テンセントの“次世代”3Dモデリングツール「Hunyuan 3D Engine」グローバル提供開始。生成AIで、テキストや画像から瞬時に3Dモデルやワールドを生成可能
Tencentは11月26日、3Dモデリングツール「Hunyuan 3D Engine」をグローバル向けに提供開始した。

Tencent(テンセント)は11月26日、3Dモデリングツール「Hunyuan 3D Engine」をグローバル向けに提供開始した。ユーザーは1日あたり20回の無料生成枠を利用できる。
Hunyuan 3D Engineは、次世代AIを活用した3Dモデリングツールだ。中国を拠点とするIT企業のテンセントが開発する生成AI大規模モデル「Hunyuan 3D」を利用している。
Hunyuan 3Dは2024年11月にオープンソースでいくつかのモデルが提供されて以来、AIモデル共有プラットフォームHugging Faceにてコミュニティダウンロード数が300万を突破しているとのこと。3Dモデル生成の分野で高いシェアを獲得しているようだ。改善を重ねるなかで、オブジェクト向けの高品質なアセット生成に焦点を当てた「Hunyuan 3D 3.0」や、大規模でインタラクティブな環境構築のための「Hunyuan 3D World」など複数のモデルが登場。ゲーム開発やVRコンテンツなどへの利用も見込まれているという。



Hunyuan 3Dでは、自然言語から3Dモデルを生成する「Text-to-3D」、画像を用いた「Image-to-3D」、色・カテゴリ・素材などの属性を用いた「Sketch-to-3D」など、マルチモーダルな入力に対応。また三角メッシュと四角メッシュの両方に対応し、自動でメッシュトポロジーを最適化する「Smart Topology」機能も備えている。さらに、OBJやGLBといったメジャーな3Dフォーマットでの出力に対応するため、Unity、Unreal Engine、Blenderなどのツールとシームレスに統合可能。ユーザーは高品質な3Dアセットを瞬時に生成・利用できるようになり、制作時間の大幅な短縮が見込めるという。
Hunyuan 3D Engineはこれまで中国国内で利用可能なサービスとして展開されていたが、このたび世界で利用できるようになった。なお、今回リリースされたグローバル版では、ユーザーに1日あたり20回の無料生成枠が提供される。一方で、テンセントクラウドからは「Hunyuan 3D Model API」の提供も開始されており、これに接続する企業ユーザーは、200クレジットの無料枠が受け取れるとのこと。
近年では3Dモデルの生成AIサービスもさまざま見られるが、今回のHunyuan 3D Engineは大手テンセントがグローバル展開する新たなサービスとして注目されるところだ。ただ本サービスに限らず、生成AIサービス全般については学習データの権利関係を巡って議論も続いている。「Adobe Firefly」など学習データの出典元を比較的明確にしているサービスもある一方で、現状では詳細が明かされていないサービスも多い。商用利用にあたっては今後の法整備やライセンス条項などにも注意する必要がありそうだ。
Hunyuan 3D Engineはグローバル向けに提供中。テンセントクラウドではHunyuan 3D Model APIも提供されている。




