遺伝子改造生物アクション『Strange Seed』開発元、売上がめちゃくちゃ良いと喜ぶ。開発資金が底をつく“背水のリリース”で成功おさめる

Chronicle Gamesは11月6日、『Strange Seed』をリリース。本作は生物の進化をモチーフにしたアクションゲームとして好調スタートを記録。その裏には“開発資金の不足”など、波乱万丈があったようだ。

デベロッパーのChronicle Gamesは11月6日、『Strange Seed』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)で、ゲーム内は日本語表示に対応する。本作の開発チームによると、2週間で1万本を売り上げたとのこと。あわせてRedditでは本作の歩みも語られている。

『Strange Seed』は生物の進化をモチーフとした3Dアクションアドベンチャーゲームだ。舞台となるのは、ニューヘイブンと呼ばれる島々。かつて遺伝子実験がおこなわれていたというその地には、奇妙な生きものたちが生息している。プレイヤーはスライムとしてニューヘイブンを探検し、いろいろな動物のパーツを集めて“進化”していく。

プレイヤーであるスライムは、生物を倒して食べることでDNAを獲得可能。巣に戻れば手に入れたDNAを活かし、各部位を別の生物のものに置換できる。たとえば翼を生やすことで空を飛ぶことができ、蛇の頭部を持てば暗所での活動もより簡単になるだろう。そうして島を探索していく。なお進化できる部位はさまざま存在し、1000万を超える組み合わせがあると謳われている。

本作は2024年9月10日に発表。そして2025年11月6日にSteam向けに発売された。多種多様な生物のパーツを集めていくゲームプレイの中では、プレイヤーの思い通りのキメラに進化することも可能。自由にパーツを組み替えられる自由度の高さなどが高く評価され、現在Steamユーザーレビューでは154件中83%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。

今回Redditにて、Chronicle GamesのメンバーのひとりであるRedditユーザーtelchior氏が本作についてのスレッドを建てている。スレッドでは本作が2週間で1万本を売り上げたことが伝えられており、大ヒットとは言えないものの好調模様であるとのことだ。

またtelchior氏からはリリースまでの経緯が語られ、決して順風満帆とはいかなかったことも明かされている。2023年の開発初期段階では、生物を進化させるゲームプレイは決まっており、制作も進められていたものの、Steamのさまざまなフェスに応募したところ全滅。telchior氏は環境アーティストがおらず、ゲームのビジュアル面のクオリティが追い付いていなかったと振り返っている。

一方でSteamプレイテストを実施したことは『Strange Seed』のプロジェクトにおいて最良の選択だったと述べている。300人程度のテスターから意見が寄せられ、フィードバックを受けた改善をひたすら繰り返したのだという。

そうして開発が続けられていた本作ながら、開発資金が底をつき、とうとうリリースを決断せねばならない時期が近付き、現地時間11月5日に設定せざるを得なくなったようだ。また11月には人気タイトルのリリースが集中することもあり、売れ行きには懸念が寄せられていた。しかし当初20ドルを想定していたゲーム価格を15ドル(日本価格では1700円)に下げたことや、リリース直後の不具合修正パッチなどの迅速な対応で高い評価を獲得。紆余曲折ありつつも、Chronicle Gamesとして本作はかなり好調なスタートを切ったようだ。

『Strange Seed』はPC(Steam)向けに配信中だ。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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