混沌ガチョウの木育成ゲーム『ティングス・グース』ぐんぐん評価を伸ばす。“理解不能アート”と“赤ちゃん反射お金稼ぎ”が織りなす、シュール本格クリッカー
PlaysaurusとUltraPlayersは12月2日、SweatyChairが手がける『ティングス・グース(Tingus Goose)』をリリース。本作は奇特な世界観などが評価され、さっそく人気を博している。

パブリッシャーのPlaysaurusとUltraPlayersは12月2日、SweatyChairが手がける『ティングス・グース(Tingus Goose)』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)で、ゲーム内は日本語表示に対応している。本作はさっそく多くの好評を集めている。
『ティングス・グース』は、シュールな手描きアートで彩られた放置系クリッカーゲームである。プレイヤーは人間の身体から芽吹いたガチョウの木を育てることになる。木からはティンギと呼ばれる赤ん坊のようなものが生み落とされ、ティンギをブロッサムに反射させてあやすとお金を稼ぐことが可能だ。そのお金を使ってさらに木を育てて、どんどん高収益を上げ、木を途方もない高さにまで伸ばすのだ。

ゲームとしてはその衝撃的な見た目に反し、かなり戦略性のある作りとなっている。ガチョウの木にはさまざまな形状の枝と花(ブロッサム)をつけることができ、その配置によってお金を稼げる効率が変わってくるのだ。生み落とされるティンギをうまくブロッサムにぶつけたり、ティンギ同士で相乗効果を発生させるような配置を試行錯誤することになるだろう。
ゲームはガチョウの木の高さによって17のステージに分けられており、新たなステージに到達すると「カルシウム」を獲得することが可能。これを使えば、地底に広がる根っこのスキルツリーで効果を解放できる。巨大な木を支えるためには、丈夫な根っこが必要不可欠というわけだ。
また、どんどん収益を上げていく放置系ゲームでありながら、時にはランダムなイベントも発生する。お得なバフを獲得できるチャンスもあれば、木の枝を破壊してしまう災難が降り注ぐこともある。もしも破壊されてしまった場合は収益が下がってしまうため、なるべく配置を変更して回避するようにしたい。


そんな本作はリリース直後から多くの好評を集めている。本稿執筆時点でSteamユーザーレビューは約300件あり、そのうち96%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。本作は奇妙なアートスタイルと、どんどん収益を上げていくゲームループが癖になる、夢に出てきそうな中毒性のある作品だ。レビューでは、そんなグラフィックとゲームプレイがともに高く評価されている様子だ。
ちなみに本作には2023年にiOS/Androidでリリースされたモバイル版が存在する。こちらは基本無料プレイが可能だが、広告やゲーム内課金で収益化をおこなっていた。一方Steam版の本作は買い切り型。一度購入すれば没頭し続けられる点も好評につながっているようだ。モバイル版からのファンにとっては、独特なアートをPCの大画面で楽しめることも好意的に受け取られている。

本作を手がけたSweatyChairは、オーストラリアを拠点とするインディーゲームデベロッパーである。過去には先述のモバイル版『Tingus Goose』のほかに、2000万回以上ダウンロードされた全方位弾幕ローグライクアクション『No Humanity』などをリリースしている。本作がSteamでリリースする初のタイトルであり、本作と並行して『No Humanity』の続編にあたる『No Humanity – Internship』もSteam向けに開発中だ。奇異なビジュアルと癖になるゲームという同スタジオの持ち味が、本作でも存分に味わえるだろう。
ちなみに本作のアートを手がけたのは突飛な手描きアニメーションで知られるMaster Tingus氏。同氏のX(旧Twitter)上のとあるポストは、ゆるい見た目のキャラから繰り出される、グロテスクかつ理解困難な内容が話題となり、本稿執筆時点で3万5000件のリポストと1800万回以上のインプレッションを獲得している。こうした理性による理解を拒むかのような世界観で展開される本作は、Master Tingus氏本人が「もはや私を超えている」と評するほどのものとなっている。
『ティングス・グース』はPC(Steam)向けに配信中。現在はリリース記念セールが開催されており、12月9日までの期間限定で定価の15%オフとなる税込748円で購入可能だ。
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