PS4版『ワンダと巨像』など多くのソニー作品のリメイク/リマスターを手がけるBluepoint Games、「さらに規模の大きな作品」のリメイクに参加中
PlayStation 4向けにリメイクされ、今年2月に発売された『ワンダと巨像』。2005年発売のPS2タイトルが、今の時代に、また名作に相応しいグラフィックで蘇り非常に高く評価された。その移植を担当したのは、同作のPS3向けリマスター版を開発した経験を持つBluepoint Gamesだ。大きな仕事を成し遂げた同社が次に何を手がけるのか注目が集まる中、同社代表のMarco Thrush氏はEurogamer/Digital Foundryとのインタビューの中で、現在新たなリメイク作品に取り組んでいることを明らかにした。
Thrush氏はその具体的なタイトル名については伏せたものの、『ワンダと巨像』よりも少し規模の大きな作品であるとしている。Bluepoint Gamesは『ワンダと巨像』のリメイクを通じて人員を拡大し、同時にスタッフのスキルレベルも向上したという。しかし、その次回作に向けてはゲームエンジン(Bluepoint Engine)やワークフロー、そして特にアートワーク関連にさらなる改善が必要だとし、その作品がリッチなアートコンテンツを含むフルAAAタイトルであることを示唆している。これまで同社は、新たなプロジェクトに適応することで成長を続けてきたという。
Thrush氏は、その次回作においては何か新たな要素を加えることにも意欲を見せている。Bluepoint Gamesのテクニカル・ディレクターPeter Dalton氏によると、オリジナル版をただアップグレードする以上に何ができるかという点について、同社はこれまであまり深く追求してこなかったと述べる。しかし、今はスタジオの強化策の一つとして取り組んでいるところだという。新たな要素を加えると聞くと不安がよぎるかもしれないが、技術屋であるBluepoint Gamesのこと、必ずしもゲーム的な改変を意味するわけではないだろう。
『ワンダと巨像』のリメイクにおいては、オリジナル版を再現しながらも、アセットを一から作りなおしてグラフィックにさまざまなディテールを加え、美しいビジュアルを実現していた。こうした取り組みを経て、過去の作品を今に蘇らせるにあたっては、まだまだやるべきことがあると感じたのかもしれない。一方で、PS4版『ワンダと巨像』にはオリジナル版にはない隠し要素が加えられていた(関連記事)。こういったことも、原作の世界観を再現できるだけの技術があってこそ可能になる部分だろう。
Bluepoint Gamesは、2006年発売のデビュー作『Blast Factor』こそオリジナルタイトルだったが、それ以降は前述したPS3版『ワンダと巨像』のほか、『METAL GEAR SOLID HD EDITION』や『アンチャーテッド コレクション』、PS4版『GRAVITY DAZE』など移植やリマスターばかり手がけている。ソニーのタイトルを手がけることが多いが、独立したスタジオである。これまで業界内や熱心なファンの間では知られていたものの、それほど表に出る存在ではなかった。しかし今回のPS4版『ワンダと巨像』においては、その仕事ぶりを前面に押し出してPRされていたため、彼らの次なるリメイク作品には広く注目が集まることだろう。