株式会社サードウェーブは、3月20~21日の2日間にわたって高円寺で開催された「Tokyo Indie Games Summit 2026(以下、TIGS2026)」に出展。会場にて、約90万円する個人向けとしては“最高”に近いスペックであると思われる「GALLERIA XMC9A-R59-GD」や、同水準のスペックをもつノートPC「GALLERIA UL9C-R59-8A」などを展示・ゲーム試遊を行った。本稿では、GALLERIAブランドのPCの特長や直近の状況について聞いてみた

パソコン専門店「ドスパラ」とハイパフォーマンスパソコンブランド「GALLERIA

パソコン専門店「ドスパラ」を運営するサードウェーブの歴史は40年以上。ゲームPCブランドから、いまやハイパフォーマンスPCとなった同社が展開する「GALLERIA」は、20年以上の歴史を持つ。登場以降、リニューアルやモデルチェンジなどを重ねながら、ゲームを楽しむことにフォーカスしたBTOパソコン「GALLERIA」シリーズを世に送り出してきた。近年ではゲーミングPC開発で蓄積したノウハウと豊富なカスタマイズで、幅広いクリエイターにも高性能で安定した制作環境を提供している。

「GALLERIA」ブランドがスタートした2004年頃と比較して、高速インターネットとPC性能は格段に進化し、広く一般に普及している。PC向けゲーム配信プラットフォームも隆盛しゲームをするためにPCを買いたいと考えるユーザーも増え、ゲーミングPCの製造・販売をする側も最新のゲーム事情やユーザーのニーズを敏感に察知する必要があることだろう。

TIGS2026はインディーゲームの祭典だが、こういった場はまさに「PCでゲームを作る/遊ぶ」人々の集うイベントとなる。GALLERIAブランドは、どのような商品を訴求しているのか。展示されたPCのスペックなどを参考に、その狙いや思いを紐解いてみたい。

コンシューマでは最高峰スペックのPCを見て、体験できるブース

GALLERIA XMC9A-R59-GD
GALLERIA XPR7M-96XT16G-GD

デスクトップPCとして展示されていたのは、「GALLERIA XMC9A-R59-GD」と「GALLERIA XPR7M-96XT16G-GD」だ。いずれもハイスペックなデスクトップPCであるが、前者の方がサイズ・スペック・価格すべてにおいて後者を上回る。というのも、「XMC9A-R59-GD」は搭載されているCPUとグラフィックボードが、現時点での個人向けパーツにおける最高スペック品である、インテルCore Ultra 9 285KとNVIDIA GeForce RTX 5090 の組み合わせなのだ。これ以上の能力のパーツとなると、それはもう高度な処理を必要とするプロフェッショナル向けワークステーションなどに搭載されるパーツになる。そんな個人向け最高峰のパーツで構成された「XMC9A-R59-GD」は、基本構成販売価格93万9980円(3月28日現在)。すなわち約100万円もする価格である。なかなか簡単に手に入れられる価格・スペックではないが、だからこそ試遊体験したいユーザーもいるだろう。多くのユーザーがブースに訪れ、ゲームを楽しんだりスペックについて詳しい説明を求めたりする姿が見受けられた。

「XPR7M-96XT16G-GD」はスタンダードでお手頃なモデルでCPU AMD Ryzen 7 9700XとグラフィックボードAMD Radeon RX 9060 XT という組み合わせであり、ゲームを遊ぶのに十分なスペックだ。挙動の安定や特に高解像度・高画質での出力で重要となるVRAM容量についても、同機搭載グラボでは16GBと十分。グラフィック設定にもよるものの、美麗グラフィックが売りのゲームをしながらOBSといった配信ツールを使って生配信をするというような使い方にも耐えられるだろう。VRAM8GBでは、タイトルによってはOBSと同時起動するとVRAMがカツカツになって辛いということもあったが、16GBあるとかなり安心だ。「GALLERIA」では、そうした予算や希望スペック、用途に沿う幅広いラインナップを取り揃えている。

また、ゲームを作る側にとっても制作環境としてのPCは重要なものとなる。3Dのレンダリングやモデルのプレビューなどをサクサクおこないたい場合には、やはりCPUとグラフィックボードのスペックがものを言うので、「GALLERIA」はそういったニーズにも応えてくれるだろう。

なお、NVIDIA GeForce RTX 5090が搭載されている「XMC9A-R59-GD」においてはゲームと生放送を同時におこなうくらいの使い方ではスペックを持て余すであろう。そのくらい強く頼れるPCなのだ。4K/レイトレーシングONといった環境でのゲームプレイはもちろん、GeForceのNVEVCを筆頭として、さまざまなコーデックによる動画エンコードが高速に。パワフルな3D制作も可能になるので、配信のみでなく動画・3D制作も頻繁に行うユーザーにとって強い味方になってくれるだろう。

筆者は弊誌にて動画の収録や制作をするケースもあるため、「XMC9A-R59-GD」のスペックはかなり魅力的に映る。エンコードの待ち時間を短縮でき、その間にほかの作業をしていても処理落ちの不安がないというのは、普段からPCを酷使している人間からするとかなり嬉しいことだ。

GALLERIA UL9C-R59-8A

またゲーミングノートPC「GALLERIA UL9C-R59-8A」のインパクトも強い。CPUにはインテルCore Ultra 9と グラフィックボードには NVIDIA GeForce RTX 5090という、ハイスペックな組み合わせだ。18インチ液晶というラップトップにしては大きな画面で作業もしやすいし、ゲームならすぐに没入してしまうだろう。本体重量は4kgあるが、数年前のグラフィックボード搭載ノートと比較すると、この性能でこの重さなら持ち運びしても問題ないと思う人もいるのではないだろうか? 性能がノートPCサイズに凝縮されており、技術力の進歩を感じさせる一台だろう。

グラフィックカードとしてNVIDIA GeForce RTX 5090 24GBを組み込み、ノートPCでありながら24GBのVRAM搭載しているのに、37mmという薄い本体となっている。キーボードやタッチパッド部分もノートPCとしてはかなり広くゆったりとしたサイズになっているので、ノートPCのキーボードまわりにありがちな手狭感がない。

また、起動中はモニタの背面側ヒンジ近くがゲーミングらしく七色に光るようになっている。この部分はパソコンを使用している人からは見えない部分ではあるのだが、遊び心が面白い。

左側のノートパソコンは別ブランドの「THIRDWAVE DX-L7LA-B」。Copilot+が使える俗に言うAI-PCだ。16インチで約1kgでテレワークや営業先へ持って行くビジネスユースとしてはちょうどいいサイズと重さだ。対して「GALLERIA UL9C-R59-8A」は約4倍の重さだが、動画や、クリエイティブな作業、ゲーム、eスポーツなど移動先でグラフィックボード処理が必要な人にとってはこの上ないスペックで安心して作業や創作活動、ゲームの快適性が担保され、満足度は高くなるだろう。

ハイスペックなパソコンで問題になるのは「熱」だ。排熱設計にも気を使っていて、背面と左右側面など多方面に熱を逃がしているとのこと。スペックのパワフルさも相まって、猛烈な排熱となるが、裏を返せば冷却台といった外部機器を使わずとも十分なエアフローで冷却がなされているわけだ。

“PCパーツ恐慌”どうするの?企業努力について訊いてみた

昨年の暮れ、半導体大手Micronのメモリブランド「Crucial」が、コンシューマー向け事業撤退を発表。それを契機に、PCパーツ市場ではメモリをはじめとするあらゆるものに価格上昇の影響が出ている(関連記事)。筆者も時折知人のデスクトップPCの組み立て代行をおこなうことがあり、このニュース前後の価格の変動に驚いた。具体的には、昨年10月に組んだPCとまったく同じ構成の見積もりを1か月後に作ってみたところ、メモリ価格が5倍に上昇していた。その後も、SSDやHDDなどメモリ以外のパーツにも価格上昇や、在庫不足があり購入が難しくなることもあった。

ドスパラのWEBを見てみると、品薄パーツが満載のハイスペックPCについても「翌日出荷」となっている。市場が混乱していても、最短出荷を実現するには企業努力が必要であろう。ユーザーから見れば欲しいときにすぐに届くことはうれしい限りだと思う。

また、サードウェーブは自社で開発・製造・販売を行っているので小さなこだわりがたくさん詰まっている。今回展示していたデスクトップの筐体は前面から吸気し背面、上部に排気する構造だ。LEDイルミネーションのある前面には防塵フィルタがマグネットでついており日々の掃除ができメンテナンス性も考えられている。USBが前面上部にあるのは、卓上でも、床置きでも対応できる。

GALLERIA Product Movieより
GALLERIA Product Movieより

また先にも触れたが、同社の最大の強みはその商品ラインナップの幅広さとカスタマイズの柔軟性にあるだろう。15センチ四方の手のひらサイズの極小PCから、個人で使うノート・デスクのパソコン、企業や研究機関で使用するような1,000万円規模のプロフェッショナルな場面で使用するワークステーションまで――多彩なパーツ在庫から組み立てられるバリエーションは無数に存在する。秋葉原のパソコンショップから始まったドスパラは筐体の大きさ・スペック・価格帯において、想像以上の範囲をカバーしていた。

今回のTIGSでは展示がなかったが、たとえばワークステーションにはMAXモデルが用意されている。N8632を紹介すると、CPUにはAMD Ryzen Threadripper PRO 9995WX (2.5GHz-5.4GHz/480MB/96コア/192スレッド)、グラフィックボードはNVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Max-Q Workstation Edition 96GB (DisplayPort x4) ×4枚搭載。おおざっぱな言い方をすれば、1枚96GBなので384GB相当のVRAMが使えるモンスターマシーンだ。ちなみに電源は100Vだが2系統15Aが必要とのこと。200Vは不要なので電気工事の必要はない。

近年ではローカル環境でLLMを構築したり、高度な演算が必要となるAIのトレーニングなどでこういったスペックのものが必要になるようだが、一般家庭では見かけることは少なく限られた場所での使用だが、同社ではその規模のものまでカバーしており、大学、研究機関などとも取引をするそうだ。

このグラフィックボードだけを入手しても“搭載して動かすための母体”を用意するという障壁が立ちはだかるだろうとのことだった。たしかに、多大な熱を逃がす排熱設計や、並の電源では賄えない600Wの消費電力、そして96GBのVRAMはAI研究や専門的な3D制作でもなければ持て余すだろう。しかしガジェット好きとしては、こういうロマンあるパーツを見ているだけでワクワクしてしまう。法人向けPC総合カタログが配布されていたので、そちらをいただいてきた。パラパラとめくっているだけで楽しい。

これだけ幅広く、さまざまなニーズに向けたPCを製造・販売していることからわかるように、ゲーミングPCにも本稿で紹介した製品以外にも複数のラインナップが存在する。購入時オプションでさらなるカスタマイズも可能で、実際の商品の仕上がりイメージは商品ページにある3Dカスタマイズシミュレーターで確認できる。きっと、自分のやりたいことと予算にあったPCを購入できることだろう。シリーズについての詳細はGALLERIAのブランドページを参照されたい。

本稿で紹介したモデルについては、以下のとおり。

■GALLERIA
GALLERIA XMC9A-R59-GD
GALLERIA XPR7M-96XT16G-GD
GALLERIA UL9C-R59-8A

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