人気STG『アーシオン』開発者、「メガドライブ版カートリッジ」が発売前なのにフリマに出回っていると注意喚起。“海外版と言いつつCERO表記”、怪しすぎる非公式品

エインシャントの古代祐三氏は12月1日、『Earthion（アーシオン）』の“非公式なメガドライブ向けカートリッジ”がフリーマーケットサイトなどで出回っていると注意喚起。メガドライブ向けパッケージ版は2026年に発売予定であり、現時点で転売されている商品はすべて非公式であると呼びかけている。

『アーシオン』は、レトロ2Dシューティングゲームだ。『アクトレイザー』など多数の作品の楽曲を手がけてきた作曲家である、古代祐三氏の率いるエインシャントが開発。PS4/PS5/Xbox Series X|S/Nintendo Switch/PC（Steam）向けダウンロード版が今年7月31日に、Nintendo Switch/PS5向けパッケージ版が10月30日に発売された。

本作の舞台では資源の枯渇と環境の悪化により、半数以上の人類が地球から火星へと移住。そんな中で出現した侵略者に応戦すべく、プレイヤーは地球の環境調査員「小鳥遊アズサ」として最新鋭の宇宙戦闘機YK-IIAを操作し、人類史上最大の徹底抗戦を繰り広げていく。

本作にてプレイヤーは自機を強化しながら敵やボスを撃破し、全8ステージの攻略を目指すことになる。戦いの中ではさまざまな種類の武器が登場。各ステージにはアクション要素も散りばめられており、豪華な演出も用いられている。またメインストーリーの攻略以外に、戦闘力が試せるチャレンジモードも用意されている。懐かしさもありつつ、現代向けに熟練者も初心者も遊びやすいゲームバランスなども高く評価されており、本稿執筆時点でSteamユーザーレビューでは410件中95％が好評とする「非常に好評」ステータスを得ている。

また本作はメガドライブ実機上でのプレイを想定して開発された点も特徴。2026年にメガドライブおよび互換機向けのパッケージ版が発売予定となっている。しかし発売前にもかかわらず、“非公式なメガドライブ版のカートリッジ”が広まっているという。

古代氏は今回、フリーマーケットサイトなどで「アーシオンのメガドライブ版カートリッジ」を名乗る非公式品が出回っていることを報告している。同氏によれば、ROMを抜き出してメガドライブ実機で動作させること自体は技術的に可能だそうで、現在出回っているカートリッジはすべて非公式品とのこと。

実際にメルカリなどのフリーマーケットサイトを見てみると、海外版ソフトであるとしつつ複数の『アーシオン』の“メガドライブ版カートリッジ”が出品されていることを確認できた。なお海外向けにも『アーシオン』のメガドライブ向けパッケージ版は発売前である。出品にはそれぞれカートリッジの写真も掲載されているものの、中には海外版ソフトと説明されているにもかかわらず、なぜかソフトのラベルにCEROレーティングの記載がある出品も見受けられる。公式素材を加工してシール化し、ラベルが自作されているのかもしれない。

そうした点も見るに、先述の古代氏の説明どおり、発売済みのバージョンから抜き出したROMから非公式にメガドライブ版カートリッジが作られて広まっているのだろう。なお本稿執筆時点で確認できる出品は基本的に商品説明に海外版ソフトであると記載されており、自分で作ったわけではなくあくまで海外から購入した商品の“転売”であると主張されているようだ。

なお古代氏は今年8月に海外ユーザーに向けて、Web上に『アーシオン』の海賊版が出回っていることを注意喚起していた。公式なPC向け配信はSteamのみであり、メガドライブ向けにはパッケージ版のみでダウンロード可能なROMの販売予定もないと説明。海賊版ROMはエインシャントのようなインディーチームに深刻な被害を与えるとして、公式な手段で購入するように呼び掛けていた。

今回はそうした海賊版ROMに続いて、『アーシオン』の非公式なメガドライブ版カートリッジまで出現したことが報告されたかたちだ。言うまでもなくそうしたカートリッジを自作して販売する行為は違法。またメガドライブ版カートリッジはそもそも国内外で未発売であり、古代氏の今回の注意喚起を知った上でも“転売”を続けることは違法性を問われうるだろう。現時点での出品はすべて非公式カートリッジであり、購入しないように注意したい。

『Earthion（アーシオン）』はPS4/PS5/Xbox Series X|S/Nintendo Switch/PC（Steam）向けに発売中だ。SUPERDELUXE GAMESからは、Nintendo Switch/PS5向けにパッケージ版が発売済みであり、メガドライブおよび互換機向けにも2026年にパッケージ版がリリース予定。