「東京ゲームショウで無料でゲーミングPCを貸しまくっていますが宣伝効果はありますか」マウスコンピューター担当者に訊いた。コストをかけても効果があると感じる理由

東京ゲームショウ2025にて大規模出展をおこないつつ、例年どおり無料のゲーミングPC貸出も続けているマウスコンピューターの担当者に、コストをかける理由を訊いた。

マウスコンピューターは9月25日、「東京ゲームショウ2025」へ出展した。本イベントでは大規模なブースを出展。ブースではマウスコンピューターのPCで各社のゲームを体験できるほか、ブース内のステージでさまざまなイベントを開催した。

マウスコンピューターはこれまではメーカー向けにPCを貸し出すといった動きをしていた。貸し出したPCは高価でかつ、リサイクル行きとなり、貸し出す側の負担は大きい。それでも見返りはあるとしてPCの貸出をしていた(関連記事)。自分たちで大規模出展している今回はさすがに控えめだろう。ということで、マウスコンピューターの第二営業本部販売促進室でセールスプロモーションを担当している桑園勉氏に話を聞いた。

なお、今回のブースで展示されたPCは以下となる

G TUNE FG-A7G70
https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/ggtune-fga7g70g6bfdw101dec/

G TUNE FZ-I7G70
https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/ggtune-fzi7g70g8bfdw101dec/


G TUNE FZ-I7G7T

https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/ggtune-fzi7g7tg8bfdw101dec/

G TUNE FZ-I9G90

https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/ggtune-fzi9g90g8bfdw102dec/


ブース出展しているのに

――以前インタビューをさせていただいたときは、TGSでたくさんPCを貸し出ししているとお話しされていました(関連記事)。自社でブースを出展している今年は、さすがにPCの貸し出しは控えめになっていますよね。

桑園氏:
それが……そうでもないんですよ。

――え?

桑園氏:

実は、今年は我々が出展するということもあって、ご協力いただけるパートナーさんは我々の方からお声がけしたんですね。で、その実績はどうだったんだろうと私も気になって調べてみたんですけど……そうしたら今年が今までで一番多いです。

――今年が一番多いんですか?

桑園氏:

今年は実はパソコンだけで130台以上貸し出しをしていて、そこにiiyamaのゲーミング液晶ディスプレイも含めると、その1.5倍くらいになって……。なので今年が一番多いです。

――他メーカーさんのPCを多く貸し出すにあたっては、マウスさんの負担も大きい認識です。高額PCですし、貸した後そのまま再利用もできないです。それでも貸す価値はあると。

桑園氏:

ありますね。

マウスコンピューターに限らず、パートナーさんのいろいろなブースで我々の製品を使っていただくことで、プロモーションに活用させていただいています。以前のインタビューでもお伝えさせていただいたように、コンテンツが盛り上がることで我々のビジネスがちゃんと成り立つということは絶対にあると思っています。

逆に言うと、我々が貸し出しを渋ることでパブリッシャー様がゲームのイベント、たとえばTGSに出展できないということが発生した場合、ゲーム体験が盛り上がらないじゃないですか。

――ゲームメーカーさんがPCでトラブルがあって展示がうまくいかないとなると、メーカーのファンにとっても不幸です。

桑園氏:

そうなると、ゲームユーザーが減ってしまって、最終的に締まるのは我々の首になるんですよね。

――なるほど。コストがかかるとしても、まわりまわって自分たちの得になると。

桑園氏:

そうですね。PCゲーミングに関わる一員として、パブリッシャー様のゲームタイトルが盛り上がることがみなさんの幸せだと思っていますから。

――合理的なんですね。

桑園氏:

ただ、貸出させていただている以上は、弊社の販促のお手伝いには協力してもらっています。たとえば、机の下に我々のPCが押し込まれるようなレイアウトではお貸し出しできないんです。なので、賛同いただけた皆さんにはたとえば机の上に置いていただくとか、どうしてもレイアウト上難しい場合は代案をお願いして、きちんとPRになるかたちでご協力いただけるよう交渉しております。

PLAYISMのパンフレットには使用PCがしっかりめに記載されている

そのほかにも、一部のメーカーさんにはスタンプラリーにご参加いただいて、相互に送客するような連帯感が共有できる会社さんとは、いろいろな取り組みがうまくいくと思っています。

――たしかに御社は一緒にイベントを作ろうというパートナーを積極的に探されている印象ですね。

桑園氏:

TGSで1日4つ、4日間で16のステージコンテンツをおこなうんですが、そこでタイトルとしてご協力いただいている企業さんはすべてお貸し出し先だったり、試遊にゲームタイトルをお貸し出しいただいていたりする企業様なんですね。そこはうまくシナジーを効かせられたらと思っています。そういったストーリーを設計するのも我々の仕事ですから。

――ちゃんと理由と目的を考えた上での、今回のTGS出展なんですね。

桑園氏:

設計を間違えてしまって、ただ安請け合いをして次のお取引に繋がらない今年だけの取り組みになってしまうと申し訳ない部分があるので、こういった取り組みはきちんと今後も続けていきたいなと思っています。

――ありがとうございました。


以下、マウスコンピューターが今回のTGSで貸し出したブースと、そのブース写真を掲載する:

■DRIMAGE『アーケロン』


■スクウェア・エニックス『KILLER INN』


■Ubisoft『モービッド メタル』


■Battlestate Games『Escape from Tarkov』『Escape from Tarkov: Arena』


■ONE-Z


■Hong Kong Spiral Rising Technology『デュエットナイトアビス』


■ネクソン『The First Descendant』


■Graph(全般)


■PLAYISM(全般)

AUTOMATON JP
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