協力型アクション『Warhammer: Vermintide 2』の売り上げが発売4日で50万本を突破。『L4D』の再来とも呼ばれる作品は定番協力ゲームになれるか

スウェーデンを拠点に構えるFatshark Gamesは、『Warhammer: Vermintide 2』の売り上げが50万本を突破したことを発表した。『Warhammer: Vermintide 2』は3月9日にPC向けに発売された。1週間経たずしてのマイルストーンの到達となる。

スウェーデンを拠点に構えるFatshark Gamesは、『Warhammer: Vermintide 2』の売り上げが50万本を突破したことを発表した。『Warhammer: Vermintide 2』は3月9日にPC向けに発売された。1週間経たずしてのマイルストーンの到達となる。

『Warhammer: Vermintide 2』は、2015年10月に発売された『Warhammer: End Times – Vermintide』の続編だ。Games Workshopが制作したミニチュアゲーム「Warhammer: Fantasy Battle」の中世ダークファンタジー設定にあてはめているため、「Warhammer」の冠がついている。ゲームは、一人称視点で展開される最大4人協力のアクションゲーム。押し寄せるネズミ人間「スケイブン」と、新たに参戦する「ケイオス」の戦士を、剣や銃、斧や槍、魔法といった攻撃手段を使い対抗する。一人称視点にて迫りくる敵を蹴散らす、協力して生き延びるといった、ゲームコンセプトの類似点の多さから「ファンタジー版『Left 4 Dead』」と評されることも多かった。

実は前作も発売から3週間弱で30万本を売り上げる好調さを見せており、根強いファンも存在していた作品であった(関連記事)。ゲームコンセプトや操作感は優れていたものの、ジョブごとの役割が明確ではなく敵の種類も少ない特徴もあった。つまるところ、単調さを感じやすいゲームデザインだったのだ。クリア後に装備が手に入るというハック・アンド・スラッシュ要素も導入していたが、コースクリアごとにひとつ手に入るというシステムで、長時間コースをプレイするリワードとしての魅力を欠いていた。幸先の良いスタートを切ったものの、結果的に発売2か月にしてプレイヤー数が8割減(SteamCharts)。時間帯にもよるが、なかなか他プレイヤーとマッチングしない作品となってしまった。

『Warhammer: Vermintide 2』では、そうした前作の失敗が多く生かされている。使用キャラクターは前作に引き続き5人ながら、それぞれのキャラクターに3種類のキャリアを導入。全員が「ただ単に敵を倒す」ことを目的としていた前作と異なり、キャラクターによって個性と役割が生まれ、協力プレイの楽しさが向上。報酬においても、全体的に報酬アイテムの質が向上し、不要なアイテムを効率的に活用できるようになった。ほかにも多岐にわたる要素が強化されており、好評を博した前作をベースとしつつ、快適さや楽しさを強化した続編となっているわけだ。

KotakuMetroなど一部の海外メディアは本作を「『Left 4 Dead』の再来」もしくは「『Left 4 Dead』以来の優れた協力プレイゲーム」と評す。前作も『Left 4 Dead』のシステムにレベル・ルート要素を導入した点は評価されていたが、前述したように単調さが目立つとの声も多かった。今作ではメリハリを強く押し出しており、満を持して『Left 4 Dead』と比較されるようになった流れであると考えられる。

今後の方針としてはDLCマップをリリースしていくほか、専用サーバーへの移行、Modのサポートなどが予定されている。PlayStation 4/Xbox One向けのリリースも控えており、ともにベータテスターを募集中。PC版の盛り上がりはコンソール機にも引き継がれるだろう。

1週間を経たずしての50万本の突破は絶好調であるというほかないが、前作のように遊ばれなくなってしまう轍を踏む可能性は低くない。その危険性は開発元であるFatshark Gamesが十分に理解しているだろう。定番タイトルとなれるか否かは、2か月後のプレイヤー数にかかっている。ポテンシャルを秘める作品であるだけに、今後の動向を期待して見守りたいところだ。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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