UbisoftがなんとAmazon発新作MOBAを「開発チームごと」買収。『レインボーシックス シージ』元ディレクター率いるチームが出戻り

Ubisoftは12月16日、Amazon Games Motrealが手がけていた『March of Giants』を買収すると発表した。

Ubisoftは12月16日、Amazon Games Motrealが手がけていた『March of Giants』を買収すると発表した。チームはそのままUbisoftに加わり、開発を継続していくという。

『March of Giant』はMOBAジャンルのオンライン対戦ゲームだ。PC(Steam)向けに基本プレイ無料で配信予定。MOBAのレーンベースの戦闘にリアルタイムストラテジーの要素が加わったシステムが特徴。プレイヤーは巨人となり、何千もの兵士を指揮しながら4v4のチーム戦を戦うこととなる。 

同作は今年8月に発表。今年9月には北米地域を対象としたクローズドアルファテストが実施され、次のパブリックプレイテストは2026年までおこなわれないことが告知されていた。このたびの発表によれば、同作はAmazonからUbisoftへと売却されるそうだ。

本作はもともとカナダ・モントリオールに拠点を置くAmazon Games Montrealが手がけていたタイトル。同スタジオはかつて、Ubisoftの『レインボーシックス シージ』に携わっていた中核メンバーが多数在籍するAAAスタジオとして、2021年に開設。Ubisoft Trontoの元マネージングディレクターであるAlex Parizeau氏と『レインボーシックス シージ』のクリエイティブディレクターを務めたXavier Marquis氏の二人が率いていたという。両名をはじめとする元Ubisoftのスタッフが、同社に出戻りするかたちだ。

なおUbisoftは、同社のブランドとフランチャイズをグループ化する計画として、「creative house」と呼ばれるモデルを提唱。そのなかでは、テンセントの出資を受けて、『アサシン クリード』『ファークライ』『レインボーシックス』シリーズの開発に特化した新スタジオであるVantage Studiosが今年10月に設立されていた。このたび買収された『March of Giants』のチームも、creative houseの一部として新たな部門として組み込まれるそうだ。

Amazonといえば、今年10月に約1万4000人規模の大規模なレイオフが実施。ゲーム部門にも大きな影響をもたらし、傘下スタジオのAmazon Games Orange Countyが手がけるMMORPG『New World』や「ロード・オブ・ザ・リング」を題材としたMMORPGが開発中止となることが発表されていた(関連記事1関連記事2)。今回の買収もそうした流れを受けたものとみられている。

ちなみに今回の発表では、『March of Giants』の開発チームがUbisoftに加わるとの表現がなされている。Amazon Games Motrealのスタジオ全体が買収されるのかどうかは、現時点では明らかとなっていない。

『March of Giants』はPC(Steam)向けに開発中。

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Shion Kaneko
Shion Kaneko

夢中になりやすいのはオープンワールドゲーム。主に雪山に生息しています。

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