Epic Gamesストアで無料配布されたあるゲーム、当時「Steam版の売上が2倍以上」増加していた。配布されると逆に売れる現象

『Blood West』について、Epic Gamesストアで無料配布を実施した当時、Steam版の売り上げが2倍以上増加していたと販売元CEOが明らかにした。

パブリッシャーのNew BloodのCEO Dave Oshry氏は1月16日、同社が販売を担当しているFPS『Blood West』について、Epic Gamesストアで無料配布を実施した当時に、Steam版の売り上げが2倍以上増加していたことを明らかにした。海外メディアPC Gamerなどが報じている。

本作は、西部開拓時代の世界を舞台にするFPSだ。オープンな環境のマップが用意され、プレイヤーはリボルバーやショットガンなどの武器を駆使して異形のモンスターと戦う。ステルスプレイを中心としたゲームプレイや、「クトゥルフ神話」から影響を受けるダークな世界観などが特徴となっている。

『Blood West』では昨年12月21日に、PC版の24時間限定無料配布がEpic Gamesストアにておこなわれた。一方で当時Steam版では、Steamウィンターセールに参加し60%オフセールが実施。誰でも無料で入手できるとなると、大幅割引中とはいえSteam版が売れなくなるのではないかとも考えられるが、販売元New BloodのCEO Dave Oshry氏によるとむしろ逆で、2倍以上の売れ行きを記録したという。

Oshry氏が公開したSteam版の販売データのグラフによると、本作はSteamウィンターセールが開幕し順調に売り上げを伸ばすなか、Epic Gamesストアでの無料配布後には、瞬間的に売り上げが急増している様子が見て取れる。なお当時には、ゲーム側で大型アップデートなどの動きがあったわけではない。

かつて同氏はEpic Gamesストアについて、“Marketing Black Hole”と表現してその宣伝効果に疑問を投げかけていたが、無料配布の実施に関しては、Steam版の販売増につながる大きな宣伝になったとしている。また当時、本作のコンソール版においても売り上げが増加していたそうだ。Epic Gamesストアでのリリース自体は話題になることが少ないが、無料配布は多くのメディアに取り上げられ、ゲーマー間でも話題になるなど露出が段違いということだろう。

Epic Gamesストアにてあるゲームの無料配布が開始されると、同じゲームのSteam版のプレイヤー数が増加することはよく見られる現象である。たとえば、現在無料配布されている『Styx: Shards of Darkness』のSteam版の同時接続プレイヤー数を確認すると、無料配布開始前は100人前後で推移していたが、開始後には一気に増加し600人を超えた(SteamDB)。ここにどれだけの新規プレイヤーが含まれているのかは不明だが、90%オフセールが実施されていることもあり、それなりに売り上げも伸びているものと想像される。

似たような現象は、以前Xboxにおいても報告されていたことがある。パブリッシャーNo More Robotsの代表Mike Rose氏は2020年6月、自転車ゲーム『Descenders』をサブスクリプションサービスXbox Game Pass向けに提供する前後の週間売り上げを比較し、約5倍に増えたと報告。また、Xbox Game Pass参入後の同社のXboxでの総売り上げは3倍になったとした。Xbox Game Passにて遊び放題となり、製品版の売れ行きが落ちると思いきや、逆に伸びているということだ。Rose氏は、Xbox Game Passにタイトルを提供するとさまざまな面で露出が増え、未加入者による購入に繋がるのだろうと推測している(関連記事)。

ちなみにDave Oshry氏によると、『Blood West』について販売元New Bloodは、Epic Gamesストアでの売り上げからはロイヤリティを受け取っておらず、全額を開発元のHyperstrangeに渡しているという。今回の無料配布にあたってEpic Gamesから受け取ったお金に関しても同様で、同スタジオはそのお金を現在開発中のDLCに注ぎ込むことができ、一方New BloodはSteam版から多くの収益を得る結果となり、同氏は満足している旨を語っている。

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Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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