『鳴潮』Ver3.0にあわせた試遊会場および開発元KURO GAMESオフィスをツアー見学。どこもずっとお祭りムード

『鳴潮』Ver3.0のメディア向け試遊会のレポートをお届けする。

『鳴潮』のメディア向け試遊会が、とにかくど派手だった。メディア向けと断りがあったことから筆者は会議室でゲームをプレイするようなイメージを抱いていたが、その実態は『鳴潮』のVer3.0が12月25日に配信されることを記念するイベントとなっていた。もはや『鳴潮』イベントの魅力のひとつである着ぐるみも来場し、会場は大いに盛り上がった。

中国・広州で行われたメディア向け試遊イベントに、弊誌は参加した。本稿では当日撮影した会場の写真とともに、イベントの模様をお届けしたい。会場でVer3.0を先行試遊した感想については別の記事にまとめているので、そちらを読んでほしい(関連記事)。

隠す気ゼロ!新キャラの巨大パネルや着ぐるみ登場の入り口

今回の『鳴潮』Ver3.0試遊会はメディア向け限定に行われるもので、一般のプレイヤーは参加することができない。それにも関わらず、試遊が行われる会場の入り口では『鳴潮』Ver3.0で新登場するキャラクターたちの巨大パネルが来場者を出迎えてくれた。メディア向け試遊会といえども外部から完全に隠されているわけではなく、Ver3.0の配信を祝うイベントとしての和やかな雰囲気が漂う。

『鳴潮』公式はVer3.0を強烈に押し出している。Ver3.0で新キャラクターとして登場するリンネーとモーニエの巨大パネルがひときわ目立っており、訪れた人の多くが写真を撮影していた。ふたりの着ぐるみも登場し、着ぐるみが自身のパネルを見上げるというなんともいえないシーンも見ることができた。着ぐるみの表情はなぜかふくれっ面であり、「オタクに優しいギャル」を具現化したようなリンネーとのギャップがあっておもしろい。

『鳴潮』の着ぐるみはアグレッシブな動きでファンサービスを行うことで広く知られており、それは今回も同様だった。写真撮影に快く応じてくれることはもちろん、こちらが頼むより前からダンスや連続キックといったさまざまなアクションを披露してくれる。

リンネーとモーニエといった新キャラクターのコスプレイヤーも会場に彩りを与えていた。とりわけ注目が集まったのは、リンネーとモーニエのコスプレイヤーがバイクの二人乗りを披露した瞬間だった。『鳴潮』Ver3.0では新たな探索手段としてバイクが追加されるため、ふたりがイベントでバイクに乗るのはインパクト絶大だ。

ゲームにおけるバイクの二人乗りは主人公とほかのキャラクター1人という組み合わせのため、リンネーとモーニエの二人乗りはこのイベントでしか見ることのできない貴重なものだったのかもしれない。

学生証や缶バッジなどのオリジナルグッズを作成

会場内部は熱気に満ちており、かなりの台数が用意された『鳴潮』Ver3.0の試遊台も常に盛況だった。試遊で賑わっているかと思えば、着ぐるみの登場で歓声が沸き上がるなど会場は混沌としており、やはり『鳴潮』のVer3.0を祝うイベントの雰囲気だったといえるだろう。

Ver3.0で主人公が訪れるスタートーチ学園の学生証を、自分の名前で作成可能なブースも人気だった。ちょっと気恥ずかしく思いつつも、作中で主人公が手にするものと同じ見た目のグッズはどうしても欲しくなる。お気に入りの写真を缶バッジに印刷してくれるブースにも、数多くの人が集まっていた。会場で撮影した写真を缶バッジにする来場者が多く、筆者も会場内で撮影したリンネーのパネルの写真を缶バッジにしてもらった。

さまざまなアクティビティが存在する一方で、軽食をつまめるコーナーや休憩スペースが存在したのは来場者にとってうれしいところだ。疲れたら休憩し、また元気になったら別のアクティビティを試す余裕が生まれる。展示物ひとつひとつがゲームにちなんだものとなっており、万全の状態でそれらを確認できるのが良かったと思う。

KURO GAMES本社1階は誰でも入れる公式グッズストア

『鳴潮』Ver3.0の試遊会が行われたあと、弊誌はKURO GAMES本社を訪問した。KURO GAMES本社は1階が公式グッズストアとなっており、誰でもグッズを購入することができる。訪問時には、入り口に『鳴潮』でお馴染みのガルブレーナと仇遠のキャラクターパネルが置かれていた。

公式グッズストアでは、『鳴潮』や『パニシング:グレイレイヴン』といったKURO GAMESの手掛けるタイトルのグッズが販売されていた。販売されているグッズの種類はかなり多く、『鳴潮』でこれまでに登場したキャラクターたちのグッズが一堂に介しているのは圧巻だ。こちらには平日の夕方に訪問したため混み合ってはいなかったが、それでもほとんど途切れなくファンが入店してグッズを購入していく姿が印象的だった。

「監修中」と表記されたまだ発売されていないグッズの見本が展示されているのも貴重であった。これから発売が予定されているグッズは必ずしも新キャラクターばかりではなく、従来から存在するキャラクターのものもあるようだ。『鳴潮』は運営型のゲームであるためにどうしても新キャラクターに注目が集まってしまうが、従来からのキャラクターのグッズも出るのは、筆者お気に入りのキャラクターが忘れられていないことが実感できた。

新社屋に移転してから約1週間のKURO GAMESオフィスへ

公式グッズストアをあとにし、ここからは関係者しか入ることのできないKURO GAMES内部を見学させていただいた。聞くところによると、弊誌の訪問時はKURO GAMESが新社屋移転してから1週間ほどしか経っていないとのことだった。とてもそうは思えないほど片付いていたが、たしかに忙しそうにフロアを行き交う人々は多かったかもしれない。

KURO GAMESのフロアに降り立つと、まずはKURO GAMESが歩んできた歴史を記したボードが目に入る。2024年の『鳴潮』といったように開発タイトルがリリースされた西暦がわかるほか、これまで受賞したアワードなども展示されていた。なお、『鳴潮』は世界的なゲームアワードである「The Game Awards 2025 」でPlayers’ Voice部門を受賞した。そちらも『鳴潮』の栄光を伝える勲章として、今後は展示されることになるのだろう。

日本の映画やアニメなどの資料も収蔵するライブラリー

KURO GAMESがゲームを開発するうえで参考にしている資料が収蔵されている「ライブラリー」も見学することができた。映画やアニメの原画集からシナリオの書き方といったものまで、収蔵されている資料の分野は多岐にわたる。KURO GAMESの開発陣は日本の作品に普段からアンテナを張っているようで、映画監督の黒澤明に関する書籍や、藤本タツキ原作の映画「ルックバック」などの資料が置いてあった。

ライブラリーに収蔵されている資料は、KURO GAMES社員ならば貸し出しを受けられるとのことだ。KURO GAMESの開発陣でイメージを共有できるように、常に切磋琢磨している印象をうかがい知ることができる。

KURO GAMES社員が自由に使える施設としては、社内にトレーニングジムが設置されていた。フィットネスを鍛える本格的なマシンはもちろん、希望すればパーソナルトレーナーからの指導も受けられるという。トレーニングジムには壁面に『鳴潮』のキャラクターのパネルが展示されているため、お気に入りのキャラクターと一緒なら厳しいトレーニングも乗り越えられるかもしれない。

『鳴潮』開発陣最大の癒しスポットの「猫」

ライブラリーでクリエイターとしての発想力を養い、トレーニングジムで体を鍛えるのもいいが、KURO GAMES社員にとって最大の癒しになるのが「猫」だという。どういうことなのか話をうかがってみると、KURO GAMESには猫が暮らす部屋があるというのだ。そちらをうかがってみると、たしかに猫が穏やかに暮らしていた。

KURO GAMESの猫はかなり人懐っこく、訪問客にも興味津々だ。キャットタワーからこちらを覗き見ているところが、なんとも愛らしい。最初は警戒していた素振りを見せていたが、すぐにリラックスした状態で過ごしていた。こちらとしては猫にストレスを与えてしまっていないか心配していたが、どうやらそうではなさそうなので安心した。『鳴潮』の開発陣にも猫好きは多く、暇を見つけては猫に会いに来るそうだ。

猫の部屋の壁に、猫耳姿のキャラクターが登場するのもポイントだ。男性主人公と女性主人公が猫耳になっているほか、人気キャラクターのザンニーも登場する。ザンニーは仕事に全力で打ち込む勤勉なキャラクターなので、その疲れを癒しに猫のところへ訪れることがあるのかもしれない。そうした想像ができるだけでも、ファンにとってはうれしい光景だった。猫と『鳴潮』のキャラクターたちが、作り手のKURO GAMESからも愛されていることが実感できる。

『鳴潮』Ver3.0の試遊イベントに参加し、KURO GAMES本社を訪問して、あらためてKURO GAMESの開発へのパッションを感じられた。KURO GAMES本社のライブラリーでは開発陣による創作への熱意をうかがい知ることができる一方で、猫の部屋が存在するなど常に心のゆとりがある印象だ。フロアや部屋のいたるところに『鳴潮』のキャラクターが登場するなど、開発陣が『鳴潮』を愛していることを実感できたのもファンにとっては喜ばしいことだった。

鳴潮』は、PS5/iOS/Android/PC(Windows/Steam/Epic Gamesストア)向けに基本プレイ無料で配信中。2025年12月25日には最新バージョンとして、Ver3.0が配信される。

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Ryuichi Kataoka
Ryuichi Kataoka

「ドラゴンクエストIII」でゲームに魅了されました。それ以来ずっとRPGを好んでいますが、おもしろそうなタイトルはジャンルを問わずにプレイします。

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