをそのまま放置してシャワーを浴びに行きました。戻った頃にはキラーが切断していたので、その後しっかりと運営へ通報しました(このキラー側の嫌がらせはBAN対象になるため)。

https://youtu.be/wU4GUfCkQuc

初心者にとって上達するにはいくつかの経験が必要なのだが、その過程をいかに楽しむかということがゲームを長く遊ぶためには大切になるだろう。『Dead by Daylight』のコミュニティはアップデートで新しいキャラクターが追加されるたび、盛り上がりを増しているように感じる。そういった点でも、『Dead by Daylight』はまだまだ現役のタイトルと言えるだろう。今回の記事が本作を新たに始めるプレイヤーの役に立てば幸いである。

 

動画実況主 もろこし

『Dead by Daylight』をはじめ、さまざまなタイトルのゲームをプレイするゲーム実況主。ライブ配信ではリスナーからの質問も受け付けている。立ち回りなどの解説を行う「How to 動画」が特に人気である。

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