PCメーカーDell、“AI機能の宣伝控えめ”に方針転換へ。「ユーザーはAI機能に興味ない」と気づいたから

Dell Technologiesは1月6日、CES 2026の講演に際して実施されたインタビューにて、AI PCに対する方針が以前とは異なることを明かした。

PCメーカーのDell Technologiesは1月6日、CES 2026の講演に際して実施されたインタビューにて、AI PCに対する方針が以前とは異なることを明かした。背景には、消費者はAI機能に基づいて製品を購入していないという気づきがあったそうだ。

Dell Technologiesは米国に本社を置くコンピュータテクノロジー企業だ。コンシューマーおよび企業向けの「Dell」ブランドにてPCや周辺機器を販売しているほか、ゲーミングPCブランド「Alienware」などでも知られる。

アメリカ・ラスベガスで開催されたCES 2026にて、Dell Technologiesは講演を実施。約1年前にDellブランドとの統合が伝えられていたXPSノートPCシリーズの復活や、Alienwareの新製品、そして新型UltraSharpモニターが発表された。

ところで、講演では同社のAIに対する姿勢の変化が見られた。登壇した副会長兼COOのJeff Clarke氏は講演の冒頭にて、PCのアップグレードサイクルが従来よりも遅れていることを指摘。AIはまだ期待に応えられておらず、またAIがエンドユーザーの需要を牽引するという期待も背負わされていると発言した。そして、AIへの言及はそれ以降登場せず、製品のAI機能についてのアピールもほとんどなかったことがユーザーの注目を集めた。発表された新型XPSノートパソコンについても、AI処理に特化したプロセッサーであるNPUが統合されたIntel Core Ultra Series 3を搭載。しかしながらプレスリリースではAI機能を売り込む文言はごくわずかとなっている。

昨今では多くのPCメーカーが、NPUを搭載したいわゆる「AI PC」の展開に熱を入れている。たとえばMicrosoftは、一定のシステム要件を満たしたAI PCを「Copilot+ PC」として認定。AI機能が利用可能であることが、現代のPCの付加価値として押し出されてきている現状もあるわけだ。Dell TechnologiesもこれまでAI機能を大々的に宣伝しており、1年前に開催されたCEO 2025の際には、「Dell TechnologiesがAI PCムーブメントを牽引する」といったメッセージも発信し、前のめりなAI PCの展開方針を明確にしていた。

だが今回の発表では、積極的なAI PC展開から身を引くかたちにも映ったわけだ。この状況について、CESの事前説明会に際して海外メディアPC Gamerが実施したインタビューにて、Dellの製品責任者を務めるKevin Terwilliger氏が理由を答えている。Terwilliger氏によれば、今回のDell Technologiesの発表は「AIファースト」ではなかったとして、AI PCに全てをかけていた1年前からは方針が変わったことを認めた。ただ、発表された全ての製品がNPUを搭載していることからも、もうAI製品を重要視しなくなったというわけではなく、消費者がAIに基づいて製品を購入していないということにここ数年で気づくようになったのだという。

CES 2026におけるDell Technologiesの姿勢からは、AI PCの存在がある種当たり前となった現代だからこそ、消費者に対してAI機能を過度にアピールしすぎないという戦略が見てとれる。とはいえ決してAI自体を排するわけではなく、今後も消費者の需要を押さえ、先進的な機能も備えたPCを作っていくのだろう。

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Shion Kaneko
Shion Kaneko

夢中になりやすいのはオープンワールドゲーム。主に雪山に生息しています。

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