今こそ買いの「バンブラP」待望のアップデートと7400曲が試聴し放題の公式サイト

2014年もいよいよ大詰め、そして大晦日の名物といえば紅白歌合戦だ。そして日本のゲームシーンにはその紅白歌合戦に匹敵する「紅白オレ歌合戦」を手軽に実現できる、素晴らしい音楽ソフトが存在する。ニンテンドー3DS用ソフト『大合奏!バンドブラザーズP』（以下『バンブラP』）だ。『バンブラP』が発売されたのは、1年以上前の2013年11月14日。しかし断言しよう。このソフト、今が買いである。

DSで発売された初代から数えて3作目にあたる本作、岩田社長の顔写真を使ったアバターがボカロ声でカラオケを披露していたり、ヒャダインや小室哲哉といった有名人がオリジナル楽曲を提供するといった、事前プロモーションを覚えている方もいるだろう。ただ今回強くプッシュしたいのはそこではない。現に音楽の素養がない筆者は、最近このソフトを購入して以来「演奏・合奏・作曲」というツールはまるで活用していない。が、『バンブラP』のおかげで毎日楽しい。それはなぜか。

まずはこちらのサイトをご覧いただきたい。

『大合奏バンドブラザーズ P』大合奏！ランキング

こちらは『バンブラP』でダウンロードできる楽曲をすべて試聴できる、任天堂公式のサイトだ。2014年末の時点で7,400曲以上の曲がダウンロード可能となっている。発売当時の曲数は約4,000曲だったので、ユーザーからの投稿の甲斐あって、1年でほぼ倍増したわけだ。そしてこの試聴サービス、『バンブラP』を持っていようがいまいが、すべてブラウザ上から制限なく聞き放題。なんの制限もなくだ。おまけに歌詞付きである。

本記事執筆時点のダウンロードランキングTOP10。ボカロ曲と「妖怪ウォッチ」の強さが目立つ。発表されているのはソフト内での「ホメられ数」で、ダウンロードの実数は非公表。もちろんこれらの曲は試聴サイトですべて聞ける。

しかもこれらは任天堂がニッポン放送と協力して完成度をチェックし（つまりイマイチな出来の投稿曲は最初から置かれていない）、JASRACの許諾も得た上で試聴できるようになっている。著作権にうるさいこのご時世、面倒くさいことはすべてクリアした上で、ボカロでよければ音楽が聞きまくれるというのは、異常ともいえるサービスぶりだ。ちなみに前作の「～DX」から移植された何千曲もの楽曲は、単に移植を行っただけでなく、ボカロに対応した本作に合わせてボーカルパートまできちんと追加されている。移植作業はすべて人力で行ったそうだ。素晴らしい、執念とも呼ぶべき姿勢である。本作を創った方々には頭の下がる思いだ。ということで購入の前にまずは本作でどれだけの曲がダウンロードできるのか、上記のサイトで試聴し倒してみてほしい。さて、試聴してみた方は時間泥棒に数時間奪われた後、こう思うはずである。「いちいちブラウザ上で再生するのは面倒なのでまとめて聞きたい」。ではどうするべきか？『バンブラP』を買えばいいのだ。

本作を「いま買うべし」と強くおすすめする理由

さる12月19日、なんの前触れもなく本作のアップデートが行われ、プレイヤー機能が実装された。なぜこの時期なのか？単にプレイヤーが完成したからなのか、それとも任天堂の年内最終営業日なのか、理由は定かではないが、これまで投稿曲をダウンロードする機能はあったのだが、前作『バンブラDX』には存在した、音楽をまとめて聞くプレイヤー機能がなかったのである。画竜点睛を欠くとはまさにこのこと。しかしこのアップデートで、本作の音楽ソフトとしての完成度は格段に上がった。イヤホンを挿していれば、3DSを閉じていても聞き続けられるというのも地味だが嬉しいポイントだ。ボカロが邪魔ならボーカルのあり・なしも選べる。それに加えてアレンジも豊富に用意されており、ジャズ風、和風、安眠、ピアノ、ファミコン、教会風、南国風、ハードロック風、オーケストラ風、ホラー風、沖縄、アラビア風、貴族風、オルゴールと現状14種ものアレンジが簡単に切り替えられる。

「こんなに大量のアレンジを用意するぐらいなら、もっと早くプレイヤーだけでも……」と本音が喉元まで出かかるが、1年以上もアップデートを粘り強く続けて、プレイヤー機能を実装してくれただけでもありがたい話だ。なかでも注目はファミコンアレンジで、どんな曲でもチップチューンにしてすぐ聞くことができるのは、レトロゲーマーにはまたとない朗報である。ゲーム音楽のMIDIサイトをちまちま探していた日々を思うと隔世の感がある。プレイヤー以外の使い勝手もアップデートの度に向上しており、連日アップされる追加曲と合わせて『バンブラP』というコンテンツは今後もますます充実していくだろう。

ボカロオリジナル曲の人気を受けて、ラジオにも「電撃！ボカロマスターズ」がバージョン2.0から追加された。ニッポン放送が協力しているだけあって、同局で人気の吉田尚記アナウンサーに似たDJ、ゴボーカロイドが登場。

バージョン2.0からメイン画面も変更された。最下段の左から3つめのアイコンが、ついに実装されたプレイヤー。なおボーカルパート入りの曲はその上の「レコーディング」を済ませないと歌声なしのままなのでその点は注意。

そしてもうひとつの「バンブラP」を今買うべき理由、それは単純。発売時より格段に安いのだ。

一般的な通販サイトで検索すると本作の新品が半額以下、1500円ほどで購入できる（2014年末現在）。もちろん中古だともっと安いが、本作に限ってはソフトと楽曲のダウンロード権がセットになっているため、新品で買うのをおすすめする。なおダウンロード版の価格は4,000円以上するものの、割高なこちらにもメリットはある。ソフトを入れ替えずに曲をいつでも聞くことができるのだ。ソフトを新品で購入すると投稿曲が100曲までダウンロードできるが、それ以上はゲーム内通貨「トマト」を購入することで、最大3,000曲までダウンロードできるようになっている。ちなみに本作、トマト70個で2,881円（税込）なので、任天堂のゲームとしてはおそらく最大級に課金できるタイトルだろう。

プレイヤー画面。ボカロのオン・オフ、全曲リピートor1曲のみリピートorシャッフル、各種アレンジの種類、次の曲をランダムにアレンジするかが設定できる。LRは曲送りだがロックも可。3DSを閉じてポケットに入れたまま聞く際などに便利だ。

プレイヤー画面をリスト表示にすることも可能。そのままだと50音順にソートされているが、自分でプレイリストを20個まで設定できる。ちなみにこの画像は撮影用のプリセット曲なので、筆者の無駄に濃いリストを見せられず残念。

<筆者が勝手に選んだオレ100曲リスト＞（50音順）

では、実際にどんな曲が投稿され、ダウンロードできるのか、7,400曲以上というラインナップの幅広さを示すためにも、恥を忍んで最後に個人的な100曲リストを掲載しよう。AKB48もジャニーズも見当たらない、おっさん臭いラインナップな上に記事も縦に長くなってしまうが、その点はご容赦いただきたい。

……というわけで試聴して気に入った曲があったら、いますぐ購入してみてほしい。「演奏・合奏・作曲」をまったくせずとも、投稿曲をダウンロードして聞きまくるだけで楽しい「バンブラP」、今が買いである。さて、上記のリストはまだ99曲しか挙げていない。残る1曲は筆者と同年代のAUTOMATON読者に贈る曲ということで、この曲へのリンクで本稿の締めとしたい。皆様よいお年を。

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今こそ買いの「バンブラP」待望のアップデートと7400曲が試聴し放題の公式サイト

本作を「いま買うべし」と強くおすすめする理由

<筆者が勝手に選んだオレ100曲リスト＞（50音順）

Tomohiro Noguchi

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