Steam審査で“お尻がセクシーすぎる”と却下されたホラーゲーム開発者、一転して「承認された」と報告。いうほどアダルトではないと再判定

Steamの審査に落ちたというホラーゲーム『Aftermath Z: Red Pine Lake』が、一転して承認を受けることになったという。

Steamの審査に落ちたというホラーゲーム『Aftermath Z: Red Pine Lake』の開発元Sakura Studiosは11月6日、特にゲーム内容やストア用の画像などを変更することなく同作のSteamストアページを開設できる見込みであることを報告した。当初“アダルト向け”であるとして却下されたストア・ライブラリ用の画像素材が、一転して問題ないと判断されたことをサポート担当者から伝えられたという。

『Aftermath Z: Red Pine Lake』は、マルチプレイ型のホラーゲームだ。1980年代の避暑地のキャンプ場を舞台にしているそうで、プレイヤーのうち1人は殺人鬼となり、残りのプレイヤーはキャンプ場のカウンセラー(スタッフ)として生き残りを目指す。レトロなシンセサイザー系のサウンドトラックなども持ち味になるそうで、1980年代のスラッシャー映画の懐かしくも恐ろしい雰囲気の再現を掲げる作品だ。

本作は今年7月に発表され、同月にはSteamストアページの開設を目指して準備が進められていることも伝えられていた。ところが10月29日になってSakura StudiosはValveにSteamストアページの開設を承認されなかったことを発表。ストア上などで表示されるカプセル画像(バナー画像)、およびライブラリ上で表示される画像として、本作のキービジュアルが用いられていたことが原因になったと説明されていた。キービジュアルには水着の女性の後ろ姿が描かれており、Sakura StudiosがSteamのサポート担当者とのやり取りを示した画像を見るに、臀部が性的であると判断されたことが原因だったようだ(関連記事)。

とはいえSteamストア上には本作よりもさらにセクシャルな、露骨な表現を含むカプセル画像の作品も一部見受けられる。Sakura Studiosもそうした作品の存在を挙げてサポート担当者に抗議していたそうだ。

そうしたなかでSakura Studiosは先日、Steamのサポート担当者の変更を申し出たと報告。そして今回、問題となっていた画像素材が、ガイドラインに基づく成人向けの基準ではないと担当者から判断されたことが伝えられ、審査が承認されたことを伝えられたという。つまり水着の女性の後ろ姿が描かれた本作のキービジュアルは、カプセル画像やライブラリ用画像として問題なく利用できると判断されたわけだろう。なお手続き上ストアページ開設までは最長で5日間要する可能性があるとのこと。

なお、Steamにおけるカプセル画像やライブラリ上で表示される画像には、映画でいうPG-13相当の基準が設けられているとされる(Steamworksドキュメント)。ストアなどで幅広いユーザーが目にすることもあり、過度に暴力的、あるいは性的な表現などを含む画像は認められていないわけだろう。とはいえ明確な基準があるわけではなく、審査を通して問題があると判断された場合に個別に変更が指定されている状況があるようだ。

Steamでは今年7月、開発者向けの規約が改訂され成人向け(アダルトオンリー)区分のゲームの規制が強化(関連記事)。さらに昨今では成人向け作品に限らず、撮影恋愛シム『LoveR Kiss Endless Memories』や“架空の脱衣麻雀ゲーム”が題材のホラーゲーム『H9』など、Steamにて配信予定かつストアページも公開済みであった作品の配信中止も相次いでいる。

そのため今回の『Aftermath Z: Red Pine Lake』の当初の審査落ちから、カプセル画像・ライブラリ用画像においても審査基準が厳しくなっているのではないか、といった推測も広がり注目を集めていた。一方でSakura Studiosの報告によれば担当者が交代した結果無事に審査を通過したようで、あくまで本作のカプセル画像は基準を満たす程度の表現であると判断された様子だ。

ちなみに同スタジオはサポートに対して、以前の担当者が告げた「女性の臀部に焦点を置いた画像では、どんな服装であっても本質的に性的と見なされる」といった返答についても、Steamでの基準として採用されているのかどうかを確認しているとのこと。事前に明確な基準が示されないことも今回のトラブルの一因とみられ、そうした質問への回答は注目されるところかもしれない。

Aftermath Z: Red Pine Lake』はPC(Steam)向けに開発中だ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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