PS Storeにて、あるメーカーの「量産ゲーム」が一斉削除。“トロフィー乱獲目的”で売れ、約16億円稼いでいたとの試算も
粗製濫造だと指摘されていたあるメーカーの作品が、最近になって軒並み削除された。

PlayStation Storeにて、デベロッパーのThiGamesがリリースしたゲームが、最近になって軒並み削除された。同スタジオの全作品が対象だったとみられ、その数は150タイトル以上にのぼる。海外メディアPushSquareなどが報じている。
ThiGamesは、『The Jumping Sushi』や『The Jumping Noodles』などの『The Jumping』シリーズを中心に手がけているメーカーだ。数百円で購入できるカジュアルゲームであるが、粗製濫造だとして批判的な見方をするゲーマーも少なくない。

『The Jumping』シリーズには、ゲームプレイのスタイルが異なるいくつかの種類が存在。メインとなっていたのは、ボタンを押すと料理などのイラストがジャンプし、その回数がカウントされるというものだった。ただそれだけのゲームであり、タイトルが変わっても、ジャンプする対象や背景のイラストが差し替えられるのみ。また各作品には、より速くジャンプできる「TURBO版」が別途リリースされていた。
単純なゲームプレイを採用する同シリーズ作品であるが、極めて容易な条件かつ短時間でプラチナトロフィーを獲得できるとして、一定の需要があった模様。それを受けてか開発元ThiGamesは、先述したように使用アセットだけを入れ替えてゲームを量産していたほか、同一ゲームでも販売地域ごとに別トロフィー扱いとしてリリース。さらにPS5版とPS4版で別扱いにしていたタイトルもあった。
ThiGamesがPS Storeにて販売していたのは、タイトル数としては約150本ながら、上述したバージョン違いを含めたSKU(品目)数としては1000を超えていたとみられる。トロフィー収集を主目的にゲームをプレイする“トロフィーハンター”による重複購入を見越した戦略だろう。ゲーム市場調査会社GameDiscoverCoのSimon Carless氏による試算では、ThiGamesはそれらのタイトルから累計1000万ドル(約16億円)ほどの収益を得ていたとのこと。

しかし最近になって、PS Storeで販売されていたThiGamesタイトルが一斉に姿を消した。日本では、未発売の『The Jumping Falafel』と『The Jumping Falafel: TURBO』のストアページだけ残されている。また、ThiGamesは先日1月9日に新作をSNS上で紹介していたばかりであるため、ThiGamesが自ら取り下げて撤退したというより、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)によって撤去された可能性の方が高そうだ。
こうした濫造ゲームへの対策に関して、実は2022年11月に、SIEがPS Storeの開発者向けガイドラインを改定し、スパムおよび重複性のあるコンテンツの配信の規制に乗り出したという報道があった。PS Storeでの検索性に悪影響があるとして、有意な違いのない類似作品を大量にリリースすることを禁止する内容で、違反した場合はPS Storeでの検索対象からの除外や配信停止といった処分が下り、さらに違反を繰り返した場合には、開発者アカウントの停止や取り消しをおこなうとされた(関連記事)。
ThiGamesの『The Jumping』シリーズは当時から存在し、粗製濫造であるとして一部で批判の声が上がっていた。このガイドライン改定後、対策としてか同シリーズではゲームプレイにいくつかのバリエーションが設けられるようになったが、とうとうSIEによる処分が下ったのかもしれない。なお、現時点ではThiGamesからは本件について特に声明などは出ていない。

ちなみに、PS StoreではThiGames以外にも、簡単かつ短時間でプラチナトロフィーを獲得できるカジュアルゲームを、同様に量産リリースしているメーカーが存在する。たとえば、Game Achievements Ltdの『ストローク』シリーズがそれにあたるが、こちらは現在も販売が継続されている。同シリーズもいずれPS Storeから削除されるのか、それともThiGamesに何か固有の問題が存在したのか、対応の違いが気になるところである。
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