ローグライクRPG『House of Necrosis』じわじわ好評集める。初代『バイオハザード』風レトロ洋館探索に夢中になるプレイヤー続出
Warkus氏は10月7日、ローグライクRPG『House of Necrosis』をリリース。本作は洋館を探索するローグライクRPGとして、リリース直後から人気を博している。

個人開発者のWarkus氏は10月7日、ローグライクRPG『House of Necrosis』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)。本作はさっそく多くの好評を集めている。
『House of Necrosis』は、1990年代のサバイバルホラーゲームにインスパイアされた伝統的ローグライクRPGである。プレイヤーは森の奥深くにたたずむ洋館にやってきた特殊部隊の一員として、洋館からの脱出方法を探すことになる。この洋館では凄惨な殺人がおこなわれているというが、調査のために向かった者は誰一人として帰ってこなかった。プレイヤーも新たに調査のために派遣された部隊の一員だが、仲間とはぐれて一人きりになってしまう。洋館の内部は迷宮のようになっており、ホールらしき空間にある扉の先は入るたびに構造を変える。洋館の謎を解き明かせば、脱出の糸口が見つかるかもしれない。

ゲームは大きく、準備パートと、洋館を探索する攻略パートに分かれている。準備パートは前進・後退・方向転換という、いわゆる「ラジコン操作」になっている。ラジコン操作で戦闘をおこなうことはないが、往年のサバイバルホラーゲームファンにとっては、ちょっとした懐かしさを味わえる要素だ。
いっぽう、攻略パートは見下ろし視点となっている。自分も敵も1回の行動のたびに1ターンを消費するターンベースのシステムで、マップは挑戦するたびに構造が変化する、プレイヤーのレベルは挑戦するたびにリセットされるが、過去のプレイでアイテムを持ち帰ることに成功していた場合には、準備パートで装備を整えてから挑戦することも可能。ただし、洋館内で死亡した場合は所持しているアイテムをすべて失ってしまう。「Rescue Crystal」というアイテムを使うことで攻略の途中でも帰還が可能だが、効果の発動にはやや時間がかかるため、撤退の判断は無理のないうちにしなければならないだろう。

プレイヤーは上下左右の移動のほか、その場での近接攻撃、エイムで向きを決定してからの射撃、その場で動かずターンを消費できる待機が可能だ。射撃前のエイムでは装備している銃火器の射程範囲を確認でき、攻撃が当たる範囲は青い枠で示される。エイムしただけではターンを消費することはなく、射撃は弾薬を消費するため、無駄撃ちは極力避けたいところだ。また、一人称視点で先を見渡す機能も存在している。部屋に入る前にうまく活用して敵の位置を確認すれば、余計なリスクを避けることができるだろう。
洋館内には戦闘に用いる武器・防具・弾薬のほか、ハーブ、薬品、書物といったさまざまなアイテムが落ちている。武器や防具には成長の概念があり、使えば使うほど性能が強化されていく。うまく育てた武器や防具を持ち帰ることができれば、次の挑戦では楽ができるわけだ。ハーブはおもに体力を回復するアイテムで、中には体力の最大値を上げる効果を持つものも存在している。薬品は鑑定しなければ効果が不明である。効果不明のままでも自分に使うか、敵に投げつけることで効果を確認することが可能だ。書物からは魔法が習得できる。魔法は使用回数に制限があるものの、死んでも忘れてしまうことはなく、挑戦のたびに使用回数が補充される。


そんな本作はリリースからさっそく高い評価を集めている。本稿執筆時点でSteamユーザーレビューは124件で、そのうち96%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。本作は初代『バイオハザード』のような雰囲気や、魔法使用時には『ファイナルファンタジー7』を思わせるような演出があるなど、1990年代のゲームを思い起こさせる要素が詰まった作品である。レベルのリセットや構造の変わるダンジョンなど、ゲームシステムは本来の意味の“ローグライク”に近いものだが、途中で脱出するアイテムが存在しているため繰り返しプレイして少しずつ攻略していくこともできる。レビューではそんな懐かしさと、繰り返しプレイの楽しさが好評を博している様子だ。
本作を手がけたWarkus氏は個人のゲーム開発者である。過去にはitch.ioで初代プレイステーションやNINTENDO 64のような雰囲気のゲームを多数リリースしており、本作がSteamでリリースする初の商業作品である。本作はもともと7日間でローグライクゲームを作るイベント「7DRL Challenge」のために開発されたものとのことだが、Warkus氏が同イベントに参加したのは2022年のことである。それから実に、約3年半の開発期間を賭して本作に磨きをかけてきたようだ。往年の作品を思わせる演出という同氏の持ち味は本作でも存分に発揮されている。
『House of Necrosis』はPC(Steam)向けに配信中。現在はリリース記念セールが開催されており、10月14日までの期間限定で定価の10%オフとなる税込1260円で購入可能だ。