崩壊世界サバイバル・サンドボックス『VEIN』早期アクセス開始直後から好評博す。“工夫次第”で何でも使える、ゾンビ大量限界サバイバル生活

デベロッパーのRamjet Studiosは10月25日、サバイバルサンドボックスゲーム『VEIN』の早期アクセス配信を開始した。対応プラットフォームはPC（Steam）。本作はさっそく多くの好評を集めている。

『VEIN』は、ゾンビがはびこる文明崩壊後の世界で生き抜くオープンワールドのサンドボックスゲームである。プレイヤーは数少ない生存者として、物資を集め、拠点を築き、生き延びることを目指す。プレイヤーの能力値やステータス、アイテムの種類や使い道など、システムのさまざまな部分が非常に詳細かつ複雑なものとなっているのが本作の特徴だ。落ちている新聞紙やトイレの詰まりを直すラバーカップなど、ありとあらゆるものを活用できるサバイバル生活を味わえるだろう。

ゲームプレイでは物資や食料品などを集めて生き延びるのが目的となる。打ち捨てられている家屋や施設の中で、棚やガラクタの山などを漁れば、さまざまなものを入手できるだろう。アイテムは食料品、衣服やバックパックといった装備品のほか、調理器具としても武器としても使えるフライパンなど、複数の用途に使えるものもある。時には腐りきった食料品や新聞紙、トイレ掃除のブラシなど、一見すると役立てるのが難しそうなアイテムも手に入る。しかし新聞紙は窓に貼り付けてゾンビの視線を遮ることができ、先述のラバーカップやトイレ掃除のブラシは武器として振り回すことができる。工夫次第で、どんなアイテムにも使い道を見出せるわけだ。

キャラクターの能力も多彩なものとなっている。運動能力や料理、アイテムをクラフトするといった能力はもちろんのこと、農業の知識や機械の知識、物資漁りの能力など、非常に細かく設定されている。これらの能力は使えば使うほど成長していき、運動能力についてはその場でエクササイズして鍛えるといったことも可能だ。鍛えたい能力に応じてエクササイズの種類も複数存在している。

また、キャラクターが持つステータスも豊富で、怪我や満腹度といったもの以外にも、ストレスや身体の濡れ具合、汚さなど数多い。キャラクターを作成する際には個性を設定することもでき、特定の食品から悪影響を受けるピーナッツアレルギーなどが存在。ほかにも動物を傷つけたり食べたりすることがストレスになるヴィーガン、定期的にインスリン投与が必要となる糖尿病といった、さまざまな種類の“個性”が登場する。なかにはゲーム進行にあたってデメリットしかないものも多く見られるが、ロールプレイや縛りプレイとして設定するのも楽しみ方のひとつだ。

なお本作はマルチプレイにも対応し、協力プレイも楽しめる。さらには天候・季節の変化や、視覚・聴覚だけでなくにおいまで察知して襲いかかってくる敵、建築要素など、多様な要素が実装されている。

そんな本作は早期アクセス配信を開始してさっそく多くの好評を集めている。本稿執筆時点でSteamユーザーレビューは約200件、そのうち91％が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。レビューでは本作の詳細で複雑なシステムを『Project Zomboid』になぞらえる意見も多く見られ、同作の3D版と表現しているプレイヤーも多い。ややとっつきにくさはあるものの、プレイヤーの多くはそんな複雑さを楽しんでいる様子だ。早期アクセス期間を通じてさらに要素が充実していくことに期待する声も多い。

本作を手がけるRamjet Studiosは、カナダを拠点とするインディーゲームデベロッパーである。ゲームデザイナーのAzi氏とプログラマーのKyle Windsor氏の2名で2022年から本作を開発してきたとのことで、本作がSteamでリリースする初めての作品となるようだ。早期アクセス配信に至るまでにも専用のDiscordサーバーを通じてユーザーからのフィードバックを広く受け付けながら、多くのアップデートを重ねてきたことがうかがえる。実装予定の要素がまとめられたロードマップでは、優先度順にさまざまなコンテンツがまとめられており、改善や要素追加に積極的な開発姿勢も、多くの好評レビューにつながっているのかもしれない。

なお、本作は本稿執筆時点で日本語表示に対応していないものの、ロードマップでは、将来的に「できる限り多くの言語に対応する予定」と記載されている。加えてストアページには「ウィッシュリストの数に基づいて翻訳を優先する予定です」との記述が確認できる。公式の日本語対応が早まる可能性もあるだろう。

『VEIN』はPC（Steam）向けに早期アクセス配信中。現在はリリース記念セールが開催されており、11月3日までの期間限定で定価の10％オフとなる税込2070円で購入可能だ。