SteamなどいろんなWebサービスで一斉に接続障害発生し、いまだ不安定なサービスも。“記録的な大規模DDoS攻撃”の可能性も浮上
Steamを含むさまざまなWebサービスにおいて、昨日10月7日より接続障害報告が相次いでいる。複数のサービスで障害が同時多発的に観測されており、広範なDDoS攻撃が原因ではないかという推測も広がっている。

Steamを含むさまざまなWebサービスにおいて、昨日10月7日より接続障害報告が相次いでいる。複数のサービスで障害が同時多発的に観測されており、広範なDDoS攻撃が原因ではないかという推測も広がっている。PC Gamerなどが報じている。
ユーザー報告をもとに各種サービスの稼働状況を記録するサイトDowndetectorを見ると、昨日10月7日にはSteamやEpic Gamesストア、PlayStation Network、Xboxといったゲームプラットフォームにて断続的に問題報告が急増。またRiot Gamesの手がける『VALORANT』『League of Legends』などでも接続障害の発生報告が寄せられており、公式サポートからもゲームから切断される問題が発生しているという報告がおこなわれていた。ゲームに限らず、Amazon Web ServicesやHuluといった幅広いサービスで問題報告が集まっていたことが確認できる。



このうちSteamでは引き続き不安定な状況が続いている模様。Steamの非公式データベースSteamDBを見ると、Valveが開発・運営するオンライン対戦ゲーム『Couter-Strike 2』『Team Fortress 2』『Dota 2』で本日未明から早朝にかけてプレイヤー数が急激に減少していたタイミングが複数見受けられる。
こうした問題の背景には、大規模なDDoS攻撃がおこなわれていたのではないかといった推測も広がっている。DDoS攻撃とは、Distributed Denial of Service attackの略称だ。インターネットに接続した多数のホストを利用して攻撃対象のサーバー等に大量のトラフィックを送信し、意図的に特定のネットワークやWebサービスを利用できないようにする攻撃行為を指す。主な手法として、マルウェアに感染したデバイスを踏み台(bot)として悪用できるようにし、それらをネットワーク化したbotnetによる攻撃がおこなわれることが知られている。
上述した障害発生報告の急増に関してサイバー犯罪に関するジャーナリストvxdb氏は、同タイミングで「AISURU botnet」にて29.69テラビット毎秒ものDDoS攻撃が実行されていたという噂が見受けられると報告。AISURU botnetは近年になってその存在が報じられたbotnetであり、サポート終了済みの古いネットワークカメラなどを中心に30万台にもおよぶデバイスでbotnetを形成しているとされる。過去にCloudflareが受けた11.5テラビット毎秒もの大規模DDoS攻撃にも、AISURU botnetが関わっていた可能性が指摘されていた(BleepingComputer)。
とはいえ先述したとおり噂にすぎず、今回の問題にAISURU botnetが関与していたかどうかは不明。いずれにせよSteamを含むさまざまなWebサービスが一斉に接続障害に陥った背景として、広範なDDoS攻撃が実行されていた可能性はあるだろう。各社が今回の問題について報告をおこなうかどうかも注目される。