格闘ゲーム世界大会「EVO」、サウジアラビア企業傘下となったRTS社により完全買収。サウジ新都市の“大規模eスポーツ地区”構想を後押しか
対戦格闘ゲームの世界大会「EVO」の株式を、RTS社が完全に取得したことが明らかとなった。

対戦格闘ゲームの世界大会「EVO」の株式を、RTS社が完全に取得したことが明らかとなった。RTS社は元々ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)と共にEVOを運営していた企業であり、昨年サウジアラビア系企業に買収されていた。
EVOは、世界最大級の格闘ゲーム大会だ。1995年にアメリカ・カリフォルニア州にて開催された「Battle by the Bay」が前身となっている。以後EVO(Evolution Championship Series)と名を改めたり、ラスベガスに開催地を移したりしつつ、『ストリートファイター』や『鉄拳』『THE KING OF FIGHTERS』といった数々の格闘ゲームタイトルの大会として、毎年夏に開催されている。
EVOは2021年にSIEとRTS社によって共同で買収。その後は両社によりEVOは運営されてきたが、SIEは2025年8月にEVOの株式をNODWIN Gamingに売却して運営を退き、グローバルスポンサーになることを発表していた(関連記事1、関連記事2)。また同年9月にはRTS社が、サウジアラビアの政府系ファンドPublic Investment Fund(PIF)の子会社であるQiddiya Investment Company(以下、Qiddiya)により買収されていた。

今回はQiddiya傘下となったRTS社が、NODWIN Gamingの持ち株を取得し、EVOを完全に買収したことが発表されたかたちだ。NODWIN Gamingは今後もEVOとの協業を継続するほか、EVOについても伝統・価値観・アイデンティティを変えることなく、運営が続けられていくという。
なおQiddiyaは、サウジアラビアの都市建設プロジェクト「Qiddiya City」を手がけている企業だ。サウジアラビアの首都リヤドから40分圏内、完成後は年間4000万人以上が来訪し、50万人が居住する都市として構想されているという。Qiddiya Cityはスポーツ、エンターテインメント、文化産業を強く推し進める都市構想であり、都市の中には18万平方メートルにおよぶゲーム&eスポーツ地区が建設される予定。この中には総収容人数7万3000席の4つのeスポーツアリーナが設けられるという。
今回のRTS社によるEVOの買収も、Qiddiya Cityの戦略と密接に結びついているようだ。サウジアラビアでは2024年より「eスポーツワールドカップ」が開催されるなど、国家規模でゲームとeスポーツ産業への注力が進められている。また先述したPIFといえば、Silver Lake・Affinity PartnersとのコンソーシアムによるElectronic Artsの買収方針が発表されたことも記憶に新しい(関連記事)。サウジアラビアは世界のゲーム産業において、資本面でもイベント面でも一段と存在感を強めているといえそうだ。
この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。


