ゲーム開発者向け国際会議「GDC」、業界人の参加キャンセルが続出との報道。米国の“強硬移民対策”などへの不安からか

海外からの参加を控える業界関係者が続出しているという。

毎年開催されているゲーム開発者向けの国際会議Game Developers Conference(GDC)。今年は3月に開催を控えるなか、海外からの参加を控える業界関係者が続出しているという。GDC公式はこれに対して声明を発表した。海外メディアMobilegamer.bizなどが報じている。

GDCは、1987年にゲームデザイナーのChris Crawford氏を中心とした会合を皮切りに、1988年より毎年おこなわれているゲーム開発者会議だ。2026年は現地時間3月9日から13日にかけて、米国カリフォルニア州サンフランシスコのモスコーニ・センターにて開催予定。40回目にあたる今回のGDCは名称を「GDC Festival of Gaming」へと刷新。料金形態がシンプルになり、チケットは昨年よりも45%安い価格で購入可能な点などがアピールされている。

そんなGDC 2026について、現在参加を見送る業界幹部が増えているとMobilegamer.bizが伝えている。加えて、派遣するスタッフの人数も大幅に減らされているといい、そうした傾向は大手企業から小規模のゲーム会社に至るまで確認されている模様。

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背景には、米国に滞在することへの不安などが存在するようだ。現在のトランプ政権下では、不法移民への強硬な対策が推し進められており、移民税関捜査局(ICE)による取り締まりが激化。そうした現場では、今月7日と24日にミネソタ州ミネアポリスにて、ICE職員による発砲で市民2名が死亡する事件も発生。米国国内での大規模な抗議活動にも発展している。世論調査では、過半数の回答者が移民政策に「行き過ぎ」と回答するなど反発は強まり、トランプ氏の支持率は2期目の就任以降で最低の水準になっているという(ロイター)。GDCに参加する業界関係者は移民にはあたらないものの、こうした排外主義ともいえる状況下でのリスクを鑑みて、米国への渡航および滞在を控える傾向があるようだ。

なお米国への渡航が見送られる要因としてはこのほか、コスト面での懸念もある様子。今年のGDCには一人しか派遣しないと語るマーケティングディレクターのMarco Minoli氏は、GDCは教育コンテンツに対する適正な価格設定が出来ていないほか、長年開催地となっているサンフランシスコに結びついた、物流のハードルやコスト高騰といった問題に対策ができていない点などを批判している。業界幹部の話では、よりアクセスしやすいドバイでの開催を望む声も上がっているという。ドイツのケルンで開催されるイベントgamescomをはじめとするヨーロッパのゲーム系イベントの再評価にも繋がっているようだ。

こうした業界人からの反応に対して、GDCの会長Nina Brown氏が声明を発表。コミュニティから上がっている懸念の声について感謝を示した上で、現地米国の政策変更について注視していることを伝えた。またコミュニティの安全が常に最優先事項であるとして、24時間利用可能なホットラインや、申請制の警護サービスを用意するなどの安全対策を敷いているという。また、参加できなかったり、気が変わったりするユーザーの決断も尊重するとの立場を示し、そうしたユーザー向けには「GDC Vault」で公開される講演アーカイブを活用するように呼びかけている。

トランプ大統領の政策による余波のほか、開催地の選定にあたってのGDC運営への批判も、イベントへの参加キャンセルの続出に繋がっているようだ。GDCは長年続く大型イベントであり、参加者の減少等により今後の開催規模が縮小されるとなれば、業界への大きな影響も生じそうだ。

GDC Festival of Gamingはサンフランシスコのモスコーニ・センターにて、現地時間3月9日から13日に開催予定。

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Shion Kaneko
Shion Kaneko

夢中になりやすいのはオープンワールドゲーム。主に雪山に生息しています。

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