『マインクラフト』の“公式影Mod”バイブラントビジュアルズ、Java版の開発状況が細かく明かされる。大規模なコード書き換えで描画の仕組みごと刷新中
Mojang Studiosは10月22日、『マインクラフト』のJava版向けの「バイブラントビジュアルズ」実装に向けた進捗を共有した。

Mojang Studiosは10月22日、『マインクラフト』のJava版向けの「バイブラントビジュアルズ(Vibrant Visuals)」実装に向けた進捗を共有した。同機能をJava版で使えるようにするには、さまざまな困難が伴うようだ。
『マインクラフト(Minecraft)』は破壊と創造に満ちたサンドボックスゲームだ。舞台となるのは、あたり一面が3Dブロックで構成された四角い世界。プレイヤーは手に入れた素材でさまざまなアイテムをクラフトしながらサバイバル。地形を掘ったり建築をしたりと、自由に冒険を繰り広げていく。プラットフォームに応じて2つのエディションが展開されており、PC向けの「Java版」とコンソールやスマートフォンでもプレイ可能な「Bedrock版(統合版)」が存在する。

10月22日にMojang Studiosが公開した記事では、本作の“公式影Mod”こと「バイブラントビジュアルズ」についての開発の進捗が紹介された。バイブラントビジュアルズは今年6月に配信されたゲームドロップ「チェイス・ザ・スカイ」において、Bedrock版に向けて正式実装されたグラフィックオプションで、ユーザーはModによるシェーダーの導入といった複雑な手順を踏むことなく、美しい光と影の表現をゲーム内で体験できるようになった。まずはBedrock版で先行して実装し、将来的にはJava版向けにも実装することが発表されていた。
Mojang Studiosによれば、本作Java版では現在、ゲームの描画を担うコードのモダン化を目指しているのだという。現状ではゲームの処理をすべてメインスレッドでまとめて処理しているのに対して、描画専用のスレッドを導入することを検討中で、処理を分離するために現在コードを精査しているとのこと。すでにモブ、ブロック、パーティクル、UIなどの要素についてはそうした作業が完了しており、今後は残りの細かな要素について取り組んでいくとしている。

そんな順調さをアピールしつつも、Mojang StudiosはMod制作者への影響を懸念しているのだという。Java版のシステムは2009年のアルファ版から16年にもわたって積み重ねられてきており、描画の仕組みを作り変えるには大規模なコードの書き換えが必要に。そのままでは大半のModが正常に動作しなくなる可能性も考えられる。そのため、Mojang Studiosはリソースパックやシェーダーパックの制作者からのフィードバックを受けることにしたそうだ。公式が運営をおこなっているDiscordサーバー「MINECRAFT FEEDBACK」に本件に関する専用チャンネルを設置して、開発陣とMod制作者との間で議論を進めていく方針を明らかにした。
バイブラントビジュアルズの登場によって、ユーザーは簡単に美しいグラフィックを楽しめるようになった。同機能はすでにPCのみならずPlayStationやXboxなどのコンソール機でも利用可能で、設定次第ではデバイスへの負荷が小さい点も評価を受けている。しかしJava版への実装には困難も伴うようで、開発者たちへの負担もただならぬものとなる可能性が囁かれているが、本作にとって価値の高い大きな転換点となることが期待される。今後の開発の行方に注目したい。
『マインクラフト』Bedrock版はPC/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch/iOS/Androidなどに向けて配信中。Java版はPC向けに配信中だ。