『信長の野望 真戦』を「戦」する気満々でプレイすると、のんびり戦国生活から始まった。しかし平和ボケすると対人バトルでしばかれる乱世、12月19日ついにリリース

オンライン戦国SLG×RPG『信長の野望 真戦』で待ち受けていたのは「穏やかな暮らし」から「リアル人間戦国模様」への急変であった。

Qookka Gamesがコーエーテクモゲームスから『信長の野望・新生』の正式ライセンスを受けてiOS/Android向けに開発され、明日12月19日のリリースが予定されているオンライン戦国SLG×RPG『信長の野望 真戦』。本作に向けてはβテストが実施されており、筆者も『信長の野望』ならではの「戦」に期待を寄せつつ参加してみた。すると待ち受けていたのは「穏やかな暮らし」から「リアル人間戦国模様」への急変であった。本記事ではその模様をお届けする。なお本記事はβテスト版のプレイをもとに執筆しているため、正式リリース版とは一部内容が異なる可能性があるため留意されたい。    

『信長の野望 真戦』は、Qookka GamesのSLG作品である『三國志 真戦』の流れを汲む「真戦」シリーズの新作だプレイヤーは群雄割拠の時代に一城の主となり、自己の研鑽や勢力の拡大、他プレイヤーとの協力を通して天下統一を果たすことを目指す。『三國志 真戦』と比べて、武将編制が進化するほか、新たな「武将特性」「兵種ランク」「家門勢力」など新要素を追加。また本作は戦国時代の文化や生活にもフォーカスしており、リアルな戦国大名生活を味わえることも特長だ。


戦国領主の雅な生活が体験できるRPGパート

それぞれのプレイヤーが戦国領主となり、自勢力の拡大を目指すオンラインタイトルとなる本作。また『信長の野望・新生』の公式ライセンス作品として、筆者はやはり「戦」に期待しつつ、血気盛んにプレイを始めた。ところがそんな筆者を待っていたのは意外にものんびりとした生活であった。

というのも本作は導入部分からシナリオが丁寧に用意されており、シングルプレイ部分はまるで戦国の日本を題材としたRPGのようにプレイすることができた。まずはゲーム序盤に比重が高くなる、シングルプレイパートを紹介する。

本作の主人公はもともと浅川盛政という架空の武将に仕えていたものの、家臣である津田弥右衛門の裏切りに合い浅川家は滅亡。主人公は浅川盛政の友人の娘である茜を託され、名もなき村へと落ち延びる。何もないその地に城を立てて国とし、さまざまな出会いを通じて勢力を拡大。戦国の世に新たな国を打ち立てて、天下統一を目指すのだ。

『信長の野望・新生』と言えばおなじみなのが、武将ごとに細かく設定されたステータス。本作でもそれぞれの武将に統率、武勇、知略、政務、魅力、速度のステータスが史実に基づいて割り振られており、ゲームプレイの多様性と歴史的なリアリティの両方を与えてくれる。また、本作では主人公自身のステータスを自由に割り振ることもできる。単なるゲーム内アバターではなく、戦国の世に生きる自分をゲーム内で表現することができる。

そして、伸ばしたステータスは武芸、弁論、建築、算術、茶道、鍛冶といった6つのシングルプレイ用ミニゲームに影響を及ぼす。ミニゲームは「戦国らしさ」がありつつも、中身がすごく平和。たとえば茶道では集めた茶器コレクションの中から相手好みのものを選んでもてなしたり、弁論では戦国時代の軍師と弁士の舌戦を再現したカードゲームをプレイできたりと、乱世であることを忘れる平穏っぷりだ。「早く戦がしたい」と血に飢えていた筆者であったが、これはこれで魅力的。次第にのんびりとキャラを成長させる戦国ライフに適応していく。

相手は題目に沿った「信用」の手札を出してくることが予想されるシーン。「知恵」の手札では負けてしまう可能性が高いが、「しっぺ返し」ならば一発逆転を狙える。

とはいえ、戦いのことを忘れてはいない。剣技を競っていくことになる武芸はミニゲームのなかでも個人的なお気に入りだ。武芸は事前に設定した技をターンごとに発動していく対戦型のミニゲームで、相手の技は事前に確認することができるためいかに効率よく技を発動していけるかが攻略の鍵となる。

相手の防御中に自身にバフを重ね、相手の強力な攻撃には防御行動。隙が出来たら、こちらの大技を叩きこむチャンスだ。

また、主人公は技を新たに習得していくこともできる。シナリオを進めると入門できる4つの流派ではそれぞれ得意とする戦法に準じた技を学べるため、主人公を自分好みの剣士に育て上げることが可能だ。シナリオを進めると入門できる4つの流派ではそれぞれ得意とする戦法に準じた技を学べるため、主人公を自分好みに育て上げることが可能だ。ちなみに筆者が選択した柳生新陰流は守りに長けた流派で、相手の攻撃を捌きながらじわりじわりと追い詰めていく戦法が見事にハマった時の気持ちよさは折り紙付きだ。

戦略、内政、領主の成長などの主要要素や武将の立ち絵やマップといったアートワークは、ライセンス元である『信長の野望・新生』のエッセンスをしっかりと引き継いでいる。一方で、戦国を生きる主人公の人生にフォーカスし、さまざまなミニゲームを遊びながら成長するRPG要素を楽しめた。そんな本作のRPG要素は、あくまでSLGパートに繋がる一要素にすぎない。ここからはお待ちかねのSLGパートを紹介していこう。

武将を従え、領地を拡大

ここまでのんびりと過ごしてきたが、もちろん世は戦国時代。自らの下に集ってきてくれた武将たちを育てて勢力の拡大を目指すという野望も忘れてはいけない。いよいよ待ちに待った戦のときだ。武将を編制した部隊を派遣して土地を占領、資源を獲得してさらなる戦力の拡大を目指すことにする。

戦場を彩る武将たちは個性豊か。前述の6つのステータスに加えてそれぞれが固有の「戦法」と呼ばれるアビリティをもち、与ダメージ増加や相手へのデバフなど効果はさまざま。1つの部隊には最大3名の武将を編制できるため、ステータスの高さよりもそれぞれの武将同士のシナジーや戦う相手との相性の良さの方を優先した方が有利に働く場面は多いだろう。

キャプション:『三國志 真戦』と比較すると、武将ごとの固有バフである「武将特性」や特定の兵種にブーストを与える「兵種ランク」、歴史上の立ち位置をゲームに反映した「家門勢力」の追加によってそれぞれの武将の個性が強化されている。

そうして作り上げた部隊を目標の土地に向けて派兵して領地を拡大していくわけだが、ここで筆者はそう易々とは領地を広げられないことに気づく。というのも本作では、自勢力の土地と隣接している土地でなければ部隊を送り込むことはできないからだ。つまり欲しい土地があった場合、そこに至るまでの道を作るように自勢力の土地を伸ばしていかなければならない。これではあまりにも時間がかかりすぎるし、何より無防備に土地を伸ばせばその分守りはおろそかになる。本作はオンラインタイトルであり、敵対するほかのプレイヤーに攻め込む隙を与えかねない。

無策に領地を広げるわけにもいかず、待ち望んだ戦を始めて早々、手詰まりとなった筆者。悩んだ末、「一門」システムがこの問題を解決してくれることに気づく。一般的なオンラインゲームでいうところのギルドに相当する一門は、所属プレイヤーにさまざまな恩恵を与えてくれる。たとえば、同じ一門に所属するプレイヤーの土地も自分の隣接地と見なせるようになるため、そこから土地を伸ばしていくことができるようになるのだ。

一門に集い、力を合わせて天下統一を目指せ

ここで一門の目的を整理しておこう。まず、一門の目的はなんといっても天下を統一することだ。城攻めのために結成された攻城隊が城の占拠に成功すると、一門に格上げとなる。そしてメンバーを集め勢力を拡大し、資源の豊富な資源州への進出。最終的には、一門の総力をもってこのゲームの最終目的である二条御所の占拠を目指すことになる。

マイペースにプレイしたい筆者はオンライン交流にハードルも感じていたが、やはり戦国の世は手段にこだわらず成り上がってナンボ。重い腰を上げて、人員を募集していた一門へと加入してみる。すると、想像以上に快適なオンラインライフが待ち受けていた。

オンラインのプレイということでまず不安があったのが、コミュニケーション面だ。綿密な情報交換や作戦会議などが必要な場合、難しいことは抜きにしてとにかく戦いたい筆者ではあまり役に立てないかもしれない……などと考えていたが、実際のところはまったくの杞憂だった。

一門としての作戦行動は、すべて動員状というメッセージシステムで告知される。この動員状のおかげで、煩雑なコミュニケーションなしで一門の統制を図ることができるのだ。たとえば、動員状で攻めるべき目標が提示されれば、期日までにその近くに幕舎と呼ばれる拠点を立てて部隊を待機。攻城戦の時間が来れば、全軍一丸となって攻め立てることが可能となる。

1人ではできないことも、力を合わせれば可能になるのが組織の強み。一門のメンバーと力を合わせて城を攻め落としたり、敵対する一門と全面戦争を繰り広げたりと、一門加入後は当初期待していた通りの血沸き肉躍る合戦が味わえた。

国に戻れば一国の主でも、戦場では一兵卒に過ぎない。戦って消耗したら撤退、幕舎で補給したらまた戦場へ出陣。これをどちらかの陣営が根を上げるまで繰り返すのだ。持てるすべてをぶつけ合い勝者を決める様は、まさに力がものを言う戦国の世の再来だ。ちなみに上記画像で友軍が4連戦を勝ち抜いている活躍の裏で、我が精鋭部隊は初戦で敗退……。天下統一への道は、まだまだ遠いようだ。

また、オンラインプレイを通じて繰り広げられるのは単純な戦闘だけではない。折につけて発生する一門同士の政治的な駆け引きもまた、戦国らしさを惹き立ててくれる。

今回のテストで特に印象的だったのは、筆者が所属していた一門が結んでいた同盟が一夜にして崩壊したときのことだ。一転して敵となった元味方たちに攻め立てられ、スマホの画面に大量に並んだ「敵軍の部隊が迫っています。慎重にご対応ください」の通知で目が覚める……という悪夢のような体験は忘れられない。あとから調べると前々から同盟崩壊の兆候はあったようだが、筆者は武芸や茶道などの雅な趣味にお熱だったためまったく気づけなかったのだ。ここにきて平和ボケが祟るとは。戦国の世を生き抜くためには、情報戦でも他者を出し抜く必要があると学ばされた出来事だった。

なお今回は「βテストを楽しむため、個人間での争いは控えよう」というユーザー間の呼びかけもありプレイヤー同士での小競り合いは少なかったものの、本来は個人間での直接的な土地の奪い合いも発生しうる。つまり、上述したような修羅場ももっと増えることだろう。正式サービス版ではどのような勢力争いが繰り広げられるのか、今から楽しみだ。


自領でまったり、戦場でバッサリ。戦国時代のリアルな2面性

戦国大名の暮らしとはどのようなものだったのだろうか。前線で戦の指揮を取ったり他の大名と政治的な駆け引きを繰り広げたりといったこと以外にも、茶道や弁論を楽しんだり一剣士として鍛錬を積んだり、などといった側面があったのかもしれない。本作ではそんなのんびりとした戦国大名の日常生活があるぶん、血を血で洗う戦場の興奮がより際立つタイトルに仕上がっていると感じられた。同盟の崩壊など、派閥と派閥、人と人との生々しい「戦」が生まれる点は、本作の持ち味といえるだろう。

『信長の野望 真戦』は、iOS/Android向けに12月19日にリリースされる。なお本作のリリース時に実施される予定のイベント情報も告知されている。

①ゲーム内イベント
新規プレイヤー特典で、星5武将・蜂須賀小六が入手可能。イベント「毎日征途」で、毎日ログインするだけで2人の星5武将(斎藤義龍、陶晴賢)、小判、銀銭、覚醒用巻物、武名の証、武将継承用巻物などの報酬も手に入る。

イベント「七日之儀」では、7日間のミッションを完了することで3人の星5武将(甘粕景持、甘利虎泰、伊達晴宗)から任意の1人を入手可能。さらに小判や武将登用状、戦法習熟指南書、覚醒用巻物などの報酬も獲得できる。


②最強職人決定戦
イベント期間:
2025年12月19日(金)~2026年1月18日(日)の期間中に開放したサーバーを対象とし、シーズン1評定まで開催

ゲーム内での「最強職人決定戦」イベントにおける「職人対局の成績」に基づき、武芸、茶道、弁論、算術、建築、鍛冶の6つのRPG部門に分かれ、各部門で所属サーバーと参加サーバーにおける順位をそれぞれ決定するイベント。結果に応じて、記念黄金小判*、職人称号、小判、登用状などの報酬が獲得できる。

※記念黄金小判:記念黄金小判(メッキ仕上げ)& 5gの純金(純度99.99%/K24)


③CM記念イベント:戦国問答 孤影の叡智
イベント期間:
2025年12月19日(金)~2026年1月18日(日)の期間中に開放したサーバーを対象に、各サーバーにて7日間開催

プレイヤーがクイズイベントに参加し、個人の累計正答数および所属サーバー全体の累計正答数の達成目標をクリアすると、小判に加え、「CM記念・主人公装束」や「CM記念・柴犬」などの限定アイテムを獲得することができる。

※CM記念・柴犬:期間限定アイテム
※各イベントの詳細は、ゲーム内で確認可能だ

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Daijiro Akiyama
Daijiro Akiyama

ゲームをすることと、ゲームの話をしたり聞いたりすることが同じぐらい大好きです。

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