「ソウルライク作るときは『ダークソウル』を真似しすぎるのをやめたほうがいい」と、ヒットソウルライク開発者が助言。それなら『ダークソウル』でいいし
とあるゲーム開発社がソウルライクを作るときに『ダークソウル』をなぞりすぎるべきではないと語り、注目を集めている。

Aggro Crabの共同創設者であるCaelan Pollock氏が、海外メディアGame Informerのインタビューにてソウルライクゲームについてコメントした。ソウルライクを作るときも『ダークソウル』をなぞりすぎるべきではないと語り、注目を集めている。GamesRadar+が報じている。
Aggro Crabはアメリカ・シアトルに拠点を置くゲームスタジオだ。Landfallと共同で『PEAK』を手がけたことで広く知られる。そんなAggro Crabは『PEAK』以前に、ヤドカリをモチーフとしたソウルライクゲーム『Another Crab’s Treasure』を単独で開発。同作は2024年8月時点で売り上げが50万本を超えたことが報告されている人気作である(関連記事)。

今回海外メディアGame Informerのインタビューに応えたPollock氏は、Aggro Crabの共同創設者で、ライター兼リードプログラマーを務めている人物だ。同氏の見るところによると、多くの開発者はソウルライクゲームを作るとき、「『ダークソウル』の再生産のループに陥っている(kept a lot of devs stuck in a loop of recreating)」という。『ダークソウル』をリスペクトするあまり、同作によく似た作品を作っているということだろう。
そしてPollock氏は、「『ダークソウル』っぽいゲームの最高の作品はすでに存在している、それは『ダークソウル』である」とコメント。『ダークソウル』のあらゆる側面を模倣したとしても、結局はほかの作品に埋もれてしまうとした。

「ソウルライク」に厳密な定義が存在しているわけではないが、なんとなくプレイヤーのあいだに共通認識のようなものはあるだろう。たとえば海外大手掲示板Redditのサブレディット「soulslikes」の概要欄では、ソウルライクについて「高難易度・慎重さを要する戦闘・篝火スタイルのチェックポイント・複雑な世界設定・環境ストーリーテリングを特徴とし、典型的にはダークファンタジーを舞台としたアクションRPGの総称」と説明されている。
とはいえこういった要素をすべて満たそうとすると、『ダークソウル』を始めとするほかの作品たちと差別化しづらく、埋もれてしまいやすい傾向にあるかもしれない。Steamでは本稿執筆時点で約3000本のゲームに「ソウルライク」のタグが適用されている。もちろん人気を得る作品もあるが、日々多くのソウルライクゲームがリリースされており、脚光を浴びるのは簡単ではない。

そんななかでスマッシュヒットを記録したのが、Aggro Crabの過去作『Another Crab’s Treasure』である。同作は高難度の戦闘や、死ぬとその場に経験値を落とすなど、ソウルライクおなじみの要素の多くがゲームシステムとして採用。一方で、“典型的な”ソウルライクではあまり見られない、明るめでコミカルな絵柄を採用している。開発元としては、こうしたギャップはセールスポイントとして意図的に作ったのだという(関連記事)。ゲーム性は一般的なソウルライクに寄せつつも、世界観を“典型的”なソウルライクから外すことで、作品を目立たせたということなのだろう。
Pollock氏は今回のインタビューで、「このジャンルにはもっと大きな可能性があるという信念」から『Another Crab’s Treasure』が生まれたと語っている。ソウルライクを名乗るとしても、何もかも『ダークソウル』に似せなくてよいという考えがあるのだろう。どこかにオリジナリティをこめることで作品の魅力を強く打ち出すことができ、それによって「ソウルライク」自体の幅も広がっていくとPollock氏は考えているようだ。
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