『ポケモンレジェンズZ-A』新DLC、ドーナツ作りからボール破壊まで「リセマラ方法」次々と編み出される。“きのみ赤字”になりかねない世知辛さもあってか
『Pokémon LEGENDS Z-A』のDLC「M次元ラッシュ」にて、目当てのポケモンや効果を引き当てるために、「リセマラ」の手法が数々編み出されている。

『Pokémon LEGENDS Z-A』(以下、Z-A)のDLC「M次元ラッシュ」の追加ストーリーコンテンツにおいて、出現ポケモンやドーナツの効果といったさまざまな内容を厳選する、いわゆる「リセマラ」の手法が広く共有され、話題となっている。一方でバックアップを利用するリセット手法などには一部ユーザーが抵抗感を覚えるという声もみられ、効率のためにリセマラをするか否かといった葛藤も生んでいるようだ。
本作は『ポケットモンスター』シリーズの最新作だ。開発を手がけるのはゲームフリーク。『ポケットモンスターX・Y』に登場したミアレシティが舞台だ。再開発の進む街に旅行で訪れた主人公はなりゆきで町の自警団「MZ(エムゼット)団」に加わり、街で起こるさまざまな出来事や事件に挑む。
「M次元ラッシュ」の追加ストーリーコンテンツでは、ミアレシティの至る所に不思議な空間のひずみが出現。同時に現れた謎の少女「アンシャ」と幻のポケモン「フーパ」とともに、ひずみの先にある「異次元ミアレ」を調査する。フーパの力によりひずみの中に飛び込み、ミアレシティとは異なる種類のポケモンや、レベル100を超える“異次元レベル”のポケモンたちと出会うことになる。

そんな「M次元ラッシュ」における異次元ミアレで出現するポケモンやきのみなどといった要素を効率よく厳選するために、プレイヤーはさまざまな手法を編み出している。このうちたとえばワイルド異次元はランダムで決まったタイプが出現するため、お目当てのポケモンを登場させる場合には、ベンチやホテルZで時間をつぶすことにより、手軽に厳選が可能だ。
一方でいわゆるリセマラ系の手法も存在。いじげんきのみを消費してアンシャが作るドーナツの効果を厳選する手法や異次元ミアレでのポケモン厳選手法も一部で共有され、話題となっている。
というのも、ドーナツはきのみごとに設定されたフレーバーパワーに応じた効果が付与されるが、どの効果が付くかはランダム。たとえば「スイート」ではオヤブンポケモンが出やすい「オヤブンパワー」、色違いポケモンの出やすい「かがやきパワー」が存在。そして「かがやきパワー」など一部パワーは出やすくなるタイプなど、どのタイプが選ばれるかもランダムとなっており、お目当ての効果を揃えるのは通常ではなかなか簡単にはいかないだろう。そのうえ、本作はオートセーブに対応。ドーナツ作成時や異次元ミアレ突入時には自動的にセーブされるため、ソフトリセットでは厳選ができない。

そのため、本作に備えられた機能である「バックアップ」を利用した厳選方法も広まりを見せている。バックアップデータはポケモンセンターでの回復時などに更新されると見られ、ロードする場合にはタイトル画面にて「Xボタン+Bボタン+上ボタン」で呼び出すことができる。本来は予期せぬクラッシュや“詰み防止”などの対策用に用意されたものと思われるが、オートセーブ時より古いデータが残ることを利用して、本編ではオヤブンや色違いポケモンの厳選などに用いられてきた。今回のDLCではさらに先述のドーナツの効果などの厳選に用いられている様子だ。
またそうした“厳選済みのドーナツ”を用いて異次元ミアレに突入した際にはソフトリセットを用いるリセマラ厳選も考案されている。こちらでは「どうぐパワー:きのみ」「どっさりパワー」といった効果をもつドーナツを使用して異次元に向かい、宙に浮いたボールを破壊する前にセーブ。それぞれ目当てのいじげんきのみが出るまでリセマラするといった具合だ。
異次元ミアレではドーナツの効果に頼らなければいじげんきのみを安定して集めることは難しく、時間制限もある。DLCをクリアする分にはあまり問題にならないものの、プレイを続けるなかではドーナツの材料にしたきのみの分すら異次元で回収できず赤字になりうる状況もリセマラが広まっている背景にあるとみられる。また手間をかけて効果を厳選したドーナツを最大限に活用するためにも、ソフトリセットと組み合わせる“リセマラの連鎖”が生じている模様だ。
リセマラ自体は過去のシリーズ作品における伝説ポケモンの厳選など、シリーズファンにとっては一般的な側面もある。しかし近年では「きんのおうかん」「ぎんのおうかん」などリセマラを回避する手段も設けられてきたこともあってか、リセマラを多用することで効率化するコンテンツが追加された点は賛否分かれている様子だ。またドーナツのリセマラにおけるバックアップの利用は“仕様の悪用”のようで抵抗を感じるといった声も見られる。シビアなバランスはエンドコンテンツとして長く遊べる側面もある一方で、ユーザー間では効率のために作業感もあるリセマラを多用するか否かといった葛藤も生まれているようだ。
『Pokémon LEGENDS Z-A』はNintendo Switch/Switch 2向けに販売中だ。DLC「M次元ラッシュ」は税込3000円で販売中。
この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。




