オープンワールドレースゲーム『ザ クルー2』を“オフラインでも遊べる”モード、とうとう正式実装。紆余曲折の末に
『ザ クルー2』に向けて、部分的にオフラインでのゲームプレイが可能となる「ハイブリッドモード」が正式実装された。

Ubisoftは10月17日、『ザ クルー』シリーズの最新情報を発表する番組「ザ クルーShowcase2025」を配信。あわせて『ザ クルー2』に向けて、部分的にオフラインでのゲームプレイが可能となる「ハイブリッドモード」が正式実装された。
『ザ クルー(The Crew)』シリーズは、2014年よりUbisoftが展開しているオープンワールドレーシングゲーム。オープンワールドの広大なマップにて、さまざまなレースミッションやオンライン対戦を楽しめる。アメリカ全土を舞台にした『ザ クルー』とその続編『ザ クルー2』に加えて、ハワイのオアフ島を舞台にした最新作『ザ クルー:モーターフェス』がリリースされている。

2024年3月、サーバーインフラの維持やライセンス契約の問題を理由に、第1作『ザ クルー』のゲームサービスが終了。これにより、ゲームを購入したユーザーが同作をプレイできなくなったとして批判を浴びた。これをきっかけとして、ゲームをサービス終了後も遊べるようにすることを業界に求める「Stop Killing Games」という署名運動へと発展していた(関連記事)。
そうした状況のなかで、『ザ クルー2』では今年4月から、部分的にオフライン環境でのプレイを実現する取り組みがテストされていた。そして本日、アップデートを通して「ハイブリッドモード」が正式実装された。このモードでは、マルチプレイやグローバルランキング機能など、インターネット接続を前提とする機能については利用することができない。プレイヤーはオンラインでのセーブデータをPCやコンソールにローカル保存することで、オンラインモードでの進行状況を引き継ぐことができる。ハイブリッドモードに関する詳細については公式サイトも確認されたい。
なおUbisoftは「ザ クルーShowcase2025」の中で、2026年3月から開始される『ザ クルー:モーターフェス』のSeason 9およびYEAR 3の詳細についても明かしている。『ザ クルー:モーターフェス』では当分はライブサービスのサポートに注力しつつ、将来的にハイブリッドモードを実装する姿勢を示している。

なおゲームサービスがすでに終了となっている『ザ クルー』については、Ubisoftが新たにオフラインプレイ用の機能を実装する動きは見られない。しかし、今年9月には有志による非公式プロジェクト「The Crew Unlimited」が公開され、同作Steam版でオフラインモードが利用できるように。今後はコンソール版への対応やオンラインモードの実装も目指しているという(関連記事)。あくまでも非公式の活動である点には留意されたいが、こうしたユーザーの取り組みによって、『ザ クルー2』などのハイブリッドモード実装が間接的に推し進められた可能性はあるだろう。
将来のサービス終了後にも作品を残すという意義が、先述した署名運動などを通して浸透するなかで、ライブサービスが展開されるタイトルにとっては、オフラインでプレイ可能なシステムの実装も容易なことではないようだ。『ザ クルー2』では、ハイブリッドモードというかたちでの解決が目指された格好だ。今後ユーザーにこうした仕組みがどのように受け入れられていくのかは注目される。
『ザ クルー2』はPC(Steam/Epic Gamesストア/Ubisoft Connect)/PS4/Xbox One向けに発売中。『ザ クルー:モーターフェス』はPC(Steam/Epic Gamesストア/Ubisoft Connect)/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに販売中だ。またそれぞれサブスクリプションサービスUbisoft+向けにも提供されている。