ローグライク都市建設オートバトラー『There Are No Orcs』人気上昇中。ドット絵ちびキャラがひしめき合って戦う、ほのぼの戦略ゲーム

パブリッシャーのGamirror Gamesは11月6日、ローグライクオートバトラー『There Are No Orcs』をリリースした。対応プラットフォームはPC（Steam）。本作はさっそく多くの好評を集めている。

『There Are No Orcs』は、都市建設とランダム強化の要素を備えたオートバトラーゲームである。プレイヤーは軍勢を強化し、敵の本拠地を破壊することを目指すことになる。キャラクターは大きく「人間」「悪魔」「ドワーフ」の3つの種族に分かれており、それぞれの種族で異なる兵士や建物を運用できる。また、任意のタイミングで使えるアクティブスキルや、パッシブ能力、4種の専用の建造物は、全30名いる司令官ごとに異なっている。ゲーム進行に伴い、ランダムな効果の強化を3つのうちから選択する成長システムもあるため、プレイするたびに違った戦略を楽しめるだろう。

なお、本作は日本語には対応していないが、読む必要があるのは施設の性能や強化の内容などの一部のテキストに限られている。よく使う単語を少し把握するだけで、それほど大きな支障なく遊ぶことができるだろう。

司令官となるキャラクターの選択や装備といった準備をおこなったら、ステージを選択してゲームを開始することになる。マップの景色はさまざまだが、どのステージでも自陣が左側、敵陣が右側だ。自陣はマス目で区切られており、1マスごとに施設を設置することができる。

施設はEconomy（経済）、Culture（文化）、Military（軍事）というカテゴリに分かれており、多くは時間経過に従ってお金や兵士を生産してくれる効果を持つ。隣り合う施設によって生産効率が変化するものも多いため、能力を最大限発揮させるにはうまく配置しなければならない。たとえばBarn（納屋）という施設は、隣接する経済・文化カテゴリの施設がお金を稼いだときの効果をアップさせるという効果を持つ。一定時間ごとにお金を稼ぐ経済カテゴリのFarmland（農地）を納屋の隣に置けば、バラバラに配置するよりも効率的にお金を稼ぎ出せるといった具合だ。

軍事カテゴリの施設は自動で兵士を生産し、生み出された兵士は自動で敵陣へ向かって進軍する。ただし、敵もどんどん軍勢を送り込んでくる。どちらの勢いが勝るか、しばらくはせめぎ合いの状態が続くだろう。司令官は任意のタイミングでアクティブスキルを使用できる。一定範囲内に大ダメージを与えるなど効果は絶大だが、使用に際してはかなり長い時間を待たなければならない。ここぞという場面で使用すると良いだろう。

マップの各所に存在する敵の拠点を攻め落とすごとに、ランダムな強化効果3つの中から1つを選択できる宝箱が手に入る。設置した施設と相乗効果のあるものを選択すれば、軍勢を大幅に強化できる。最終的にマップ右端にある敵の本拠地を破壊すれば勝利で、新たな司令官キャラクターのアンロックや、装備アイテムの獲得などの報酬が得られる仕組みだ。

そんな本作はリリースされてさっそく多くの好評を集めている。本稿執筆時点でSteamユーザーレビューは約130件で、そのうち93％が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。また最大同時接続プレイヤー数は右肩上がりで上昇し、11月7日には1500人に到達している（SteamDB）。

本作は生み出された大量の兵士たちが戦っている様子を眺めるだけでも楽しめるが、施設の配置やランダム強化の組み合わせ、司令官ごとの強みの違いといった、多種多様な戦略を試すことができる。ついつい長時間プレイしてしまうような作品だ。レビューではそうした戦略の多彩さが高く評価される一方で、ドット絵とBGMのかわいらしい雰囲気も好評だ。

本作を手がけるBaseTrade Studioについては、ほとんど情報が公開されていない。過去のSteamストアページ上のアップデート告知や、本作専用のDiscordサーバー内の告知からは、個人開発であることがうかがえる。本作が同スタジオがSteamでリリースする初の作品だが、「圧倒的に好評」ステータスを獲得しているデッキ構築ローグライクゲーム『DICEOMANCER』や、「非常に好評」ステータスを獲得している『shapez 2』などのパブリッシングをおこなってきたGamirror Gamesがパブリッシングを担当している。戦略性や自動化要素のあるゲームとしては、お墨付きというわけだ。

『There Are No Orcs』はPC（Steam）向けに配信中。現在はリリース記念セールが開催されており、11月20日までの期間限定で定価の20％オフとなる税込800円で購入可能だ。