100万本売れたゲーム『Metal: Hellsinger』開発元The Outsidersが突然のスタジオ閉鎖。親会社が”別のヒットゲーム”にリソースを集中させるため
The Outsidersは10月6日、スタジオが閉鎖されることを発表した。

デベロッパーのThe Outsidersは10月6日、スタジオが閉鎖されることを発表した。同社の親会社Funcomによる人員削減の一環とみられる。
The Outsidersはストックホルムを拠点とするデベロッパーだ。2020年に当時手がけていたステルスアクションゲーム『Darkborn』が開発中止されたのち、リズムゲームとFPSを融合した『Metal: Hellsinger』をリリースしヒットを記録。同作は本稿執筆時点でのSteamユーザーレビューでは約1万3000件中96%の好評率で「圧倒的に好評」ステータスを獲得しており、同社の代表作となっている。

同スタジオについては、2021年にTencent傘下のデベロッパーFuncomが筆頭株主となり、事実上の買収がおこなわれた。The Outsidersはそれ以降、両社のスタッフおよそ計60名から構成されるチームFuncom Stockholmとして活動をおこなってきた。
Funcomが今年6月に発売した『Dune: Awakening』は、2週間で100万本を売り上げ、同社史上最速のセールスを叩き出した。好調にも思える業績を見せる一方で、Funcomは10月1日、海外メディアGamesIndustry.bizへの声明のなかで人員削減をおこなう方針を発表。理由としては、『Dune: Awakening』が開発から長期的なライブオペレーションの段階に移行し、また来年には主要コンソール向けのリリースを控えていることから、チームを再編しスタジオ間でリソースを集中させる必要があるからだとしている。

そして10月6日、The Outsidersの創業者およびクリエイティブディレクターのDavid Goldfarb氏がBlueskyにて、The OutsidersとFuncom Stockholmスタッフ全員がレイオフの影響を受け、10年続いたスタジオが閉鎖されることを発表した。まだ気持ちの整理がついていないとしつつも、同氏はなんらかの形で活動を続ける姿勢を表明しており、従業員の受け入れ先やビジネスの紹介などについて、ぜひ連絡してほしいと呼びかけている。
近年ゲーム業界では相次ぐレイオフが報告されている。今年7月にはマイクロソフトによる9000人以上におよぶ大規模な人員削減が実施され、KingやZeniMax Mediaなどゲーム部門の有名企業も対象となっていた(関連記事)。今回のFuncom傘下スタジオの閉鎖もゲーム業界に衝撃を与えており、『Dune: Awakening』ほどの成功を収めたスタジオの傘下で、かつ『Metal: Hellsinger』などの実績のある作品を送り出したとしても、スタジオの閉鎖が容赦なく降りかかるという厳しい現実が浮き彫りとなっている。
【UPDATE 2025/10/07 11:13】
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