『Overwatch』の最新Webコミックが公開。ホリデーシーズンの温かい物語と共に、トレーサーが同性愛者であることが判明

Blizzard Entertainmentは、ホリデーシーズンをテーマにした『Overwatch』の最新Webコミック「Reflections」を公開し、同作のキャラクター「トレーサー」が同性愛者(ゲイ)であることを明らかにした。

Blizzard Entertainmentは、ホリデーシーズンをテーマにした『Overwatch』の最新Webコミック「Reflections」を公開し、同作のキャラクター「トレーサー」が同性愛者(ゲイ)であることを明らかにした。Blizzardは先日のBlizzCon 2016にて、Kotakuを通じてLGBTキャラクターが近日公表されることを示唆していたが、その答えが今回コミック上で判明した流れとなる。

Webコミック「Reflections」では、トレーサーがホリデーシーズン用のプレゼントを探し求めて町中を走り回る様子が描かれている。結局プレゼントは見つけられなかったものの、道中で助けた人たちからお礼をもらい、それが結果的に意中の相手であるエミリーへの贈り物になる。トレーサーは最後にエミリーとキスを交わす。

Blizzardは海外メディアKotakuにメッセージを送り、「実際の人生のように、我々のキャラクターは多様性に富んでおり、彼らのアイデンティティや背景は、より豊かで深い架空の世界観を創り出す手助けとなっています」とコメントした。トレーサーが同性愛者であるという一面は、彼女のストーリーに取り組んだかなり初期の段階から考えられていたという。当たり前だが、単純な後づけで興味をひこうといった話ではないわけだ。

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『Mass Effect』や『Dragon Age』などのBioWare製RPGや、その描写が問題視されたものの同性婚を可能にした『ファイアーエムブレム if』など、近年の作品で同性愛の表現が取り入れられる例は少なくない(参考記事)。とはいえ、正式発表時のトレイラーから主役格の1人として描かれているキャラクターが同性愛者である、という例はめずらしいと言えるだろう。

ビデオゲームにおいて性的マイノリティ(LGBT)が大きく描写され始めたのはここ数年のことに過ぎず、ゆえに海外では今回のニュースがインターネット上を大きくざわつかせている。いずれの記事もFacebookでは大量にシェアされ、前述のKotakuでは緊急の対談企画を実施しているほどだ(単純にトレーサーが人気キャラクターであるがゆえに、というのももちろんあるだろう)。

落ち着いて考えたいのは、今回の一件が作品性を無視してまですべての作品にLGBTの描写を盛り込むべきだという結論を生んでいるのではなく、こういったトリプルA級のタイトルが多様な表現を含み、プレイヤーたちにその選択肢を認識させることは意義があるという点だ。Blizzardは全世界1000万人の登録プレイヤーに向け、異性と愛し合ったり家族と過ごすヒーローたちの描写と共に、同性愛という1つの生き方を示している。

ホリデーシーズンを過ごすヒーローたち
ホリデーシーズンを過ごすヒーローたち
Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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