“超不謹慎ゲーム”『香港97』の30年ぶりの続編『香港2097』、Steamで発売中止。何度か修正したが、どうしても審査に通らなかった
前作にあたる『香港97』は政治風刺なども盛り込んだパロディ満載の“不謹慎ゲーム”として、一部で話題を呼んだ作品である。

KaniPro Gamesは12月22日、Steamで発売予定だった『香港2097』について、Valveから販売禁止措置を受けたと発表した。第三者が権利を有するコンテンツがゲームに含まれていたため、審査に通らなかったのが理由だという。
『香港2097』は、1995年にスーパーファミコンでプレイできるゲームとしてリリースされた、メーカー非公認のソフト『香港97』の続編だ。主人公の陳は神様より命令を受け、理想郷を作り上げるために架空の帝国「アメリッッカ合衆国」と戦いを繰り広げる。

前作にあたる『香港97』は政治風刺なども盛り込んだパロディ満載の“不謹慎ゲーム”として、一部で話題を呼んだ作品である。本作『香港2097』は、前作を手がけたクーロン黒沢氏とKaniPro Gamesが合同で開発。約30年ぶりの新作として、前作のDNAを受け継ぎながら、ゲーム部分を歯ごたえのあるツインスティックシューターとして仕上げているという。
そんな『香港2097』はSteamでの販売を目指してストアページを開設していた。しかし開発元のKaniPro Gamesによると、今回Steamの運営より、本作を取り扱うことができないとの通達があったとのこと。販売禁止措置を受け、開設されていたストアページも利用不能になったという。
本作は当初2025年12月発売予定とされていたが、開発元の公式Xアカウントにて、Steamでの審査に時間がかかっていると報告。修正のために何度かやりとりしているため、発売が遅れる旨が発表されていた。そうして今回ついに、Steamより発売中止が決断されてしまったようだ。販売禁止措置の具体的理由は、ゲーム内容に「第三者が権利を有するコンテンツ」が含まれていたためだという。
KaniPro Gamesによると、前作の精神を引き継ぐため、『香港2097』は実在の政治家やセレブの写真を含む、多数の画像を含んでいるとのこと。審査を通らない可能性があることは以前から認識していたようで、公式Xアカウントでは「拒否される理由は山ほどある(There are a million reasons they might reject it)」とするポストが投稿されていた。Steamからの指摘にも“心当たり”があるようで、開発元の発表では「Steamの判断は妥当」とする見解も伝えられている。
とはいえKaniPro Gamesは本作のリリースはあきらめておらず、今度はほかのプラットフォームでの販売を目指すことにしたという。itch.ioやGOG.com、DLsiteなどを候補として、リリース作業に移っているそうだ。ゲーム自体はすでに完成しているとのことで、2026年上半期の発売を目指しているという。

本作『香港2097』は“不謹慎ゲーム”として知られた『香港97』の続編。本作もかなり過激な描写やパロディを含む内容になっている様子だ。利用不能となった旧Steamストアページでは、「不謹慎をも超えるツインスティックシューター」などという説明がおこなわれていた。今回はSteamで販売禁止措置を受けることになったが、はたして『香港2097』が無事にリリースされるのか、今後の展開も注目される。
『香港2097』は2026年上半期に、PC向けに発売予定。販売ストアは今のところ未定だ。
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