Steamにて「怪しいチャット」への警告表示システム実装、まずはベータ向けに。相次ぐ“プレイテスト詐欺”などの悪質フィッシング詐欺対策か

Valveは10月30日、Steamクライアントベータ向けにアップデートを実施した。アップデートでは怪しいチャットに対して警告を表示させ、警告が表示されている間は貼り付けられたリンクが無効になる措置が取られるという。

Valveは10月30日、Steamクライアントベータ向けにアップデートを実施。各所に調整が加えられている。なかでもSteam内でのチャットにおいて、悪意のある可能性の存在するメッセージにおいては、警告が表示されるようになったようだ。

Steamクライアントベータは、Steamのクライアント向けに正式リリースされる前の機能などを先んじて体験できるシステムだ。Steamユーザーであれば誰でも任意で参加することが可能で、Steamの設定より「インターフェイス」を選択し、「クライアントベータへの参加」から「Steam Beta Update」を選び、再起動することでベータ向けの機能が利用可能だ。

今回Steamクライアントベータに向けて、各種アップデートが実施。ゲームレコーディングやRemote Play Togetherにおけるバグ修正がおこなわれている。そのほかにも、Steam内でのチャットにおいて、不審なメッセージを受信した場合に、チャットウィンドウの上部に警告が表示されるようになったとのこと。またこの警告が表示されている間は、チャット内のリンクは無効になり、クリックできなくなるようだ。

Steamでは以前より、チャット/ダイレクトメッセージでの連絡を悪用した詐欺などが横行していた。手法としては、攻撃者はプレイテストを騙りユーザーに「プレイテストに当選した」とのダイレクトメッセージを送信。メッセージにはリンクが添付されており、リンクを踏んでしまうとアカウントがハックされる、といったものだ。これまでには『サブノーティカ2』や、そもそもネットワークテストをSteamで実施していなかった『エルデンリング ナイトレイン』など、さまざまなゲームタイトルのプレイテストの当選連絡を騙った、攻撃者による詐欺が見られていた(関連記事)。

今回のベータ向けアップデートで実装された“怪しいメッセージ”の警告表示は、そうしたダイレクトメッセージなどでの詐欺被害が報告されていることも背景にあると思われる。なお今回はベータ向けのアップデートであるため、Steamクライアントへの実装はまた後日となるだろう。

ちなみにSteamでは「Steamガード」としてモバイルアプリによる二段階認証を設定することが可能だ。こちらを登録しておけば、ハッキングの脅威からより身を守りやすくなるかもしれない。とはいえ一番重要なのは、そもそも怪しいリンクを踏まないことだ。たとえばプレイテストであればまず公式情報を確認したりするなど、安易にリンクをクリックしないようにしたい。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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