注目の新作ストラテジー『Heroes of Might and Magic: Olden Era』デモ版なのに「300時間超」など熱中プレイヤー相次ぐ。開発者もビビる

Hooded HorseとUbisoftは10月10日、Unfrozenが手がける『Heroes of Might and Magic: Olden Era』のデモ版をリリースした。本作はターン制のストラテジーゲームとして、そのリプレイ性の高さからすでに数百時間プレイしているユーザーもいるようだ。

パブリッシャーのHooded HorseとUbisoftは10月10日、Unfrozenが手がける『Heroes of Might and Magic: Olden Era(ヒーローズ・オブ・マイト・アンド・マジック:オルデン・エラ)』のデモ版をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)。本作はデモ版でありながら何度でも楽しめるとして注目を集めている。海外メディアGamesRadar+が報じている

『Heroes of Might and Magic: Olden Era』は、ターン制のストラテジーゲームである。舞台となるのは複数の派閥がひしめき合って戦いを繰り広げるファンタジー世界。プレイヤーは好きな派閥を選択して軍を率い、世界の支配を目指す。派閥ごとに特徴的なユニットを使い、施設を建設してユニットを雇用・強化、多彩な戦略を立て敵の軍勢を打ち破るのだ。そんな本作はデモ版の時点で高いリプレイ性があり、デモ版リリースから約1か月半にしてすでに300時間以上プレイしている人も現れているという。

ゲームプレイの中心となるのはヒーローと呼ばれる、軍勢を率いることのできるキャラクターだ。プレイヤーは自分のターンにヒーローを自由に動かすことができる。ただし、ヒーローごとに移動ポイントは限られており、ポイントは移動距離に応じて消費されていく。

ヒーローは大まかに、直接戦闘と魔法攻撃が得意なきく、直接戦闘が得意なMight(強さ)と魔法の行使が得意なMagic(魔法)の2二つのタイプに分けられ、それぞれが異なる成長を遂げる。ヒーローは戦闘で経験を積むとレベルアップ。し、能力値アップに加え、ランダムに選ばれた3つのうちから伸ばしたい1つの能力を選択して成長するする成長システムとなっている。ヒーローそれぞれがデッキ構築ローグライクゲームのような奥深さを持ちながら、それらを複数使って攻略することになり、さらにマップの地形や派閥ごとの特徴まで加わるわけだ。製品版ではヒーローは100人を超える見込みで、それぞれが固有のスキルや呪文を使うことができるという。戦略は数え切れないほどに広がる。

また、六角形のマス目で区切られたマップ上には資源や施設、敵の軍勢などさまざまなものが存在している。ところがマップの大部分は霧に覆われており、ヒーローを移動させて霧を晴らしてからでないと移動できない。施設にはがあり、進軍のペースも大事になるだろう。

敵と遭遇した場合のバトルもターン制で展開される。ヒーローが所持している兵士を配置し、ターンごとにそれぞれ行動する形式だ。なお兵士には人数の概念があり、同じタイプであればスロットを活用し、軍勢をまとめたり分けたりすることも可能。100人の兵士をひとつのスロットにまとめると高い耐久力を持つ反面、行動回数は限られてしまう。一方20人ごと5つのスロットに分ければ行動回数は増えるが、各個撃破される危険も増すというかたちだ。

本作は10月10日にデモ版を公開。ピーク時にはSteam同時接続プレイヤー数が最大2万4000人を超えるなど、大きな注目を集めた(SteamDB)。デモ版公開からの約1か月半で寄せられているSteamユーザーレビューは約4200件、評価はそのうち78%が好評とする「やや好評」ステータスに留まっているが、本作はまだリリース日の公開がされていないデモ版の段階であることに留意したい。

本作のゲームプレイの奥深さはデモ版でもすでに十分味わうことができる。本作のマップはランダム生成で毎回異なるゲームプレイを楽しめるほか、開発チームが用意したマップや、ユーザー作成のマップでもプレイ可能。マップの多様さや派閥のバリエーションによる組み合わせは非常に多く、高いリプレイ性がある。そのため、本稿執筆時点でもプレイ時間が100時間を超えているプレイヤーを複数いるようだ。長いものだと300時間超えのプレイヤーも見受けられる。なお開発元UnfrozenのCEOであるDenis Fedorov氏にGameRader+がインタビューしたところ、同氏も一部プレイヤーのやりこみ度合いには驚いているようだ。

開発を手がけるUnfrozenは過去に『League of Legends』『World of Warcraft』といった人気作の開発に携わったスタッフたちにより2016年に設立されたスタジオだ。Unfrozenとしては、過去にSteamでターン制ローグライクRPG『Iratus: Lord of the Dead』をリリースしており、DLCともども「非常に好評」ステータスを獲得している。実際にターン制ローグライクを手がけた経験が、本作のヒーローの成長の奥深さにも活かされていると思われる。

『Heroes of Might and Magic: Olden Era』はPC(Steam)向けにデモ版を配信中。現在は日本語に対応していないが、ローカライズ作業が進行中であるというメッセージが日本語で表示されるため、日本語表示にも対応予定のようだ。

Naoto Morooka
Naoto Morooka

1000時間まではチュートリアルと言われるようなゲームが大好物。言語学や神話も好きで、ゲームに独自の言語や神話が出てくると小躍りします。

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