Steam無料・お金稼ぎ自動化シム『Upload Labs』人気急上昇中。じわ伸びから突如人気爆発

デベロッパーのEnigmaDev Studiosは10月4日、無料ゲーム『Upload Labs』をリリースした。対応プラットフォームはPC（Steam）。ゲーム内は日本語表示に対応している。本作はピーク時のSteam同時接続プレイヤー数が5000人を超える活況を見せている。

『Upload Labs』は、コンピューターのシステムを構築してお金を稼ぐシミュレーションゲームである。プレイヤーは稼いだお金でコンピューターの性能を向上させ、さらに効率的にお金を稼いでいくことになる。そうして性能をどんどん向上させていき、やがては科学研究、ハッキングによる侵入、汎用人工知能を目指すAI開発などをおこない、最終的には避けられない宇宙の熱的死、いわゆる“宇宙の終わり”を克服するという壮大な目標が展開される。

ゲームを起動すると、さながらバーチャルマシンを立ち上げたかのように、仮想のOS「Labs OS」の起動画面が現れる。Labs OS内ではコンピューターの各機能が四角いノードとして確認できる。それぞれのノードをつないでやると、コンピューターが動く仕組みだ。

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たとえば、最初に扱うことになる機能「テキストダウンローダー」は、置いただけではまったく動かない。別の機能である「ネットワーク」のダウンロードとつないでやることで、テキストファイルをダウンロードするという機能が動き始める。ただし、ゲーム開始時点の「ネットワーク」のダウンロード速度はわずか8bpsとなっている。ちなみにこの速度は実際のインターネットの回線速度にたとえると、本稿に掲載しているスクリーンショット1枚（約300KB）をダウンロードするのに約3日半かかるほどの遅さだ。

ダウンロードしたテキストは、さらに別の機能「アップローダー」に渡してやることで、お金を稼ぎ出してくれる。もちろん「アップローダー」も「ネットワーク」のアップロードと接続しなければ機能しない。また、お金を稼げる機能の場合、お金を回収する機能「収集器」との接続も必要となる。こうして、テキストのダウンロードとアップロードというお金を稼ぐ一連のサイクルが完成する。

お金を使えば、ノードのアップグレードや、新しいノードの解放など、コンピューターの性能を向上させることができる。新たなノードを設置し、つないで、加速度的に性能を向上させ続けることで、やがては宇宙規模の問題に対抗できるほどのスーパーコンピューターになっていくわけだ。

そんな本作は、リリース直後にはSteam同時接続プレイヤー数が約100人ほどで、大きく注目されていたわけではなかった。しかし、その後じわじわと人気を集め、ストラテジーゲームや経営シミュレーションゲームなどを中心に紹介するYouTubeチャンネルで紹介されたことをきっかけに人気が爆発。本稿執筆時点でピーク時にはSteam同時接続プレイヤー数が約5200人というにぎわいを見せている（SteamDB）。また、Steamユーザーレビューは145件、そのうち84％が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。

本作は『クッキークリッカー』に代表される、インクリメンタルゲームの要素をもつシミュレーションゲームである。あたかも開発画面のような雰囲気で進行するため、ちょっとしたハッカー気分も味わえるかもしれない。レビューではどんどんコンピューターの性能が向上していく点に快感を見出している意見が多く見られるが、ノードのつなぎ方などの奥深さも好評を受けている様子だ。

本作を手がけるEnigmaDev Studiosは、ブラジルに拠点を置くインディーゲームデベロッパーである。過去にSteamではファイルダウンロードをテーマにしたインクリメンタルゲーム『Upload Simulator』をリリースし、「非常に好評」ステータスを獲得している。また、スマートフォン向けには『Upload Simulator』『Download Simulator』という2つのタイトルをリリース。このうち『Upload Simulator』は50万ダウンロードを超える人気ぶりとなっている。コンピューターのはたらきをテーマにするという同スタジオの持ち味は、本作でも発揮されているようだ。

『Upload Labs』はPC（Steam）向けに無料で配信中だ。