スーパーヒーロー「派遣」ゲーム『Dispatch』すぐさま大盛況でヒット模様。元Telltale Gamesのチームが携わる、ヒーローの“裏方”をこなす再起物語
AdHoc Studioは10月22日、『Dispatch』をリリース。本作はリリースからさっそく高評価を獲得している。

デベロッパーのAdHoc Studioは10月22日、『Dispatch』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)/PS5。本作は記事執筆時点で「非常に好評」ステータスを獲得しているほか、Steamではピークの同時接続プレイヤー数が1万2000人を超える盛況を博している。
『Dispatch』は、スーパーヒーローを管理するストラテジーゲームだ。主人公は元スーパーヒーローの「ロバート・ロバートソン」。彼は「メカマン」としてヒーロー活動をしていたが、宿敵との戦闘でスーツを破壊されてしまい、なぜかスーパーヒーローの派遣会社で派遣担当として働くこととなる。元スーパーヴィランをヒーローとして更生させたり、オフィス内の人間関係もうまく管理しながら、スーツを造り直すために働くこととなる。

プレイヤーはロバートとなり、町中で起きているトラブルに対応するため、適切なヒーローを派遣しなければならない。各ヒーローには能力のパラメータがあり、事件に対応したパラメータのヒーローを派遣するのだ。各事件への選択はチームや街に長期的な影響を与えるため、注意して進めるのが良いだろう。
また、各ヒーローには能力の長短だけでなく、それぞれの個性や欠点、隠された過去が存在する。彼らのスキルをアップグレードしたり、能力を解放して、現場での活躍をサポートしていくのだ。
そして、ストーリー中には多くの選択肢が存在。プレイヤーが下す選択が、物語の展開に重要な影響を及ぼす。先述した事件への対処方法や、ヒーローたちとの関係性によって、物語の進む道が変わっていくのだという。

なお本作のユニークな特徴としては、週ごとにアップデートとして、エピソード形式でストーリーが更新される点が挙げられる。エピソードは全8話構成となり、リリース時には第2話までがプレイ可能。そして1週間ごとに2話ずつエピソードが配信され、第4週にてクライマックスを迎える。連続ドラマのように、週ごとに手に汗握る展開を体験することができるかもしれない。
そんな本作は本稿執筆時点で約2000件のユーザーレビューが寄せられ、そのうち85%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。SteamDBによれば、発売後のピーク同時接続プレイヤー数が1万2000人を超えるなど、発売直後から多くのプレイヤーが集っている様子がうかがえる。

本作はやはりそのストーリーが好評。本作の開発はAdHoc Studioが担当。同スタジオにはこれまでDCコミックの「Fables」を原作とした高評価ADV『The Wolf Among Us』や、『ボーダーランズ』シリーズのスピンオフエピソードを描いた『Tales from the Borderlands』などを開発した元Telltale Gamesのチームが在籍している。そうした過去作におけるストーリーテリングのクオリティの高さが本作でも発揮されている。そのほか、プレイヤー自身の選択肢によって物語が変化していくインタラクティブなゲームプレイは多くのユーザーに支持されている。
また、声優陣のキャスティングも好評。『ブレイキング・バッド』に出演したアーロン・ポール氏や、『THE BATMAN-ザ・バットマン-』へ出演したジェフリー・ライト氏など、豪華俳優陣が声優を務めている。彼らの演技の深みも本作への没入感を深める重要なスパイスとして評価されているようだ。

一方で、エピソード形式のストーリー配信は評価が分かれているところ。続きが待ち切れないといった“嬉しい悲鳴”のようなポジティブな反応もあるものの、一気に結末を見たくても、ゲームプレイを中断して1週間待たなければならない、といった状況にやきもきするプレイヤーも散見される。
また、ストーリーがエピソード形式になっているがために、ストラテジーゲームとしてのミッションはあらかじめ設定されたものに限定されている。あくまでストーリー主体のゲームとはいえ、ストラテジー部分の内容については、物足りなさを覚えるプレイヤーもいるようだ。
とはいえ、本作のストーリーはまだ始まったばかり。来週には早速第3~4話のエピソードが更新される予定で、物語もさらに大きく動き出すことだろう。ストーリーが展開される中ではさまざまなミッションも登場すると思われ、今後の動向には注目されるところだ。