記憶潜入ミステリー『マインドダイバー』じわじわ好評集める。“意識の海”に直接ダイブ、恋人失踪事件の真相に迫る

PLAYISMは9月28日、Indoor Sunglassesが手がけるアドベンチャーゲーム『Mind Diver / マインドダイバー』をリリースした。

弊社アクティブゲーミングメディアが運営するパブリッシングブランドPLAYISMは9月28日、Indoor Sunglassesが手がけるアドベンチャーゲーム『Mind Diver / マインドダイバー』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)。ゲーム内は日本語表示に対応している。本作はリリース時から高い評価を集め続けている。

『マインドダイバー』は、記憶に飛び込み、欠落した部分を修復して真実に迫るミステリーアドベンチャーゲームである。プレイヤーは他者の記憶の中に入る「マインドダイバー」として、リナという女性の意識を探ることとなる。リナはプレイヤーが意識に飛び込む2時間ほど前に、恋人であるセバスチャンが行方不明になったとして警察に訴えかけていたという。しかし、わずか2時間の間にリナは警察と会っていたことを忘れるほど、急速に記憶を失いつつある。一刻も早くリナの記憶の欠落している部分を修復し、手がかりを掴まなければ、事件の真相は永遠に失われてしまうかもしれない。

ゲームはリナの意識の海「マインドオーシャン」を舞台として進行する。プレイヤーが意識に飛び込むと、周囲は神経網が広がっているような空間から、深い海のような景色へと変わっていく。その中をプレイヤーは、あたかも水中にいるかのように泳いで動くことができるのだ。マインドオーシャンには掴みどころのない記憶の断片も多く浮かんでいるが、奥深くへと潜り続ければ、やがて事件に関わる重要な瞬間を見つけることができるだろう。

事件に関わる瞬間にたどり着くと、プレイヤーは一定の空間内を歩き回って動くことができるようになる。記憶は瞬間を切り取ったものであるため、時間が停止しているかのように、物も人も動くことはない。ただし、リナの記憶は急速に失われている真っ最中である。記憶の中には欠落している部分や、現実とは違っている部分が存在している。プレイヤーは物や人を動かすことができるため、手がかりとなるものを探し、正しい配置に戻してやることでリナの記憶を修復することができる。そうして過去を明らかにして、少しずつ事件の真相に迫っていくのだ。

そんな『マインドダイバー』は、リリース直後から着実に高い評価を集め続けている。本稿執筆時点でSteamユーザーレビューは76件と母数はさほど多くないものの、そのうち98%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。

本作は記憶の断片から真実に迫るミステリーと、愛し合っていた2人に起きた事件というドラマ性が融合した、ストーリーに重点を置いた作品だ。レビューではそうしたストーリー面が高く評価されており、意識の海へ飛び込んでいく演出面も好評を受けている。一方で、ストーリーを味わいやすいよう謎解きの難度が抑えられている側面もあり、一部からはボリューム不足を指摘する声も聞かれる。公式の想定プレイ時間が6時間ほどであるのに対し、レビューでは4〜5時間でクリアしたプレイヤーが多い模様。本作にいち早く注目していたミステリー好きからするとやさしめだったのかもしれない。

本作を手がけたIndoor Sunglassesは、デンマークを拠点とするインディーゲームデベロッパーである。過去には学生時代に本作の前身となる同名の作品『Mind Diver』を制作しており、2023年のIndependent Game Festivalでは学生ゲーム部門のファイナリストとしてノミネートされている。本作はSteamでリリースする初の作品で、“学生版”『Mind Diver』をより良い作品とするため作り直したもののようだ。注目を集めた同スタジオの持ち味である演出面が、さらに強化されたというわけだ。

ちなみに本作は『Return of the Obra Dinn』『Her Story』『The Case of the Golden Idol』といった作品の影響を受けたとのことで、ゲーム内のどこかにはそうした作品の情報が隠されているという。『Return of the Obra Dinn』の開発者であるLucas Pope氏も本作のリリースにあたりコメントを寄せており、アートスタイルとビジュアルは圧倒的で、開発者たちがどれほどの労力を費やしたか想像もつかないと深く感心している様子だ。

『Mind Diver / マインドダイバー』はPC(Steam)向けに配信中。現在はリリース記念セールが開催されており、10月13日までの期間限定で定価の15%オフとなる税込1564円で購入可能だ。

Naoto Morooka
Naoto Morooka

1000時間まではチュートリアルと言われるようなゲームが大好物。言語学や神話も好きで、ゲームに独自の言語や神話が出てくると小躍りします。

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