『Cyberpunk 2077』開発中のCD Projekt REDが商標「サイバーパンク」を取得、なぜ申請したのか理由語る
ポーランドのゲーム企業「CD Projekt RED」は、同社が「サイバーパンク(Cyberpunk)」の商標を登録申請していた動きについて、公式Twitterを通じてその理由を説明した。これはインターネット上で浮上していた「ほかのゲームタイトルにサイバーパンクという単語が使えなくなるのでは」という懸念に対するもので、CD Projekt REDはそのように商標を振りかざすつもりはないと伝えている。
Information about Cyberpunk trademark. pic.twitter.com/4mufRCp9Gf
— CD PROJEKT RED (@CDPROJEKTRED) 2017年4月6日
ことの発端となったのは、海外フォーラムRedditのr/Gamesに立てられた「CD Projekt REDがCyberpunkという言葉の商標登録をしようとしている、ほかのゲームでは使えない」というスレッドだ。スレッドを立てた人物は、『VA-11 Hall-A: Cyberpunk Bartender Action』といった作品を例に挙げ、サイバーパンクという単語がほかのゲームで使用できなくなるのではないかと危惧。その後はr/Gamesモデレータによる介入もありつつ、スレッドには1800件以上ものコメントが寄せられた(これにはスレッドを立てたユーザーの主張に対する懐疑的なコメントも含まれる)。
この件に関してCD Projekt REDは、簡潔にそのようなことはしないと明言、商標を取得したのは『Cyberpunk 2077』を自衛するためだとしている。同社にとって『Cyberpunk 2077』は満身の力を込めて開発が続けられている巨大プロジェクトであり、もし将来的に続編を作ることになった際、商標が手元にないことで「Cyberpunk 2078」や「Cyberpunk 2」といったタイトル名が使えない事態を危惧したという。
ビデオゲームに限らずだが、商標を侵害したからといって即座に訴訟や裁判へと発展するわけではなく、似た商標を使っていても問題とならないことはままある。ただし“そうならないこと”も多々あり、それを防ぐために商標を先に取得するのはめずらしい例ではない。たとえば商標においては「商標荒らし(Trademark Troll)」と呼ばれる者たちが存在しており、彼らは他者が使用しそうな商標を手当たり次第に申請し、使用した企業を訴訟することで金を得るというビジネスを繰り広げている。近年では国内でも、芸人「ピコ太郎」の歌ネタ「PPAP」の商標が他者に取得され、騒動になったことも記憶に新しい。
ゲーム業界においては、少し毛色の違う問題ではあるが、『The Elder Scrolls』シリーズのBethesda Softworksが、Mojangがかつて開発していた『Scrolls』に対して商標侵害を訴えた事件があった。同件は解決までに半年以上かかり、最終的にはMojangが「Scrolls」の商標をBethesda側に委ねることで和解している。また最近では、『マリオカート』のような車両とコスプレを用いてレンタカー業務を実施していた企業「マリカー」の例もある。後から問題に発展しないため、たとえ一般的なジャンル名や言葉であっても、自社のゲームの名前を商標登録しておくことは重要なのだ。