日本で“販売停止要請”を受けたニンテンドーDSホラー『Dementium: The Ward』Steam版発表。「閉鎖病棟」のネーミングで物議醸したゲームが蘇る

Atooiは10月14日、『Dementium: The Ward』をSteam向けにリリースすると発表。本作はニンテンドーDS向けにリリースされた同名タイトルのリマスター版だ。

デベロッパーのAtooiは10月14日、『Dementium: The Ward』をSteam向けにリリースすると発表した。本稿執筆時点ではリリース日は未定で、Steamストアページ表記によると、日本語への対応予定はないようだ。本作はもともと、国内ではニンテンドーDS向けに『DEMENTIUM~閉鎖病棟~』としてリリースされていた。

『Dementium: The Ward』は、ニンテンドーDSに向けて海外では2007年、日本国内向けに2008年にリリースされたホラーアドベンチャーFPSだ。海外向けにはNintendo Switch/PS5/PS4向けリマスター版が発売されていたが、今回Steamにもリマスター版が登場するかたちだ。

本作にて主人公は廃墟となった病院にてひとり目を覚ます。どうして廃病院にいるのか記憶を失っている主人公は、謎を解き明かすために暗闇に包まれた病棟を探索し、脱出を目指す。廃病院にはゾンビのような人型生物が登場するほか、おおよそ人とは思えない異形の怪物なども登場。探索にあたっては近接武器のほか、リボルバー、スナイパーライフル、ショットガン、電動のこぎりなどを拾得できるため、これらの武器を使い分けて戦う必要がある。

本作は暗所を探索する恐怖と異形の恐ろしさなどが音声、グラフィック面などで演出されており、病院の気味悪さなどがホラーゲームとして好評。一方でさまざまな武器が存在することによる対抗手段もあり、シングルプレイFPSとしてのゲームプレイもクオリティが高いと当時好評を博していた。

しかし、日本国内版は、ホームページの閉鎖などがおこなわれたタイトルでもある。というのも、邦題である『DEMENTIUM~閉鎖病棟~』の「閉鎖病棟」という単語やゲーム内容に対し、日本精神科病院協会が抗議。「閉鎖病棟」は精神科病院にて実際に運用されている病棟の名称であり、ゲーム内にも精神病を思わせるワードが複数登場する。こうしたゲーム内外の表現を理由に、日本精神科病院協会は「精神病患者を冒涜し、差別・偏見を助長」、そして患者が襲ってくるようなイメージを抱かせるとして、発売中止などを求めていた。これを受けて当時ローカライズ・販売を手がけていた株式会社インターチャネルは、指摘されたような意図で副題を付けたのではないことを説明しつつ謝罪。ホームページの閉鎖や広報活動を停止すると発表していた。また副題を外し「Dementium(ディメンティアム)」として販売することを告知していたものの、その後結果的に国内では生産終了となったようだ。

そんな『Dementium: The Ward』が今回Steam向けに登場すると発表された。なお先述した海外向けリマスター版をベースにしているとみられ、ストアページの記載を確認する限りでは日本語対応はしていないようだ。また発売日は近日中とは告知されているものの、具体的な日付は発表されておらず、続報も待たれるところだ。

『Dementium: The Ward』はPC(Steam)向けにリリース予定だ。現時点で発売日は不明。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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