名作FPS『DOOM』をなんと“電子タバコの液晶でプレイ”する人あらわる。「カクカク紙芝居」だけど、とにかく動く
電子タバコで『DOOM』をプレイするユーザーが現れた。

長年に渡ってゲーマーに愛され、ついにはゲーム機以外のさまざまな媒体への移植もおこなわれてきた傑作FPS『DOOM』。そして今回、電子タバコ(Vape)で『DOOM』をプレイするユーザーが現れた。海外メディアVideoCardz.comなどが伝えている。
『DOOM』といえばid SoftwareがMS-DOS向けに開発し、1993年に発売されたFPS黎明期の代表作。ファンから根強い人気を誇る作品だ。本作のソースコードは同社より非営利目的向けに一般公開されており、ソフトウェアの互換性が高いことで知られている。そのため、かねてよりマニアたちによって、ゲームに限らないあらゆる媒体への移植がなされてきた。なかにはダイヤル式電話やキャプチャ認証など、奇抜な移植も存在することでお馴染みだ(関連記事1、関連記事2)。

ドイツのプログラマーであるAaron Christophel氏は9月20日、『DOOM』が電子タバコ上で動作する様子を収めた動画を公開した。電子タバコに搭載された液晶パネルを見ると、たしかに『DOOM』のプレイ映像が映し出されている。
使われているのはAspire社のPIXOという製品の模様。日本円では5000円程度で手に入るデバイスだ。Christophel氏によれば、Arm Cortex-M4ベースのマイクロコントローラを備え、搭載されているRAMはわずか64KB。フラッシュメモリも256KBだけだ。80年代後期から90年代初期にかけてのゲーム機と張り合える程度のスペックではあるものの、『DOOM』を動作させるには力不足と言わざるを得ない性能だろう。
そこでChristophel氏はこのデバイスを、PCから出力された映像を再生させるセカンダリモニターとして利用することに。同氏は専用のカスタムファームウェアを作成。データはPCからUSB経由で取得し、シンプルなツールを用いてストリーミング。もちろん画面に映像を映しているだけなので操作は別途PCでおこなう必要があり、フレームレートも6fps程度しか出ていないというが、電子タバコの小さな液晶の上で見事に『DOOM』が動作しているのだ。
ちなみにChristophel氏はこれまでにもさまざまなデバイスで『DOOM』の“移植”に挑戦してきた。今年8月にはAnker社製の充電ステーションで『DOOM』を動かし、本体横のつまみを用いてなんと操作をおこなうことにも成功している。このデバイスにはBluetoothやWi-Fiの機能が搭載されており、チップも単独で『DOOM』を実行できるほど強力。チップにメモリー領域を直接マッピングできることを突き止め、ハードウェアを改造しない“市販状態”のまま動作させているという。同氏の手にかかれば、画面さえ存在すればどんなデバイスでも『DOOM』をプレイすることが可能になるのかもしれない。
『DOOM』のファンコミュニティでは、こうした突飛な発想でさまざま媒体へと同作を移植しようと日々努力が積み重ねられている。次はどんな姿の『DOOM』が登場するのか想像が膨らむばかりだ。