Live2Dのオフラインイベント「alive 2025」にAUTOMATONが出展してきた。クリエイターが一堂に会する、創作愛溢れる温かい空間

Live2D主催のオフラインイベント「alive 2025」にAUTOMATONも出展してきた。楽しかったレポート。

株式会社Live2Dは12月12日、2D表現に関わるクリエイターのためのオフラインイベント「alive 2025」を開催した。開催場所は秋葉原UDX。現地ではLive2Dを愛する多くの方々とお話をする機会をいただいたほか、さまざまな展示や講演を見聞きすることができた。本稿ではそのイベントのレポートをお届けしたい。

実は本イベントには弊誌AUTOMATONも協賛し、ブースを出展していた。ちなみに、AUTOMATONがオフラインイベントに出展するのは「alive 2025」が初めてである。ブースの内容こそ「Live2Dで制作したゲームのプロモーション相談」という名目だったが、初めてのイベントということでかなり手探りだったし、正直なところ筆者は「Live2Dのイベントに遊びに行きたい」という物見遊山気分で参加したところが大きい。

手探りでブースを設営し、敷き布を制作・発注し、配布資料を作り、現地では読者の方にお声掛けをいただき……さながら文化祭のようで、非常に楽しい経験をさせていただいた。この場を借りて、関わってくださった全ての方に改めてお礼を申し上げたい。

グッズのセンスが良すぎて職権乱用

イベント会場の展示エリアに到着すると、巨大な「わんころもち」がお出迎えしてくれた。我々AUTOMATONのブースは入ってすぐだったが、人の流れはとても良く、ロゴを見てピンときたという読者の方が話しかけてくれることもあった。

弊誌ブースの様子は上に投稿したとおりである。出展の様子を伝えるためのInstagram投稿だが、実は結構な打算があった。とにかくハッシュタグをつけて、現地の写真をSNSに公開したかったのだ。

なぜなら、どうしてもこの「くるくるキーホルダー」が欲しかったからだ。Live2Dには公式サンプルデータにも使われているキャラクターとして、美少女キャラクターの「桃瀬ひより」や会場入口にいたマスコット「わんころもち」などがいる。というか、ノベルティのキーホルダーにするなら「alive 2025」のロゴでお茶を濁してもよかったはず。にもかかわらず、ノベルティに堂々と「回転デフォーマ」を掲げるセンスには脱帽である。

Live2Dに詳しくない方向けに簡単に説明すると、回転デフォーマとはLive2D Cubism内でパーツを回転させるためのオブジェクト変形ツールである。3Dでいうボーンのようなものだ。

回転デフォーマ

それがキーホルダーとしてグッズ化されて、SNS投稿キャンペーンに参加するともらえる特典として配られている。「alive 2025」はクリエイターの祭典だが、それにしたってターゲットがクリエイター向けすぎる。最高だ。

Live2Dのこれまでとこれから

当日は展示ブースでの対応もあったため、全てのセッションを見て回ることはできなかった。しかし、オープニングイベントである基調講演はぜひとも現地で見たい。足早に設営を済ませてシアターホールへ向かう。

シアターホール内の協賛企業一覧には弊誌のロゴもあり、協賛慣れしていないため不思議な気持ちになった。

基調講演ではLive2Dのこれまでの歩みが利用者数などの数字で示されたほか、Live2D Cubismに今後実装される予定の新機能や、Live2Dに特化した動画編集ツール「nizima ACTION!!」の紹介などが行われた。講演中にはLive2Dの20周年記念テーマソング「Shape the Future」も初公開され、Live2Dクリエイターとして最前線で活躍する一束氏やお菊氏など、実力あるメンバーが手がけるMVが披露された。

Live2Dの20年間の歩みを見て、これからどうなっていくのだろうかと考えていると、気がつけば12時を回っていた。展示エリアの開放時間は12時から17時までである。この後の「Live2D Creative Awards」の表彰式も見たかったが、いそいそとAUTOMATONブースに戻ることにした。

ツールからゲームまで、多種多様な展示

展示エリアにはさまざまなブースが出展されていた。Live2D公式関連では、Live2D Cubismの最新機能をいち早く触ることができ、新機能への理解を深めることができた。アルファブレンドやオフスクリーン描画のアップデートなど、「できること」が増えた5.3に対し、5.4はパラメータコントローラのSDK対応や作業プリセットの保存など、「縁の下の力持ち」的なアップデートが多い印象だ。Cubism 5.4体験ブースではカメラに手をかざすことで猫を撫でられるなど、技術的な展示もされていた。

Live2Dのイベントなのだから、筆者は当然Live2D関連の展示が多いものと思っていた。しかし、展示エリアを好奇心のままに歩いてみると、隣接分野のさまざまな技術も展示されていることに驚かされた。

筆者が気になったのは、弊誌ブースの向かい側にあった「株式会社mirukia」のブース。Unreal Engineを利用し、カメラで撮影した実写映像とLive2Dモデルを合成する技術を展示しており、バーチャルのキャラクターを実写の空間に映しての撮影・配信が可能なのだそうだ。Live2Dだけでなく3Dモデルも配置できるそうで、車や家具など実際に持ち込むには手間や費用がかかるものや、実際の製造はまだ始まっていない設計段階のプロダクトなど、「現実と非現実を同じ画面に映す」という視点でさまざまなアイデアを実現することができる技術なのだそうだ。

株式会社mirukiaのブース

Live2Dを用いたゲームの展示もされていた。HIGH-END Gamesのブースでは、Live2Dを利用したリズムゲーム『PLATiNA :: LAB』の試遊台が展示されていた。モチモチとLive2Dらしく動くキャラクターを見ながらのリズムゲームは来場者の注目を集め、試遊の列が途切れない様子だった。

HIGH-END Gamesのブース

Live2Dモデル制作を効率化するためのデバイス展示もあった。左手デバイスのTourBoxやプラットフォームデバイスStream Deckは、クリエイターなら誰もが憧れる夢のデバイスだ。ボタンをカスタマイズして効率的に作業を進行できる夢のような作業環境に惹かれ、ブースにはたくさんの人々が集まっていた。

イベントの最後には懇親会があり、さまざまな業界から集まった人々と話すことができた。AUTOMATONのロゴを見て話しかけてくれた読者の方もおり、オフラインイベントならではの交流を楽しむことができた。大阪の隅とインターネットを拠点とする我々AUTOMATONだが、その対極とも言える東京ど真ん中のリアルイベント会場への参加がこんなにも楽しいものだとは。協賛という立場から、貴重な経験をさせていただいたように思う。

alive 2025」の商業と同人の狭間のような不思議な空気感は、Live2Dを、ひいては創作を愛する人々が集まっているが故に非常に温かいものだったように思う。また来年も同じ時期に開催予定があるようなので、気になる方はチェックしておこう。

「Live2D Cubism」PRO版は単月プラン2280円から利用可能。フリー版および42日間のトライアルも用意されている。

この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。

AUTOMATON JP
AUTOMATON JP
記事本文: 1123