「NVIDIA GeForce RTX 50シリーズ」最新ドライバーで物理演算エンジン「PhysX」サポート一部復活。『アサシン クリード4』など人気過去作が最新グラボで遊びやすく

「GeForce RTX 50シリーズ」のドライバーアップデートにより、廃止されていた「PhysXエフェクト」へのサポートが一部の作品に限り復活している。

NVIDIAは12月4日、「GeForce RTX 50シリーズ」向けにグラフィックドライバーを更新。これによって、廃止されていた「PhysXエフェクト」へのサポートが一部の作品に限り復活している。

GeForce RTX 50シリーズ(以下、50シリーズ)はNVIDIAが開発する最新グラフィックスカードだ。NVIDIA Blackwellアーキテクチャを搭載し、強化されたAI技術によるフレーム生成技術「DLSS 4」に対応。前世代と比べて高いグラフィック性能を誇っている。今年1月から順次販売が始まり、ハイエンドモデルである「RTX 5090」からエントリーモデルの「RTX 5050」まで幅広いラインナップで展開されている。

そしてPhysXとはNVIDIAが開発していたリアルタイム物理演算エンジンだ。特に対応するNVIDIA製GPU環境では「PhysXエフェクト」が利用可能であり、剛体シミュレーションのほか布やパーティクルの動きを再現可能。PhysXがUnreal EngineやUnityなどのゲームエンジンで標準物理演算エンジンとして統合されたこともあってか、2000年代後半から2010年代にかけて、AAAタイトルを中心に採用例が見られた。

しかし、50シリーズでは32bit CUDAおよび32bit OpenCLなどへのサポートが打ち切られたことにより、PhysXに非対応となっていた。PhysXエフェクトを利用する一部の作品を50シリーズのグラフィックスカードでプレイした場合、GPUアクセラレーションが実行されず、代わりにCPUで処理されることになる。これにより、フレームレートの低下などの影響があるとの報告されていた。高い性能をもつグラフィックスカードを使用しているのにも関わらず、旧作タイトルで逆にパフォーマンスが落ちてしまうという状況が発生していたわけだ(関連記事)。

そんな中で、12月4日にNVIDIAはGeForce Game Ready ドライバーのバージョン591.44を配信。このドライバーにより、PhysXエフェクトを含む一部のタイトルへのカスタムサポートがおこなわれるようになった。対応作品は以下の通り。

・『アリス マッドネス リターンズ』
・『アサシン クリード4 ブラック フラッグ』
・『バットマン アーカム・シティ』
・『バットマン アーカム・ビギンズ』
・『Borderlands 2』
・『マフィアII』
・『Metro 2033』
・『Metro: Last Light』
・『ミラーズエッジ』
・『バットマン アーカム・アサイラム』(2026年上半期に対応予定)

なお前世代までのGPUにおいてもPhysXへのサポートは引き続き継続されるという。同ドライバーの詳細は発表ページで確認可能だ。

『バットマン アーカム・シティ』

なお、PhysXは現在レガシーエンジンとしての立ち位置にあり、ゲーム開発においては次世代物理演算エンジンへの移行が進んでいる。たとえばUnreal Engine 5ではChaos Physicsがデフォルトエンジンとなり、PhysXは廃止予定。UnityではUnity PhysicsとHavok Physicsの導入が推し進められている状況だ。そうした背景もあり、今回アップデートによって旧式の技術へのサポートを復活させるNVIDIAの対応には注目が集まっている。

GeForce Game Ready 591.44 WHQL ドライバーは、NVIDIAアプリまたは公式サイトで配信中。

Shion Kaneko
Shion Kaneko

夢中になりやすいのはオープンワールドゲーム。主に雪山に生息しています。

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