Epic Gamesの大規模レイオフで「末期脳腫瘍」のスタッフも解雇されることに批判殺到し、CEOが謝罪。保険手続きの対応を約束

Epic Gamesが先日発表したレイオフの対象者に、末期脳腫瘍の治療を行っている従業員が含まれていたことが波紋を呼んでいる。Epic GamesのCEOはこの騒動を謝罪し、保険手続きの対応をおこなうと明かした。

Epic Gamesは3月24日、同社の従業員を1000名以上レイオフ(一時解雇)すると発表した。このレイオフの対象には末期脳腫瘍の治療を行っている従業員も含まれていたといい、SNS上で非難が寄せられた。Epic GamesのCEOを務めるTim Sweeney氏はこの騒動について謝罪し、医療保険についての問題の解決などを約束した。

Epic Gamesが今回、1000名以上の従業員をレイオフするとした理由には、2025年から続く『フォートナイト』のエンゲージメントの低下にともなう、収益を大幅に上回る支出の発生があるとされている。『フォートナイト』については、世界でもっとも成功しているゲームのひとつであると述べつつも、シーズンごとに本作ならではの魅力を届けることに苦心しており、各ストアへの復帰が進む、iOS/Android版の最適化もまだ途上であるとコメントしている(関連記事)。

そのほかにも、市場の成長の鈍化や、消費者の支出の減少、かさみ続けるコスト、前世代機を下回るコンソール機の販売台数、ほかのエンターテイメントとの競争といった諸事情にも言及。こうした背景により、レイオフ、各種契約やマーケティング、一部求人を中止することで5億ドル(約794億円)以上のコスト削減をおこない、より安定した経営基盤を築くとした。

なお発表においては基本給4か月分を含む退職金パッケージが支給され、在籍期間に応じてさらに増額されると説明。Epic Gamesが負担する医療保険の適用も延長され、たとえば米国では6か月間の保険適用が提供されると伝えられていた。

一方で、あるレイオフ対象者の親族からの報告が波紋を広げている。テクニカルライターとして働いていたMike Prinke氏の妻であるJenni Griffin氏によるとおり、Prinke氏は現在末期脳腫瘍の治療をおこなっているという。Griffin氏はこのことについてフェイスブックで現況を共有した。

Griffin氏によれば、Prinke氏はレイオフによって収入を失い、かつ生命保険も打ち切られてしまうという。また医療保険については、末期脳腫瘍が持病(pre-existing condition)としてみなされ、新規加入もままならないとして窮状を伝え、Epic Gamesの関係者に届くように拡散を求めた。またKotakuがGriffin氏にインタビューしたところでは、Prinke氏は頻繁に通院しており、有給休暇も取得していたため、社内では病状について周知されていたとのことだ。

このフェイスブック投稿は大きな反響を呼び、Epic Gamesには多くの非難が寄せられることとなった。そんな中でTim Sweeney氏は、個人Xアカウントにメンションしつつ投じられた批判に返信。現在Epic GamesがPrinke氏らと連絡を取っており、保険の手続きについても対応すると説明している。あわせて、Prinke氏を取り巻く状況を認識せず、事前に適切に対応できなかったことについて謝罪の言葉を述べている。なお医療情報は高い機密性のもとで扱われているそうで、Prinke氏がレイオフされた理由には同氏の病状は関係ないとのことだ。

2023年の大規模レイオフに続き、1000名以上という大規模な人員の削減がまたもおこなわれた点からEpic Gamesには業界からの批判も渦巻いている。深刻な健康上の事情を抱えるスタッフもレイオフの対象となり、その家族からの報告を踏まえてさらに批判の声は強まっていた。そうした状況を受け、今回はTim氏がPrinke氏の保険手続きの対応について言及したかたちだ。先述したとおりEpic Gamesはレイオフ対象者に向けて退職金パッケージの支給や医療保険の延長適用をおこなうと伝えており、個別の特例措置というよりは支援策の一環となるのだろう。とはいえ、そうした支援策があってもPrinke氏に限らず突然職を失った従業員の不安が直ちに解消されるわけではなく、Epic Gamesには今後も厳しい目が向けられそうだ。

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Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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