Steamにて“破格の680円”で発売された鳥ゲーム『トリと木の実』開発者、売上が想定よりかなり少ないと悲鳴。11月から苦渋の値上げへ
インフィニットクリエイト氏は10月22日、同氏が手がける『トリと木の実』について、11月1日より値上げすると発表。680円だったところ、1280円での販売となる。

個人ゲーム開発者のインフィニットクリエイト氏は10月22日、同氏が手がける『トリと木の実』について、11月1日より値上げすると発表した。680円から1280円への値上げとなる。本作はPC(Steam)向けにリリースされている。
『トリと木の実』は、鳥の落とす木の実を揃えて消す落ちものアクションパズルゲームだ。プレイヤーは鳥を左右に動かし、所持する木の実を上から落としていく。鳥は種類によってそれぞれ木の実を落とす力やスピードに差がある。本作ではセキセイインコやハト、アヒル、スズメをはじめとした、計104種の鳥が登場する。
ゲームプレイでは、大きさの異なる複数種類の木の実が登場し、同じ種類の木の実を3つ以上揃えると消すことができる。ステージごとには消す木の実の目標数が定められており、木の実の残数が尽きる前に指定された個数の木の実を消すとクリアとなる。

ところがステージが進行すると、木の実を揃えている最中に鳥が邪魔をしてくるようになる。さらに10ステージごとにボス鳥が登場し、木の実を吹き飛ばしてしまうといった強力な妨害もおこなわれる。そうした妨害にも屈せずに、木の実を集め消していくのだ。
本作はインフィニットクリエイト氏によって少なくとも2024年7月頃から開発が進められていたようだ。同氏は鳥を題材とする3Dゲームが少ないので本作を開発することを決意したそうで、シンプルなゲームプレイでパズルが展開されるため、鳥の3Dモデルの精巧さや細かな動きをじっくり観察できる点などが高く評価されているタイトルだ。
そんな『トリと木の実』について、インフィニットクリエイト氏が10月27日にX上で値上げの告知をおこなった。11月1日より、これまでの通常価格税込680円から、1280円に値上げされる。
インフィニットクリエイト氏いわく、もともと本作の680円という価格は「超サービス価格」ともいえる設定で、周囲からは「安すぎる」との指摘もあったと振り返っている。とはいえ、発売前には鳥の制作依頼の声が多く寄せられていたため、680円でも問題ない売上になると考えていたそうだ。しかし同氏によれば、当初の予想よりかなり少ない売上となったため、クリエイターとして活動を続けていくための値上げに踏み切ったとのこと。
なお同氏はNintendo Switch版の要望が寄せられていることにも言及。Steam版であともう少し売上があれば目標としていた最低ラインに届くため、移植作業に挑戦するという。初の試みであり成功の確証はないものの、もし発売できれば1980円にする予定だそうだ。
悩み抜いたうえで680円という破格の価格設定で発売された『トリと木の実』。しかし当初の売上想定をかなり下回る状況を受け苦渋の決断として値上げされるようで、Steamにおいて発売前に売上本数を予測する難しさもうかがえる。なおSteam版は1280円に値上げ以降、価格を変更する予定はないとのこと。今後の売上次第で先述したNintendo Switch版移植のほか、ファンの拡大が実現すれば次回作が開発される可能性も示唆されている。
『トリと木の実』はPC(Steam)向けに配信中。現在は680円で購入可能だが、11月1日より1280円での販売となる。




